なぜ高額教材と家庭教師派遣会社が結びつくのか 〜塾と結びつかない理由を探求する〜 その1 2014/10/01

先般、あるご父兄の方からこういう話をいただきました。

「塾は高い教材を売っていないのに、どうして家庭教師の会社は高い教材を売るんでしょうね」

至極もっともなご意見です。

以前、このコラムや弊サイトでも家庭教師派遣会社と高額教材との関連性について述べました。

今回はさらに突っ込んで、「なぜ高額教材と家庭教師派遣会社が結びつくのか。なぜ塾とは結びつかないのか」を、わたしなりに分析してみます。

まず高額教材を斡旋する家庭教師派遣会社を「家庭教師派遣会社」ではなく、進研ゼミを主宰するベネッセのような「教材販売会社」そのものであると考える必要があります。

それならば、最初から「教材販売会社」であると名乗ればよさそうですが、一般の流通に乗せるだけの力がないので、家庭教師派遣会社を装って教材を販売しているというわけです。

また側聞するところでは、この種の教材販売会社は反社会勢力のフロント企業だったりする例もあるそうです。

となれば、コツコツと自社製品の販路拡大をやるなどという面倒なことをやるより、ドカンと一発、高額教材を売った方がいい、というのは、彼らが考えそうなことです。

(次回に続きます)

なぜ高額教材と家庭教師派遣会社が結びつくのか 〜塾と結びつかない理由を探求する〜 その2 2014/10/02

(前回の続きです)

では、なぜ塾ではなく、「家庭教師派遣」を名乗るのか、ということについて検証します。

検証に当たっては、わたしが教材販売業者になったつもりで2点記します。

第一点目として、家庭教師派遣は塾に比べて初期投資が少なくて済むことです。

塾は生徒に教えるための場所を確保しなければなりません。

一方、家庭教師派遣業は、そうしたスペースは不要で、小さな事務所に電話とパソコンがあれば済んでしまいます。

塾において、教える場所という不動産関連の費用は固定費として重くのしかかります。

その昔、宮仕えをしていたころ、当該会社は多くの部・課を有していましたが、部門に横断してにかかってくる不動産の施設賃借料を巡って、上司たちは喧々囂々の議論(という名の、なすり合い)を頻繁にやっていました。

それほどまでに施設賃借料の負担は重いものなのです。

まして、生徒が来るのは、放課後や休日等、時間帯が限られます。

しかしながら、かかる不動産賃貸料は生徒の多寡に関係なく発生します。

「生徒は夕方と休日しか来ないから、教室の賃料は通常の3分の1くらいにしてほしい」などということは通用しません。

ゆえに、教材販売会社は、塾ではなく、家庭教師派遣を名乗ることになります。

(次回に続きます)

なぜ高額教材と家庭教師派遣会社が結びつくのか 〜塾と結びつかない理由を探求する〜 その3 2014/10/03

(前回の続きです)

第二点目として、塾に通う子供を持つ家庭より、家庭教師を付ける家庭のほうが商売をしやすいということです。

もし子供が、塾に通って、しかるべき成績を上げていれば、何十万もする教材を子供に買い与えようという動機は低くなります。

子供の成績が振るわない、勉強が苦手な子供を持つご家庭であれば、子供のために何とかしようと考え、一縷の望みを託して「あのとき、出すべきものをケチったばっかりに.....」と後悔しないために、財布のひもが緩みます。

となれば、そこに「ビジネスチャンス」が生まれます。

教材の代金についてはローンを組み、仮に家庭教師の契約は途中解約となっても、ご家庭の支払うローンは残ります。

そして当該会社は、利益を出しています。

わたしとしては、家庭教師として事業をやっていきたいだけなのに、家庭教師派遣業をかたる教材販売会社のせいで、いちいち「教材の斡旋・販売はしない」と謳わねばならないことを悲しいことだと感じています。

「高い教材を子供に買い与えたい」とお考えのご父兄なら構いませんが、「家庭教師をつけたい」とお考えのご父兄は、縷々申し上げたことを心にお留めいただき、余計なトラブルに巻き込まれないようになさってください。

週末のつぶやき 〜 筆記体を禁止する英語教師〜 2014/10/04

先日、指導の際に衝撃的なことを生徒さんから聞きました。

その生徒さんの英語担当の教諭は、筆記体で答案を書くのを禁止しているそうです。

そして筆記体を書くと、減点されるとか.....

わたしは思わず「ヒェ〜」と叫んでしまいました。

「筆記体を教えない」というなら、まだ話は分かりますが、禁止までして、しかも減点するとは.....

確かに筆記体はブロック体に比べ、点画がはっきりせず、判読しづらいところはあるでしょう。

しかし、わたしの見るところ、一般的に字を金釘流で書く生徒さん、なかんずく字を丁寧に書かない生徒さんは、書体が何であれ、判読しづらいです。

試験の際、字は点画がはっきりしており、他の字と判別できれば、用は足りるはずです。

よって字をはっきり書くということと、筆記体を一律に禁止するということとは、別の次元であると考えます。

とはいえ、「亭主の好きな赤烏帽子」という言葉どおり、教室において教諭は生徒の評定をつけるという権力を持っていますから、逆らえません。

以上、驚きの報告でした。

分かりやすく説明するということ 〜生徒さんとの会話より〜 その1 2014/10/06

自分の持っている知識を人に分かりやすく説明するというのは難しいものです。

わたしのような職にある者は「生徒さんに対していかに分かりやすく説明するか」という命題と日々戦っており、その難しさを身に染みて感じています。

「分かりやすく説明する」というのは、当然、当該事項を深く理解していなければなりません。

しかしそれは、必要条件に過ぎず、それのみで十分ではありません。

今度は「人(にん)を見て法を説く」こと、すなわち、生徒さんの水準に合わせて話をかみ砕かなくてはなりません。

こういう例えをしたら、生徒さんは分かるだろうと予測しながら言いますが、当てが外れることもしばしばです。

生徒さんなりに理解できたかどうかは、表情を見ればわかります。

なぜこのようなことを書こうとしたかというと、最近次のようなことがあったからです。

指導の際、一息つくべく、生徒さんにリラックスしてもらうため、ゲームの話をしました。

以下、生徒さんとのやり取りです。

(次回に続きます)

分かりやすく説明するということ 〜生徒さんとの会話より〜 その2 2014/10/07

(前回の続きです)

菊池: ところでA君がいちばん気に入っているゲームは何ですか?

A君: グランドセフトです。

菊池: それはどういうゲームですか?

A君: 自由なゲームです。

菊池: 自由なゲーム? どういうことですか?

A君: 何でもできますよ。

菊池: 「何でもできる自由なゲーム?」 どういうものだかさっぱり分かりません。どういうものなんですか?

A君: そのとおり、何でもやれちゃうんです。

.....以下ループ、取りつく島がない。

菊池: グランドセフトっていうゲームは知ってますか?

B君: グランドセフトってグラセフのことですか?

菊池: そういうふうに短くするんですか? たぶんそうでしょうね。

B君: グラセフは、カセットでもやれて、ベータでもやれて.....(以下、プレーができるゲーム機種類を多数列挙)

菊池: あの〜、それで、どういうゲームなんですか?

B君: いや〜、あの〜なんていうか、いろいろあって、簡単に言おうとしても言えないんですが.....

→「グランドセフト」についての謎がますます高まる。

(次回に続きます)

分かりやすく説明するということ 〜生徒さんとの会話より〜 その3 2014/10/08

(前回の続きです)

菊池: グランドセフトっていうゲーム、したこと、ありますか?

C君: あ〜、はい、ありますよ。

菊池: それはどういうゲームなんですか?

C君: 一言で言うと、年齢制限があって、人を殺していくとか、そういうゲームです。

菊池: なるほど。

C君: それから、これは映画からとったもので、中学生で男子だったら、ほとんどの人がこのゲーム、知ってます。

→やっと「グランドセフト」の概要が理解できる

ちなみに、彼らはいずれも中3生です。

3人の中で、C君が一番成績がいいです。

成績の差というのは、こういうところにも出るんだなあと興味深く感じました。

彼らの説明については、C君が最も分かりやすく、A君はあまりにも漠然としています。

B君は、ゲームの内容自体に触れていません。

分かりやすく説明するには、知識があるだけでは不十分で、自分なりにそれを咀嚼(そしゃく)し、まとめ、説明するという力が必要です。

それがまさしく国語力です。

試験でもこの点が試されます。

それゆえ試験に臨むに当たっては、常に採点者の気持ちを忖度(そんたく)しながら、筆を運ばなくてはなりません。

この点、わたしが繰り返し指導しているところです。

祝! 日本人3人にノーベル物理学賞! 2014/10/09

すでに報道されているように、日本人3人のノーベル物理学賞受賞が決定しました。

中村修二氏、赤崎勇氏、天野浩氏には心より「おめでとうございます」と申し上げます。

今回の授賞理由は青色LEDの開発で功績を上げたからです。

この青色LEDというのは、これまでの受賞者に比べると、かなり身近に感じられるものではないでしょうか。

この青色LEDはいろいろなところに使われています。

なぜ青色LEDの開発がそんなに難しかったのか、わたしの知識では全く分かりませんが、今回、このようにノーベル賞まで受賞したということは、かなり大変だったのでしょう。

またわたしは、この中で中村氏については、ノーベル賞受賞よりも、青色LEDの開発で勤務していた会社と訴訟になった方、という印象が強く、名前を聞いたときは、「ああ、あの人ね」とすぐに分かりました。

月並みではありますが、どうぞこれからもすばらしい研究をお続けいただければと思います。

すばらしいお母様 2014/10/10

家庭教師という仕事の醍醐味のひとつとして、ご家庭一軒一軒へ上がって、生徒さん・ご父兄と間近に接することができることがあります。

わたし自身、親でもあり、ご父兄お一人お一人の、子息に対する接し方が参考になることが多いです。

そうしたとき、「これはすばらしい!」と感じたことを、「無断借用」させていただいています。

そのような中、このごろ、「すばらしいお母様だなあ」と感じ入ったことがあります。

ある生徒さんは、お母様から「あなたは大丈夫だから、きっとできるから」ということを繰り返し言われているとのことです。

親であれば、誰しも子息の成績が伸びんことを願うものですが、そうしたとき、ともすると「勉強しなさい」「しっかりやりなさい」という叱咤のみになりがちです。

「叱咤激励」という言葉がある通り、「叱咤」するからには、それと同等以上の「激励」を伴わなくてはなりません。

このようなことは、親が子供を何らかの形で信頼していなくてはできません。

この言葉を聞くと、子供は「親は自分を信頼してくれている」ことを感じ、多くの場合、親の期待に何らかの形でこたえようとします。

「あなたは大丈夫だから」と励まし続けるのは、かなりの精神力がなくてはできません。

子息にがんばってほしいなら、どうぞ励ましの言葉をかけてあげてください。

週末のつぶやき 〜 ちょっぴり温かい気持ちになったセールス電話〜 2014/10/11

過日、ここで振り込め詐欺の電話について触れました。

今日はセールスの電話について書きます。

この種の電話は煩わしいことが多いですが、今回は多少勝手が違いました。

業者: 菊池さまのお宅ですか?

菊池: はい、そうですが。

業者: 国見が丘の墓地分譲についてのご案内ですが.....

菊池: ハァ〜 わたしは長男で、すでにお墓はあるので.....

業者: そうですか。電話帳を拝見し、電話しました。どうぞお守りください。

これを聞いて、ちょっと心があったかになりました。

誰でもそうでしょうが、自分の先祖が眠る墓を「どうぞお守りください」と言われて悪い気分になる人はいません。

ちょっとした一言、気遣いって大切ですね。

わたしも気をつけるようにしていきます。

体育に日に思う 〜「オリンピック開催」は一流国の証し〜 2014/10/13

今日は体育の日です。

今年は10月13日ですが、ハッピーマンデーが始まる前は、10月10日でした。

なぜこの日か、というと昭和39年に東京オリンピックが開催されたことを記念したからです。

多くの生徒さんに接すると、オリンピックには大いに関心があるものの、「オリンピックを開催できるとはどういうことか」ということまで考えている人は極めてまれです。

オリンピックが開けるということは、ずばり、一流国の証しです。

世界中のほとんどのところから、選手・関係者が大挙して、2週間程度という短い期間に滞りなくあれほどの日程をこなせるというのは、生半可な力ではできません。

かてて加えて、昭和39年の東京オリンピックには、国際的にいえば、有色人種初の五輪開催であったということ、国内的には先の大戦からの復興の象徴であったということです。

だからこそ、当時の日本人は何とか五輪大会を成功させようと官民挙げて取り組んだというわけです。体育の日に当たり、我が日本ががんばった姿を今一度思い返してみませんか?

高校受験の国語長文問題について 〜実は宝の山です〜 その1 2014/10/14

夏休み以降、中3生は通常の定期試験に加え、実力試験、みやぎ模試等、入試を意識した試験を受ける機会が増えています。

その際、上位層にいる生徒さんにとり、入試または模擬試験の不安定要因は国語の長文問題と数学の難問であるとわたしは考えています。

他の教科・分野は割と安定し、ガクッと落ち込んだり、乱高下を繰り返したり、ということはあまりありません。

数学の難問が不安定要素の一つであることは、多くの方が納得することでしょう。

しかし、国語の長文問題が不安定要素というのは意外に思われるかもしれません。

実際問題として、上位層の生徒さんを見ていると、国語では「満点近く」は取れても、「満点」を取ることは難しく、読解問題で何らかの取りこぼしをしている人が多いです。

甚だしい場合だと、「読み誤り」を頻発してしまい、不本意な成績が出てしまう場合もあります。

実はわたしも中学生のとき、模擬試験で国語の読み取りで失敗をしてしまい、不本意な成績に終わってしまったことがありました。

この点で思い出すのが、以前担当した生徒さんのことです。

(次回に続きます)

高校受験の国語長文問題について 〜実は宝の山です〜 その2 2014/10/15

(前回の続きです)

その生徒さんは、仙台高校に在籍し、その間、英語を担当しました。

国語の現代文が得意で、センター試験の現代文が何と満点!

わたしは現役受験生のころ、さすがに現代文で満点は取れませんでしたから、脱帽です。

もっとも当該生徒さんはそれ以外の分野で、平均点をかなり下回っていましたが.....

この生徒さんを見ていたとき、格段国語力が秀でていたという印象は受けませんでした。

ということは、この生徒さんは、国語の長文問題の「読み方」をしっかり会得していたということになります。

翻って学校もしくは塾などにおける長文問題の指導を生徒さんの証言、ならびにわたし自身の経験から分析すると、長文問題が解けるようにはなっていなかったり、またはせっかく教える先生方が頑張っても、生徒さんのほうには十分に届いているとは言えません。

このようになってしまう理由は、長文問題の「読み方」を知らずにいるからです。

(次回に続きます)

高校受験の国語長文問題について 〜実は宝の山です〜 その3 2014/10/16

(前回の続きです)

長文問題の「読み方」は存在します。事実、「読み方」に関し、しかるべき指導を施すと、国語の成績は安定してきます。

そして長文のしくみ、すなわち「長文がどういう原理・原則のもとに組み立てられているか」ということや、仮に回答が間違った場合でも、なぜそこが間違いだったのか、しっかり自覚できるようになります。

そして結果として、「何となく」や「感覚で」回答していた生徒さんが確信をもって試験に臨むことができるようになります。

このようになるためには、わたしの見るところ、平均をちょっと上回る程度の国語力・思考力があれば足り、たくさん読書をしている必要はありません。

もちろん、読書量が豊富であるに越したことはありませんが。

世の中は広いもので、この方のように、中学受験国語専門を謳う家庭教師さんがいらっしゃいます。

しかも時間当たりの指導料はわたしの倍!

中学受験においては、高校受験に比して、国語の「地位」はずっと高いですから、東京という場所柄もあり、「中学受験国語専門」というのが成り立っていけるのでしょう。

宮城・仙台ではとても無理です。

(次回に続きます)

高校受験の国語長文問題について 〜実は宝の山です〜 その4 2014/10/17

(前回の続きです)

高校受験の場合、家庭教師を依頼する動機としては、とかく英語・数学となりがちです。

英語や数学は積み上げていく教科であり、ちょっと勉強すれば成績が簡単に上がるという性質のものではありませんから、そうした需要も当然のことです。

では国語はどうでしょうか。高校受験生を抱えているご家庭で、「国語を中心に教えてほしい」という需要がそう多いとは言えないでしょう。

大学受験生になれば、古文・漢文を指導してほしいというご家庭はありますが、高校受験生の国語専門というのは、なかなかいらっしゃらないでしょう。

しかし、平均点より上を取っている生徒さんなら、しかるべき指導をすることで、国語の成績は上がるか、あるいは高止まりします。

しかも国語の長文問題はコツをつかめば、英語や数学ほど労をかけずに成果が出ます。

覚えなくてはならないことというのはほとんどありません。

そうした意味で、国語の長文問題は宝の山なのです。

週末のつぶやき 〜 間違えて覚えていた「燕」と「曜」 2014/10/18

このコラムのお読みの方は、漢字の字形を間違って覚えていたということがおありでしょうか?

学校で勉強中ならば、試験で間違って覚えていくものです。

しかし、運よくというべきか、運悪くというべきか、その網をかいくぐって社会人になると、表立って指摘される機会もなかなかありません。

結果として、本人が知らない間に、恥をかき続けることになります。

わたしも職業柄、この種の誤りには人一倍神経質になっていますが、先般、立て続けに2つの字を誤って覚えていたことが分かりました。

その字は、「燕」と「曜」です。

「燕」のほうは、「甘」の部分をクサカンムリだと思っていました。

「曜」のほうは、旁の部分を「ヨヨ」と記すべきところ、ずっと「羽」と書いてきました。

「燕」のほうは、よく考えてみると、草とは関係がないので、クサカンムリであるわけがないんですね。

「燕」のほうはまだ頻度が高くないので、それほど実害はなかったのでしょうが、まさか「曜」の字を間違って覚えていたとは.....

この字は小学校2年生で習うとされており、いったい何回間違った字を書き続けてきたのかと思うと、汗顔の至りです。

日々是学習です。

定期試験30点台以下の中学生へいかに英語を教えるか その1 2014/10/20

今回は、定期試験において、英語で40点を取れない中学生へいかに英語を教えるかについて記します。

このような生徒さんの場合、他の科目の点数も30点台から下という場合がかなり多いです。

そうした生徒さんへの指導で最も困難なのは英語です。英語の指導が難しい理由は多々ありますが、以下2点を挙げます。

第1点目は、英語がアルファベットのみで記されている点です。

「何を当たり前のことを.....」とお感じになるかもしれませんが、漢字仮名交じりという見慣れた表記ならまだしも、アルファベットだけが並んでいる文はそれだけで受け入れようとする気持ちが萎えてしまう原因になります。

人間というのは、文字に対して極めて保守的です。

見慣れない文字は、それがどんなに易しいシステムで書いてあっても、難しく感じてしまうものなのです。

(次回に続きます)

定期試験30点台以下の中学生へいかに英語を教えるか その2 2014/10/21

(前回の続きです)

例えば、「おはようございます。今日はよいお天気ですね」という表記が、明日から「Ohayô gozai masu.  Yoi otenki desu ne」という風になったらどうでしょうか。

書いている内容は読めるし、アルファベット表記のほうが易しい表記です。

しかしそれはあくまで理屈であって、実際には相当な混乱が生じるでしょう。

その「相当な混乱」がそうした生徒さんの頭の中で起きているのです。

第2点目として、英語は「コツコツ勉強していく」ことが主要5教科中最も要求されている点です。

理科・社会は、これまで勉強しなくても、その気になって勉強をやれば、成果が出ます。

国語については、あまり勉強していかなくても、大丈夫な部分はあります。

数学は、英語同様、積み上げていく教科ですが、計算問題のように、比較的労力をかけずに得点できる分野があります。

しかし英語は一朝一夕に点数の上がるところはありません。

(次回に続きます)

定期試験30点台以下の中学生へいかに英語を教えるか その3 2014/10/22

(前回の続きです)

この「コツコツ勉強する」というのは苦手、もしくはそういう意思が希薄というのが、この種の生徒さんにおしなべて見られる現象であるので、英語はなかなか上がっていきません。

さて、中学校の英語の試験では、結局のところ、(1)単語力、特に和文英訳の力(2)国語力の2点が問われています。

指導の際、最も腐心していることは、「どこを教えるか」ではなく、「どこを教えないか」ということを、いかに的確に判断するかということです。

生徒さんは能力以上のことができないし、わたしも生徒さんの能力以上のものは引き出せません。

となれば、もともと持っている容量が少ない生徒さんの力をうまく引き出すには、「教えない部分」をしっかり定め、その中で繰り返すべきところを徹底的に繰り返すことがよい結果をもたらします。

今回話題にした生徒さんの場合、まず「英語がだいたい読めるか、読めないか」で対処する際に分かれます。

(次回に続きます)

定期試験30点台以下の中学生へいかに英語を教えるか その4 2014/10/23

(前回の続きです)

まず、英語が読めないという生徒さんの場合、まず英語が読めるようになることを目指し、英語の音読、発音を繰り返します。

英語の音読、発音を繰り返しているだけでは、試験をこなすレベルまで持っていけませんが、読めないことには文字通り、話になりません。

まずもって、スタートラインに立ってもらうために、根気強く読む練習をします。

その際、心していることは、あせらず、詰め込み過ぎず、生徒さんの英語に対するアレルギー、恐れ、逃避の除去を第一義としていることです。

また、「英語がだいたい読める」という生徒さんに対しては、教科書の文章の音読、英文和訳、文法問題を織り交ぜながら指導していきます。

教科書の文章の英文和訳の際に留意しているのは、文章を訳させるのと並行して、単語一語一語の意味をいかに正確に把握しているかのチェックも怠らずやるということです。

具体的に申せば、生徒さんは"He often goes to the park."のような文が出てくると、「彼はよく公園に行きます」と正しく訳ができても、"often"という単語の意味が分かっていない、ということは、それこそよくあります。

なぜそうなるのかというと、この場合、"He often goes to the park."=「彼はよく公園に行きます」ということを「塊」として覚えているからで、単語一語一語の意味を正確に分かっているわけではないからです。

単語を文章の中で覚えるのは大切なことですが、それは単語の意味を正確に覚えなくてもいいということにはなりません。

(次回に続きます)

定期試験30点台以下の中学生へいかに英語を教えるか その5 2014/10/24

(前回の続きです)

またこのタイプの生徒さんの場合、単語一つ一つを覚えよう、覚えなくてはならないというの意識が希薄であるため、特に注意を要するところです。

実際の試験問題への対処方法としては、適語を記号で選ぶ問題や、文法問題など、比較的取っつきやすいものをこなしていきます。

そして単語を見て、意味がきちんと日本語で言えるようになることを目指します。

日本語を見て、英語が書けるようになるのは、後回しになります。

前述したように、英語の試験は日本語を英語に直す力、そして国語力が問われますので、英語が書けないと、点数は低くなってしまいます。

しかし、日本語を英語に直す、英単語がきちんと書けるようになるには、彼らにとってかなり大きなハードルになるので、なかなかそれを超えることは難しく、「40点の壁」を破るのは容易ではありません。

受験が近づき、伸び悩みを見せる場合、英語は「生かさず、殺さず態勢」を取り、他科目に振り向けています。

週末のつぶやき 〜薬の服用時間について〜 2014/10/25

先般、風邪をひいてしまいました。

わたしの風邪はいつも喉から来るというパターンです。

自然回復を待ったり、あるいは市販の薬だけだと、治癒までに2週間以上かかってしまうのが通例です。

そこで、医者から処方されるクラビットという薬のジェネリック薬品を手元に置いておき、対処するようにしています。

この薬は医者から「朝に服用すること」とあり、いつもはそれを守っていましたが、先日服用した際に、朝に服用したのを忘れて、寝る間際に服用しました。

ところが、これが悲劇の元でした。

夜、1時間くらいうとうととしたのですが、それからは朝まで一睡もできませんでした。

体は疲れ切っているのに、目ばかりが爛々としているのです。

その日はかなりのハードスケジュールで、よほど休もうかとも思いましたが、体にムチ打って当初の予定をこなしました。

ネットを調べてみると、この薬は不眠を催す副作用があり、寝る前に飲んではいけない薬だったのでした。

医者から朝に服用するように処方されていたのもそれで納得しました。

ほんとうにひどい目に遭いました。

「毒にも薬にもならない」という言葉もあるように、薬は毒にもなりえます。

季節の変わり目で体調を崩し、薬を飲む機会も多いことと思いますので、どうぞ処方どおりに服用してください。

幼児期・年少期の英語教育について 〜自分の子供にどう接してきたか〜 その1 2014/10/27

先般来、「定期試験30点台以下の中学生へいかに英語を教えるか」という題でコラムを書いていて思い出したことがあります。

わたしは、指導の依頼があって、初回に面談する際、これまでに生徒さんがしてきた習い事、通塾経験を細かに尋ねます。

その際、感じるのが、小学校低学年までの幼児期・年少期に英語教室など、英語に触れている生徒さんが以前に比して多くなっているということです。

一方で「小さいころからやったのに、英語の試験の成績が思ったほどではなかった」という声を聞くことが意外に多くあります。

甚だしくは、英語嫌いになってしまうということもあるようです。

親の立場からすれば、「言葉の習得は早いうちから」という言葉を信じ、将来、子供が立ち向かうであろう英語の試験に少しでも資すべく投資をしたものの、見返りが少なければ、心中穏やかならざるものがあるのは道理です。

では、なぜ、英語の試験と英語の早期教育が必ずしも結びつかないのでしょうか。

(次回に続きます)

幼児期・年少期の英語教育について 〜自分の子供にどう接してきたか〜 その2 2014/10/28

(前回の続きです)

それに対するわたしの考えは、「英語の試験は、形を変えた国語の試験であり、『英語』の試験ではないから」というものです。

英語の試験は、過般、指摘したとおり、語彙力(日本語を英語に置き換える力)と国語力(日本語の文章を読み解く力)が問われています。語彙力も日本語を下敷きにして英語を眺めるという観点から問われますから、国語力なくして英語の試験に太刀打ちできないのは容易に想像できます。

では、「国語力」を高めるにはどうしたらいいのでしょうか。

これに対するわたしの考えは、文字言語に数多く触れさせたり、佳句名言を積極的に暗唱させたりするというものです。

そのような意味で、その昔、寺子屋で行われた漢文の素読、もしくは戦前世代の方には必須であった教育勅語の暗唱などは、実に理にかなっています。

NHK教育で放映されている「にほんごであそぼ」も、大変よい番組です。

昨今の「英語へ、英語へと草木もなびく」という状況で、英語の早期教育がかまびすしく論じられる一方、肝心要の国語力増進について語られないのは、実に不思議なことと言わねばなりません。

(次回に続きます)

幼児期・年少期の英語教育について 〜自分の子供にどう接してきたか〜 その3 2014/10/29

(前回の続きです)

翻って、英語教室で行われている英語教育はなんなのか、といえば、わたしの見る限り「英語の興味を持つようになるきっかけ」であり、それをもって英語の力を高めるには十分でないということです。

英語を裁き切る力は国語力以上にはなりません。

インターナショナルスクールなどは、英語に浸る絶好の環境ですが、そうなると日本語の読み書きが不自由になるおそれがあります。

「英語ができる」というと、「英語の聞く、話す」に焦点が当てられがちですが、ある一定以上のレベルになると、「聞く、話す」は「読む、書く」がしっかりできなければ対処できません。

ここで思い出されるのは、英語名人であった明治の先人たちです。

内村鑑三、新渡戸稲造といった方たちは、極めて英語が達者でした。

ただこれには理由があって、彼らは幼少のころから英語の教科書で、そして英語で数学、歴史といった学問を施されたからです。

それゆえ英語の読み書きは非常に優れており、むしろ日本語のそれよりも容易にできたのです。

(次回に続きます)

幼児期・年少期の英語教育について 〜自分の子供にどう接してきたか〜 その4 2014/10/30

(前回の続きです)

では、わたしが自分の子供に対して、幼児期・年少期にどういう英語教育をしてきたかというと、一切行わず、むしろ意識的に遠ざけました。

その代わり、国語の読み書き、特に読みを重視し、文字言語にいかに多く触れさせるかに心血を注ぎました。

教育において、「読み、書き、そろばん」とはよく言ったもので、事の本質を極めて正確にとらえています。

まず徹底して読むこと、次に書くこと、そして数学という順序も全くその通りであると実感します。

公文を習わせたのもそれが理由であり、英語の指導は受けさせませんでした。

公文の先生からは英語を勧められましたが、あえてこれを辞退してきました。

その後、小学5年生の半ば過ぎに英語を公文で勉強したいと子供が言い出したので、それを許可しました。

子供がそのように言ったのは、公文の先生方の営業努力の結果とも言えましょうが(笑)。

「もし幼児期から英語をやっていたら.....」というのは仮定の話ですが、わたしのように「あえて時流に背を向ける」という選択肢もあるということをお伝えしたいと思います。

文語調の歌に親しむ 〜「ゴンドラの唄」 2014/10/31

今回は、歌謡曲「ゴンドラの唄」を取り上げます。

以下、動画にてどうぞ。

→動画が表示されない場合は、こちらから

 <歌詞>

1.いのち短し 恋せよ乙女

あかき唇 あせぬ間に

熱き血潮の 冷えぬ間に

明日の月日は ないものを

2. いのち短し 恋せよ乙女

いざ手をとりて かの舟に

いざ燃ゆる頬を 君が頬に

ここには誰れも 来ぬものを

3.いのち短し 恋せよ乙女

波にただよふ 舟のよに

君が柔手を 我が肩に

ここには人目も 無いものを

4.いのち短し 恋せよ乙女

黒髪の色 褪せぬ間に

心の炎 消えぬ間に

今日はふたたび 来ぬものを

先日、家人がみているNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」で、エリーさんが口ずさむ様が放映されていました。

ネット情報によれば、この歌は大正年間に発表されたもので、アンデルセンの「ベネチアのゴンドラ」から引用しているそうです。

歌詞は七五調のきれいな響きを持ったものにアレンジされています。

題は「ゴンドラの唄」ですが、ゴンドラは出てきません。

歌い手は森昌子さんです。

森さんのバージョンはネットにいくつかありましたが、滝川クリステルさんが映っているものを選んでみました。

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