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菊池さま
山岸です。
なぜ37年が特異な年になったかというと、3年前の34年の高校入試で一高の中位に当たる層が中学の受験指導で二高を受けさせられたからです。まず、前年の33年の志願状況は次のとおりでした(定員350)。
33年 志願人数 倍率
一高 521 1.49
二高 602 1.72
それが翌年の34年には次のように激変しました(定員350)。
34年 志願人数 倍率
一高 379 1.08
二高 649 1.85
そして一高の志願者激減について次のような新聞記事があります。
【名門高校の入試異変】
【志願者激減した仙台一高の場合】
高等学校が合格者がほとんど発表になりましたが、宮城県下でことし、名門仙台一高が定員三百五十人に対し志願者三百七十九人という異例の現象を出しました。
合格者数は事情により定員を十人上回ったので落第した生徒はわずか十七人だけということになりました。
つまり、ほかの学校が何倍かの競争率なのにここだけはほとんど無競争でした。
有名公立高校でこうしたことは全国でも例が少なく、特異のケースだといわれています。
どうしてこういうことになったかについては、関係者は次のように話していますが、ことしは高校志願者が多かったこと、仙台一高などの名門には優秀な生徒が受けるので、中学校側で落第生を少なくするために進学指導を厳密にしたことなどがあげられています。
生徒の中にはほかの二流校へ受験をすすめられ、かえって競争がはげしく、落ちたと不満を訴えているものもあり、この学校推薦はなかなか大変な問題になってきました。
来年は逆に有名校にどっと受験生が押しかけるかもしれないとの予想も出ています。
中学校の進路指導と、学校の推薦者がそのまま入学できたことについて意見を聞いてみました。
【困る”片寄り指導”】
【学校選択は自由な立場で】
【宇野仙台一高校長の話】
内申書だけで不合格者を決めた事実はない。
ことしの一高の志願者の特徴は上位と下位との差が、例年になく大きかったことだ。だからそういったところから生れた推測ではないかと思う。
志願者の数が定員とほとんど同じだったのは、中学の進学指導が少なくとも仙台一高については徹底していた証拠といえるのではないか。
もちろん一つの学校にだけ力を入れ他を野放図にしていてよいというのではない。
また志願者が一方に片寄るような進学指導や、生徒が自由な立場で学校を選択できないような状態にあることも感心しない。
志願者にいろいろの圧力を加えた中学があったということを二、三耳にしているが、本当だとしたらまことに残念なことだ。
【一時的な現象】
【山下忠宮城県教育長の話】
多くの中学校で子どもの成績に応じてそれぞれ進学の指導をしているがこれは子どもたちをできるだけ多く無理をせずに上級学校へ進めようという考えからで、それ自体悪いことではない。
全部が全部、むりむり一高なら一高を受験するのは、かえってたくさんの浪人ができてしまうことになる。
中学校の先生にせよ、父兄にせよ学校に入れてやりたいと思って努力するのは当然のことでしょう。
こんどの場合にしても、あくまで一時的現象で、いつでもそうだとは限らないだろう。
たまたまそうなったからといって、私の方からこうしてほしい、ああしてほしいといおうとは思っていない。
ああいう結果になった以上は、中学校の方にも反省があるだろうから、来年はまた普通になるのではないか。
合格者の人数をよけいにしたというが試験の結果と内申書とを対等に扱って決定したものと信じているから、何もいうことはない。
【落第を警戒して敬遠か】
【瀬上顕五橋中学校長の話】
私の方ではことし一高を受験した生徒は七十人で、去年の七十二人とほとんど同じだった。
ほかの中学校の方が相当減っているのではないかと思う。
ことしは卒業する生徒の数が非常に多く、落第のうき目をみたくないということと、一高という名門校には相当優秀な子弟が集まるのではないかという警戒心から一高を敬遠したのではないだろうか。
どこの中学校でも子どもの学力をみて進学指導をしている。
そんなわけで私の方では一高ならどの程度の学力があれば大丈夫か、ムリじゃないかということを、いろいろのデータを集めて出し、父兄と何回も話合い、父兄の希望も聞いて最後的にきめている。
決してどこの学校を受けろということを強制的にいってはいない。
だからことしの一高の受験者数が少なかったからといって、これはたまたま偶然にそうなっただけであり、これだけで私の学校のいままでの方針を変えるということはしないつもりだ。
【強制的感じもする進学指導】
【仙台上杉中学校父兄の話】
志願者数が定員とほとんど同数で、落第したものがホンのわずかだったということは、中学校側の進学指導のやり方から生じた余りかんばしくない現象だと思う。
中学校では父兄と話合って子弟の進学校を決めるが、それが必ずしも納得ずくでなく、半ば強制的な場合もある。
”もし落ちた場合、もう一年補習してくれといわれても責任を負わない”といったこともいわれる。
再考の余地があると思う。
【反動あれば逆効果】
【文部省の見解 指導徹底は結構だが】
この問題について文部省初等中等教育局では「これまでそういう事例を聞いたことがないので」と正式な見解は避けているが、中学校側の指導が適切なら悪いことではないという考え方のようだ。
【文部省初中局中等教育課長安達健二氏の話】
中学校の進学指導について文部省としてはこうしろということはできない。
しかし強制でなく、教師、父兄、生徒の間でスムーズに話し合いが行われた結果であるならば、決して悪いことではない。
高校進学の狭き門をできるだけ避ける意味からいえば、こういう指導が徹底することも一つの方法だと思う。
しかしこれは必ずしも長続きしないように思える。
来年はこの反動でどっと有名校に志願者が押し寄せるようになったら逆効果だ。
関係者はその点も十分注意してほしい。
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それでは貴コラムの方よろしくお願いします。
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