さて12月! ~高校はなぜ「早く進路を!」と言ってくるのか~ 2025/12/01

今日は12月1日です。

受験に携わる者にとって、12月というのは、11月に比べても特別な意味を持ちます。

受験を控えている生徒さんの表情が変わっていく...

そういう様子も感じられます。

このところ、12月という時期を迎えて感じるのは、

「生徒さんの進路の決まるのが早くなっている」

ということです。

例えば、東北大では11月にすでにAO入試が行われています。

今回は、東北大医医に合格者が出ました。

東北大のAO入試は、一般入試に比べると、難易度が高いです。

そのほかにも、私大のAO入試も11月です。

高校入試は、さすがにここまで早くは決まりません。

しかし、「私立推薦」ということであれば、ほぼ合格は確定します。

決まるのは、1月半ばです。

そんなことがあり、高校は入学後すぐに

「早く進路を決めてください!

文系・理系、どっちに行くんですか?」

という具合にせっついてきます。

生徒さんにしてみれば、

「今、入学したばっかりなのに...」

という気分にもなりそうです。

が、背景にはこうしたことがあります。

進路決定がこのように早くなっています。

ということは、それよりもっと早く、生徒さんは自分の意向を決めておかなくてはなりません。

さて、わたしも頑張っていきます!

高校入試の過去問 ~公立・私立のバランス~ 2025/12/02

中3生は内申評定が通知されました。

受験する私立高校も決まっています。

この時期、公立メインの受験生を持つご家庭からは、

「私立高校の入試のための勉強ってどうやればいいんでしょうか?」

というお尋ねをよく受けます。

今回のコラムでは、この点への回答をメインに書いてみます。

 

◎私立の過去問をやり過ぎない

あくまでメインとなるのは公立入試です。

私立の入試問題は、公立と出題形式・難易度が違います。

私立の過去問演習を行うことは、公立入試メインの学習にプラスにはなります。

ただ、「やり過ぎ」は避けるべきです。

 

◎私立の問題は難しい

私立の問題は、公立に比べて、同等あるいは難しいです。

「この高校、こういう問題を出してるけど、この問題解ける人で、この高校を受験する人はいるの?」

このように感じることがよくあります。

ウルスラの問題、特に数学は難しいものが出ます。

もっとも出るのは、難しいものばかりというわけではありません。

基本的なものも出題されることはもちろんです。

大切なのは、

「難しい問題を無理して解こうとしない」

「易しい問題・基本的な問題をいかに確実に解けるか」

これが試されます。

このことは、私立入試のみに当てはまるわけではありません。

中1生 定期試験の英語・数学 ~小学校のテストと比べると~ その1 2025/12/03

今回のコラムは、この時期に行われる中1生の定期試験についてです。

公立の中学校でこの時期の定期試験というのは、だいたいこんな感じで行われています。

 

・中3生と同じ時期に

・中3生よりもちょっと遅く

・そもそも定期試験がない

 

中3生と同じ時期に行われた中1生の定期試験の結果は、ぼちぼち出始めです。

その結果を受けて、多くのご父兄から聞かれる声の一つが

「小学校のときのテストに比べて、点数が下がった」

というものです。

「点数が下がった」原因として、ご父兄の多くは

「勉強が中学に入って難しくなったから」

とお考えになっているようです。

もちろん、これも原因です。

しかし、わたしが考えるに、原因はこれだけではありません。

一番大きな原因は、

「小学校と中学校で『テスト』がまるで違う考え方で作られているから」

テストが違う原理で作られているなら、出てくる結果が違ってくるのも当たり前です。

ところが、この「原理の違い」は、ほとんど知られていません。

そして、学校の先生も、これを意識している方は相当少ないです。

わたしのような受験関係者がひそかに知っていると言っても過言ではありません。

以下、どのように違うのかを述べます。

次回に続きます)

中1生 定期試験の英語・数学 ~小学校のテストと比べると~ その2 2025/12/04

前回の続きです)

◎小学校のテストの平均点は80点程度

□中学校の定期試験の平均点は50~60点程度

 

小学校で単元の終わりごとに行われるテストは、受験業界で「カラーテスト」と呼ばれます。

このカラーテストについて、子供さんがもらってくる点数がいかほどかはご存じかと思います。

では、このカラーテストの平均点が学校から発表になったことはございますか?

たぶんないはずです。

つまりこの「カラーテスト」は、「生徒の序列をつける目的がない」ということです。

「カラーテスト」は平均が80点程度になるくらいに問題が作られています。

一方、中学校の定期試験は、小学校の「カラーテスト」とは違います。

試験の目的は、「生徒に序列をつけること」です。

生徒の学力を点数で測り、通信表の評定を出します。

評定の数字は、高校入試に直結します。

テストの平均点は、50~60点くらいが「相場」です。

小学校と中学校で、テストについては、これだけ性格が違います。

ですから、「中学校になってから、急にテストの点数が下がった」としても、不思議ではありません。

とはいえ、そういう点をもらう生徒さん、ご父兄にしてみると、愚痴の一つも言いたくなる気持ちも理解できます。

次回に続きます)

中1生 定期試験の英語・数学 ~小学校のテストと比べると~ その3 2025/12/05

前回の続きです)

中1生の定期試験につき、過日行われた公立中学で、英語・数学の得点分布表が手元にあります。

得点が30点台以下になっている生徒の割合はこんな感じです。

 

<数学>

平均点50点

0~29点 21.4%

0~39点 33.9%

 

<英語>

平均点52点

0~29点 20.7%

0~39点 32.2%

 

つまり、「5人に1人」は20点台以下です。

「3人に1人」は30点台以下です。

こういう生徒さんも、小学校のカラーテストで60点くらいは取れていたかもしれません。

「小学校のときは点が取れていた。

でも、中学に入って20点・30点という点を取ってくるようになった」

このように仰るご父兄は、これまで何人もいらっしゃいます。

「小学校のテストって、だいたい平均点が80点くらいです。

だから、60点という点だと、平均に行ってないってことなんです」

このようにご父兄にお伝えすると、だいたい

「エ!」

というお顔をなさいます。

ですから、中学での低得点も、小学校のときの学習に原因があったわけです。

ただ、わたしも受験に携わらず、子供が同じような点を取ってきたら、

「エ!」

という顔をしていたに違いありません。

こうしたテスト事情をまずもって知っていただければ幸いです。

受験期に伸びる生徒・失速する生徒 ~その違い~ その1 2025/12/06

この時期の受験生を見ていると、生徒さんの現状が今まで以上に分かるようになります。

「この生徒さんは、まだちょっと不安だが、逃げ切れるな」

「この生徒さん、このレベルの問題、解けなくなっちゃったか... 失速してきてるな」

こういうことを感じているわけです。

多くの受験生は、それほどペースが変わりません。

つまり、受験期が近づいたからと言って、大きく伸びたり、下がったりしません。

しかし、受験期に伸びる生徒さん、失速する生徒さんもいます。

彼らを見ていると、その原因は夏休み辺りの過ごし方にあるような気がしています。

言い換えると、こういうことです。

「夏休み辺りにコツコツやれていた生徒さんは、受験期に伸びていく可能性がある」

「夏休み辺りに手を抜いてした生徒さんは、受験期に失速する可能性がある」

今の時期、受験生は入試の過去問演習が始まります。

入試というのは、定期試験のように限られた範囲で行われるわけではありません。

基本的に、出題範囲は「これまでやったところ全部」です。

どこから出題されても、文句は言えません。

細かいところを突いてくる場合もしばしばです。

これまでの総決算を迫られるわけです。

次回に続きます)

受験期に伸びる生徒・失速する生徒 ~その違い~ その2 2025/12/07

前回の続きです)

学校で行う単元テストや漢字テストのようなものであれば、短時間の学習でも、成果は出ます。

しかし、入試となれば、勝手が違います。

入試の範囲は広いです。

そうは問屋が卸しません。

成果が出ていないときの学習というのは、やっている本人にとって、ムダになるかもしれないものです。

学習をすれば、必ず成果が出るとは限りません。

一方で、学習を積み重ねないと成果は出ません。

ここがジレンマです。

夏休み辺りにした学習も、成果としては、後になってからです。

成果が出るまでは、自分との戦いを続けていかなくてはなりません。

この「孤独な戦い」ができるかどうか...

これが受験期に現れてしまいます。

受験期に失速する生徒さんというのは、自分でその原因を自覚していないケースがほんとうに多いです。

だいたいこういう生徒さんというのは、夏休みを過ぎたあたりで、わたしのほうから何がしかの指摘を受けています。

その指摘を受け入れたかそうでないかが、受験期になって出てきてしまうのです。

「塵も積もれば山となる」

塵が積もって山になった結果、成果は正反対になってしまいます。

この点、受験生でない生徒さんには心しておいてもらいたいのです。

中学校の内申書 あったほうがいい?ないほうがいい? その1 2025/12/08

今日のコラムは高校受験のお話です。

その中でも

「内申書はあったほうがいいか?ないほうがいいか?」

ということを記してみます。

わたしの考えとしては、

「いろんな要素を考えると、内申書のあるほうがいいのかもしれない」

というものです。

以下、詳しく述べます。

もともとわたしは、

「入試のシステムはできるだけシンプルなものがいい」

という考えでした。

そうした意味で、

「入試は本番の点数、一発で決まる」

というのが、一番公平です。

そして、何より

「シンプルで分かりやすい」

です。

ですから、長年、わたしは

「内申書は不公平な制度だ。

なくしてしまったほうがいい」

という考えでした。

とはいえ、「シンプル」というのは、必ずしも「公平」とは限りません。

国会議員の選挙制度と同じで、必ずメリットとデメリットがあります。

そして、その制度で損をする人からは必ず苦情が出ます。

今、国会で選挙制度改革が言われ、「総論賛成、各論反対」になるのはそのためです。

しかし、わたしは、あるときから、内申書への考えが変わりました。

二高の先生のお話を伺ってからです。

それは、高校受験の説明会での出来事でした。

次回に続きます)

中学校の内申書 あったほうがいい?ないほうがいい? その2 2025/12/09

前回の続きです)

二高の先生のお話はこうでした。

 

・・・内申が高めで合格した生徒と、低めで合格した生徒。

両者は、入学後の成績に違いがみられる。

入学後もしっかり学習を続けることができている生徒は、内申高めで合格した受験生であるケースが多い。

反面、入学後に下位のほうになってしまうケースは、内申低めで合格した生徒が多い。

 

言い換えると、

「中学時代の内申が高かった、あるいは低かったことは、入学後の成績と相関関係がある」

ということです。

その先生は、次のように続けます。

 

・・・入試のときというのは、学力が最大値に達する。

しかし、高校に入学した後は、合格したことで満足してしまい、成績が下位のままになってしまう生徒が出てくる。

 

わたしはこの話を聞いたとき、ちょっと驚いたのです。

驚いたポイントは、高校入学後、成績が低空飛行を続ける生徒と、中学の内申点の低さとの相関関係です。

先生がそうおっしゃるということは、たぶんそれは事実なのでしょう。

高校の先生にしてみれば、できるだけ志気の高い生徒を教えたいはずです。

そして、できるだけ多くの生徒を、「難関」と言われる大学に送り込みたいはずです。

そうなら、低空飛行を続けることと、中学の内申点の低さに、着目せざるを得ません。

次回に続きます)

中学校の内申書 あったほうがいい?ないほうがいい? その3 2025/12/10

前回の続きです)

「低めの内申」とはいえ、これまで述べたことは、二高に入学してくるレベルの生徒さんでの話です。

中学生全般を見れば、二高入学者の内申は、かなり高いです。

「低い」といっても、平均4.3以上くらいはあります。

あくまで「二高の入学者の中でどうか」です。

二高入学者を、高校の先生は、今まで述べたように判断しています。

となれば、高校受験で内申点を絡めて合否を判定しているのは、高校側に十分な理由があるということになります。

入学者の選抜というのは、基本的に

「試験時の学力がどうか」を測ります。

しかし、高校としては、

「入学後に生徒がコツコツと学習を続けるかどうか」

ということも測っておきたいわけです。

そして、内申点制度があるということは、中学校にもメリットがあります。

中学校としては、

「高校受験に内申制度があるんだぞ!」

ということで、学校運営がしやすくできます。

要するに、内申制度は中学校・高校の両方にメリットがあるということです。

そして、二高のようなところでも、内申制度にメリットがあると感じられているという事実があります。

そのようなわけで、

「いろんな要素を考えると、内申書のあるほうがいいのかもしれない」

と考えるに至りました。

さて、本コラムをお読みのご父兄はどのようにお感じになりますでしょうか?

ナンバースクール狙いの男子をお持ちのご父兄へ ~内申評定で悩まないために~ その1 2025/12/11

昨日、わたしが運営するYouTube動画チャンネルに、「平均評定3.7からの仙台一高合格」をアップしました。

今回のコラムは、この動画に絡めた話題です。

わたしのところには、生徒さんはもちろん、生徒さん以外の方からも、内申評定に関してご相談が来ます。

そういった相談を下さるご父兄は、ほぼこのパターンです。

 

1.ナンバー志望

2.男子

3.志望校の合格者平均に評定がやや足りない

 

「平均評定が3.0に達していないのでどうしよう」

とか、そういうご家庭からも相談があってよさそうなのですが...

なぜか、上に挙げたケースがほとんどです。

そこで、内申評定で悩まないようにするためには、次のことをご子息に心得てもらえればと思います。

 

◎「仕事は丁寧に」

「仕事は丁寧に」というと、何やら社会人として求められる素養のように聞こえます。

しかし、実のところ、これは学生でも同じです。

高内申という生徒さんは、「仕事が丁寧」です。

中学生の段階で「仕事が丁寧」というと、例えばこういったものです。

・字が丁寧に書いてある

・自分だけが分かっているのでなく、評価者である先生にも分かりやすい工夫を惜しまない

こんな感じです。

次回に続きます)

ナンバースクール狙いの男子をお持ちのご父兄へ ~内申評定で悩まないために~ その2 2025/12/12

前回の続きです)

中学生全般を見ると、ナンバー志望者は十分に「仕事が丁寧」です。

そうでないと、そもそも高い得点はできません。

「仕事が丁寧」かどうかは、「ナンバー志望者の中でどの程度の丁寧さなのか」ということです。

競う相手は、高いレベルにある人たちです。

偏差値60に達しない生徒さんとは受験で戦いません。

そこを留意しておきたいです。

 

◎副教科は受験に無関係と考えない

 

学校では、英語・数学のように、入試科目になっているものがあります。

そして音楽・美術といった副教科もあります。

「音楽・美術なんて、受験に関係ないよな」

「この副教科、内申に関係あるのがそもそもおかしい」

「副教科の内申評定が2倍になるなんて、何なの?」

ナンバー志望者には、こういう風に考えている生徒さんがいるようです。

口に出したりすることがなくても、このように考えている生徒さんは何となく分かります。

この件については、本来ならこのように偉そうなことを語る資格がありません。

他ならぬわたしが中学のときにこう考えていたからです。

タイムマシンに乗って、中学生のワタシにコッテリと説教をしたい衝動にかられます。

「オマエ、幼いなあ~ 物事をちゃんと見ろ!」と。

(次回に続きます)

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