ライバルの見えない受験 その1 2016/02/01

もうじき私立高校の合格発表があります。

わたしが中高校生のころには、合格発表というと、河北新報の別冊に合格者氏名がダーッと掲載されたものでした。

それも今は昔であって、今はせいぜいインターネットで受験番号を発表するくらいで、名前の発表はありません。

公立高校の合格発表は掲示板で、昔ながらに行われていますが、発表は番号のみです。

これも「個人情報保護」という立場からの措置なのでしょう。

とみに近年かまびすしくなった「個人情報保護」の基になっている「個人情報保護法」は、国の立法政策から言うと、国家機密に対する防諜法のようなものとセットで初めて機能するものです。

それは置くとして、現実として、合格者や模擬試験の成績優秀者の実名発表が控えられています。

それに伴う受験にかかわることとしての弊害は、特に上位層において、他の人たちがどうなっているのかという点、すなわちライバルが見えにくくなってしまっていることです。

そのため、ライバル以上に努力しなければならないときのライバルが一体誰なのか、よく分からないままになってしまっています。

(次回に続きます)

ライバルの見えない受験 その2 2016/02/02

(前回の続きです)

わたしはその昔、模擬試験の成績優秀者に我が名を連ねることを無上の喜びとして励んできたものでした。

そこまで行かなくとも、例えば同じくらいの成績をとる人同士で競い合うというのは、あって当然です。

「競争は好きでない」という生徒さんもいるでしょう。

しかしそういう人であっても、学校から一歩社会に出れば、競争、ランク付け.....の嵐です。

そうした現状に、今のうちから耐性を身につけておくことは絶対に必要です。

わたしが生徒さん同士の「対抗バトル」を企画したり、模範的な生徒さんの取り組みをコラムで取り上げるのも、あまりに杓子定規な現在の風潮へのささやかな異議申し立てのつもりです。

生徒さんが特定されてしまうような取り上げ方を避けるべきなのは、論を待ちません。

一方で、頑張って成果を出したり、他の模範となる取り組みは、多くの人たちが称賛し、また共有すべき情報であり、皆の宝です。

さて、今月の対抗バトルはどうなりますか.....各種試験の結果は、続々と入っています。

新たなる英雄よ、出でよ!

東京志向と地元志向 〜最適な大学選びとはどうあるべきか〜 その1 2016/02/03

わたしには学生時代から付き合いのある韓国人の友人がいます。

その方とは、こちらのLINEに当たるカカオトークで、毎日のように意思疎通をしています。

先日、その友人が兄一家の大学受験のことでこんな話をしてくれました。

友人のご一家は、親戚縁者がそろって、日本海に面する、人口20万くらいのある地方都市に住んでいます。

お兄さんの息子さん、すなわち友人から見れば甥御さんは、ソウルにある大学への進学を強く希望しています。

一方で、お兄さんは我が息子が地元の大学に進学してくれることを望んでいます。

理由は、仮にソウルに行って、大学を出ても、ちゃんとした就職口が見つかるとは限らず、経済的な負担を考えると、地元の大学を卒業して、公務員になってほしいからだそうです。

そして一族で地元で肩を寄せ合って生きていければそれでいいじゃないかと。

この話を聞いて、いろいろ考えるところがありました。

まず、韓国の受験事情を大雑把に説明します。

学制は基本的に6・3・3・4制ですが、高校入試がなくなってから久しく、中学校の成績でお上から行く高校を振り分けられます。

よって受験は大学入試にほぼ限定されています。

(次回に続きます)

東京志向と地元志向 〜最適な大学選びとはどうあるべきか〜 その2 2016/02/04

(前回の続きです)

また、大学については、名門大学がすべてソウルに集中しています。

地方にはソウルにある大学に対抗しうるところはありません。

よって、京都大学のような位置づけの大学は存在しません。

ここに約600年の幕藩体制、今風の言葉でいえば、地方分権型政治を経験してきた日本と、約500年もの中央集権体制をとってきた李氏朝鮮との違いが色濃く出ているような気がします。

今回の親子間の葛藤にはそうした事情もあることをお含みおきください。

この頃の日本では、「どうしても都会に出たい」という若年層は、一昔前ほど多くないような印象を受けています。

話を宮城・仙台に限って言うと、東京などの首都圏に比べれば、選択できる大学の数はずっと少ないです。

それゆえ、「より適性のある大学」のある東京を目指すべきか、現状の成績から見て、必ずしもベストとは言えないが、ベターな大学に行って、地元に残ったほうがいいのか、様々なご意見があるでしょう。

わたしの考えるところは、「どちらをとるかは、ご父兄・生徒さんの選択の問題。菊池はその決定に基づき、黙々とお手伝いをするのみ」というものです。

さらに「上京して、より適性のある大学に入学することが最善とは限らない。最善の進路とは、ご父兄・本人が希望するとおりであること」とも考えます。

(次回に続きます)

東京志向と地元志向 〜最適な大学選びとはどうあるべきか〜 その3 2016/02/05

(前回の続きです)

ご父兄のほとんどは、子息のためにできるだけのことはしたいとお考えです。

ここで重要なのは「できるだけのこと」です。

「できないこと」はできません。

上京し、生活の拠点を増やすことになれば、入費のかかることゆえに、無制限に応援というわけにはいきません。

さらに、ご父兄にとって、教育費は「子供への将来の投資」でもある以上、「子供が『より適性のある』ところに行くのはいいが、仕事に就くのにそんなに大きく変わらないのであれば、親元から通ってもらったほうがいい」とお考えになるのは、全くもって自然なことです。

わたしのような受験のプロは、なまじご父兄よりは大学選びに関して知識を持っているだけに、県内の選択の幅の狭さと、東京の選択の幅の広さを口にしがちになります。

ただしそれは、ご父兄や生徒さんが望むならば、聞く耳を持って下さるでしょうが、望んでもいないことを、これみよがしに語れば、「知識の押し売り」に堕してしまいます。

わたしはこのようにならぬよう、自戒しています。

(次回に続きます)

東京志向と地元志向 〜最適な大学選びとはどうあるべきか〜 その4 2016/02/06

(前回の続きです)

ちなみにわたしは、軽自動車を運転しています。

わたしの車に対する考え方は、「とにかく走れればいい。ただ故障するようなことがあっては困るので、メンテナンスだけはしっかりと」というものです。

自動車会社の営業担当にもそう伝えています。

仮にわたしが今より収入が桁違いに多くなっても(そうなる確率は限りなくゼロに近いですが.....)、わたしのそうした考え方は変わらないと思います。

早い話が、車にはほとんど関心がありません。

営業担当者はその辺のことを十分に理解した上で、「この部品はそろそろ取り替えたほうがいい」とか、的確にアドバイスをくれます。

もしその営業担当が「菊池さん、軽自動車よりも通常の乗用車のほうが絶対いいですよ。運転するとき、音も静かだし。菊池さん、もっと自動車にお金使ったほうがいいですよ」などと言ってきたら、たぶん二度とそこからは車を買わないでしょう(笑)

「ご父兄、生徒さんの望む範囲で提案はするが、説得はしない」.....これがわたしの基本です。

週末のつぶやき 〜学年末試験前の違和感〜 2016/02/07

先週は、私立高校合格発表そして公立高校前期選抜試験という具合に、受験生にとっての試験週間でした。

今週から仙台市内の中学校は、学年末試験というところがほとんどです。

そんな時期に感じた違和感を2題ほど。

まず第1点です。

現在、東京書籍中学2年生の英語の教科書(=県内のほとんどの中学校で採用)ではE.Tを扱っています。

E.Tと言えば、ずいぶん古い映画で、わたしが子供のころに上映していたものです。

聞くところによれば、現在担当している中2の生徒さんの仙台市内某中学校では、試験前のこの時期に、英語の授業を1時間まるまるE.TのDVD上映会をしていたというのです。

おまけにその上映会は続きがあって、また次の時間にやるそうです。

いやはや.....

勉強をしたくない生徒さんには楽しい時間だったでしょうね。

まあ、今の生徒さんにはE.Tの知識はないでしょうし、DVDを鑑賞させるのもいいのでしょう。

が、それって、試験の直前にやることなの?????.....と、違和感を禁じ得ませんでした。

わたしが同じことをやったら、一発でクビでしょうが、学校と受験産業の役割は違いますので、そこは問わないことにしましょう。

でも、上映会をやるとしたら、授業の一部だけをあてるとか、あるいは試験終了後にしてほしかったと思います。

授業でそうした上映会をしたところで、生徒さん個々人の結果はあまり変わらないのかもしれませんが、それでも「せめて試験前はしっかり学習させる」という建前はあってしかるべきです。

次に第2点を。

いま申し上げた生徒さんは、バレー部に所属しているのですが、過日の春季大会予選で、その生徒さんの学校は勝ち上がり、仙台市内の春季大会が昨日、今日とあるそうです。

本来なら、試験前でしっかり勉強しておきたかったのですが、それもままならないと、その生徒さんは語っていました。

いろいろな日程の都合があって、この時期になったのかもしれませんが、中学校の部活動ですから、試験の直前にこのような形で大会を催すのは、やはり違和感を感じてしまいます。

せめて試験終了後にしてほしいところです。

関係者の方が、弊コラムをご覧になっていらっしゃいましたら、上記を他山の石として再考をお願いします。

また当方としては、このようなことになった場合、できる限りのことはしますが、仮に結果が思わしくなくても「直前に大会があったので、追い込み学習ができませんでした。それでこういう結果に.....」という生徒さんの弁明だけは耳を貸さずにに過ごすつもりです。

合格状況 中間発表!! 2016/02/08

現時点で判明分の生徒さんの合格状況は以下の通りです。

東北学院高 3名

東北学院榴ヶ岡高 2名

仙台育英高 英進 1名

仙台城南高 特進 1名、科学技術 1名

尚絅学院高 文理 1名

クラーク記念国際高 1名

東北高 文教 1名

聖ウルスラ学院英智高 type2 1名

東北公益文科大 1名

 

合格した皆さん、おめでとうございます!

よく頑張りましたね!

その努力をたたえます。

受験生の多くは、「次」が控えています。

月並みではありますが、体調管理に気をつけて1点でも多くもぎ取ってください。

春はもうすぐ!

宮城・仙台の私立高入試 「尚絅の乱」勃発!! 2016/02/09

すでにネットなどでは一部で語られていますが、今年の私立高入試では、特筆すべき事態が起きています。

尚絅学院高が例年にないほど大量の不合格者を出したのです。

そして特進→文理、文理→文系へのスライド合格が多数。

これまでわたしは、各方面の裏取りを進めてきましたが、「尚絅の乱」と呼ぶにふさわしいでしょう。

わたしの担当する生徒さんが通学する中学では、受験者の約半数が不合格となるなど、容易ならざることになっています。

尚絅がなぜ今回、そうした手のひら返しをやったかは不明です。

わたしの考えるところでは、校舎建て替えを機に、合格者を絞り込むという「高級路線」に踏み出したものと思われます。

つまり、白百合、宮城学院、ウルスラに匹敵するものを作りたいということです。

これには当然にリスクを伴うわけで、尚絅の偉いさんの意向が反映しているのは言うまでもありません。

こうした現状を踏まえると、以下のことが予想されます。

 

1.仙台三桜、仙台東、仙台西、仙台、仙台商、宮城広瀬、泉などの高校の倍率が、入りやすいところほど激化する。

2.次年度のみやぎ模試における偏差値がプラス1〜2となる。

3.富谷、多賀城、宮城野の、特に女子受験者に若干の変動がある。

4.工業高校については、もともと女子受験者が少ないので、さほどの影響は受けない。

 

そんなところです。

平成28年2月度 対抗バトル 入賞者発表! 2016/02/10

月例となりました「対抗バトル」の結果は以下のようになりました。

 

(模擬試験の部)

仙台市太白区 中学3年 A.Iくん

☆前回比 偏差値7アップ 改善率11.29ポイント

(敢闘賞)

富谷町 中学2年 R.Kさん

仙台市若林区 中学2年 Y.Kくん

 

1月は模擬試験が各所で実施されました。

わたしの生徒さんの多くは、前回に比べて成績を上げました。

その中で、ブッチギリとでもいうべき偏差値7アップを果たしたのが、A.Iくんです。

A.Iくんは、わたしの指導の前に「質問ノート」をつくって、質問したいこと、よく分からなかったところを尋ねます。

そしてしっかり復習しています。

そうした姿勢が、このたびの成果に結びつきました。

また、今月は、敢闘賞を2名に贈ります。

R.Kさん、Y.Kくんとも、前回偏差値4アップを果たしました。

通常の月であれば、1位表彰となるにふさわしいくらいの成績です。

しかしながら、偏差値7アップを果たしたA.Iくんの存在が、まばゆいばかりに輝いており、敢闘賞でその頑張りをたたえます。

R.Kさんは、先の試験の結果を見て、気持ちに火がつき、第一志望校に合格を果たすべく、懸命に取り組んでいます。

指導のときにおける質問も多くなり、また熱心に取り組んでいる姿勢が伝わってきます。

Y.Kくんは、今までの成績にさらに積み増しをしました。

更なる向上を期待します。

A.Iくん、R.Kさん、Y.Kくん、あなたがたは、不断の努力を惜しまず、結果を残した英雄です!

そのがんばりに心から敬意を表します。

まだ、英雄認定されていない生徒さん、ガンガン取り組んでくださいね。

わたしはきちっと見てますよ。

小学5年生の算数の鬼門「分数」と「割合」 〜学校における指導の現状と対処法〜 その1 2016/02/11

小学校高学年の生徒さんを指導していると、小学5年で履修する「分数」と「割合(%の計算など)」がしっかり身に付いていない生徒さんの多さを今さらながら感じます。

「割合」については、「1割増」「30%引き」「粗利益率5%」などという具合に、実社会では非常に多く使います。

しかし、小学校高学年だと、まだピンと来ない生徒さんがかなりいます。

分数の計算も同様です。計算のやり方が複雑になるために、定着が難しい単元です。

しっかり身に付かない生徒さんの割合は、わたしの見るところ、少なく見積もって、通常の公立小学校で3割、すなわち3人に1人くらいです。

彼らは消化しきれないまま5年生を終えます。

そして6年生になって分数をさらにやるときに、計算方法を混同するようになります。

この「身につかなさ」の度合いは、勉強の苦手さの度合いが大きくなるのに比例し、5人に1人の割合で、「さっぱり訳が分からない」状態になります。

「割合」のほうは、実社会に出たほうがずっと使う頻度が高いです。

よって仮にここでできなくても比較的実害は少ないです。

分数のほうは5年生でしっかり勉強しておかないと、中学・高校と進んでから、数学の授業にかなり支障をきたすことになります。

(次回に続きます)

小学5年生の算数の鬼門「分数」と「割合」 〜学校における指導の現状と対処法〜 その2 2016/02/12

(前回の続きです)

分数の定着という観点からみた場合、現在のカリキュラムの最大の問題は、分数の計算の合間、合間に別の単元が出てくることです。

そのため、せっかく身に付いた分数計算のやり方を忘れてしまう生徒さんが少なからず存在します。

生徒さんたちの話を総合すると、学校では単元が進んでしまうと、それにかかりきりとなって、前にやった分数の計算は顧みられなくなってしまいます。

担任の先生がそのあたりのことを理解して下さる方で、定期的に分数の計算テストでもやってくれれば、いいのですが、そうしたことはあまり行われていません。

分数は繰り返し演習が必要なところであるにもかかわらず、です。

よって、その対策として、5年生になったら、毎日少しでもいいから、分数の計算をさせる必要があります。

わたしが指導している5年生の場合、ほぼ毎回、分数の計算は課題として出しています。

塾・家庭教師などを利用しているご家庭は、そこで手当てしてくれますから大丈夫です。

そうしたところに通っていないご家庭で、なおかつ「3分の1」に該当すると思われる子息を持つご家庭は、自主的に対策を講じておいたほうが、あとあと子息のためにもなります。

ここでいう「自主的な対策」とは、ご父兄の監督の下、一定量の分数計算だけは必ず子息にやってもらうということを指します。

中学以降の数学で、必要以上に苦しまないためにも、分数の計算は、しっかり身につけておいてほしいと感じます。

宮城・仙台の高校受験 〜平成29年度 公立高校入試 変更点〜 2016/02/13

以下は、現在中学2年生の生徒さん、ならびに中学2年生の子息をお持ちのご父兄にかかわってきます。

さきごろ、県の教育委員会から、来年に実施される公立高校入試に関して、今回との変更点が発表されました。

原文は、こちらのリンクから入ってご参照ください。

変更点は、いくつかの学校で、特に前期出願条件の変更があります。仙台圏の学校に絞り、要旨を以下の通りにまとめました。

 

<条件が緩和される高校>

仙台二華、泉館山

 

<条件が厳しくなる高校>

名取普通、名取家政、仙台三桜、宮城工全科、仙台

 

<前期試験 出願できる評定平均の変更点>

下記数字は、「中学3年間の評定平均がこれ以上であれば出願できる」というものです。

括弧内は部活動で県大会出場経験があるとか、入賞したとかいう緩和措置の数字です。

名取・普通 3.6(なし)→3.8(3.2)

名取・家政 3.3(なし)→3.5(3.2)

仙台二華 4.7(4.5)→4.5(4.3)

仙台三桜 4.2→4.3

宮城工 なし→3.5

泉館山 4.7(4.5)→4.4に統一

仙台 3.9(3.3)→4.1(3.3)

 

<前期試験 科目の変更点>

泉館山 面接→資料読み取り型小論文

 

<松島高校の変更点>

◎普通科

前期:作文・面接→面接のみ

後期 内申:試験6:4→5:5

観光課へのスライド合格可能

◎観光科

後期 内申:試験6:4→5:5

 

ほかにも変更はありますが、あらまし上記の通りです。

名取は、緩和措置の際の数値しばりがありませんでしたが、今回3.2以上となりました。

宮城工は評定のしばりがありませんでしたが、3.5以上という数字を設けました。

二華はここしばらくの定員割れ続きで、弱気になったようです。

館山については、これまでの出願条件がさすがに厳しすぎたので、下げたのでしょう。

その代わりに、面接をやめて、資料読み取り型小論文を設けることにしました。

ここでいう「資料読み取り型小論文」というのは、つまり理科・社会の記述式問題であろうと思われます。

ちなみに、一昨年、昨年と二高に合格したわたしの生徒さんたちの評定ですと、館山に前期出願すらできない状態でした.....

一昨年の生徒さんが平均評定4.1で、昨年の生徒さんが平均評定4.6で二高の後期に受かったことを考えると、当然のことながら、合否は内申だけでは決まらず、入試の得点力が大きくものをいう、ということが改めて分かります。

中3学年末試験の結果は内申に反映しないってホント??? その1 2016/02/14

先日、指導をしていたとき、ある中3の生徒さんから、こういう質問がありました。

 

〜自分は、もうすぐ期末試験を受ける。

学校の先生は、「学年末試験の結果も高校に送られて、内申に反映するから、しっかり勉強しろ」と言われた。

これは、ほんとうにそうなのか?

 

わたしはそれを受けて、その場で「それは正しくありません。学年末試験の結果は内申に反映しません」と断言しました。

この点については、もしかしたら、不安に思っているご父兄、生徒さんがいらっしゃるかもしれませんので、改めて取り上げます。

結論を申しますと、学年末試験の結果が、内申点に反映することはありません。

くだんの学校の先生のおっしゃることは正しくありません。

その根拠はこちらです。

この点については、去る12日、宮城県庁の高校教育課に電話をし、公開文書を参照した上で、確認しました。

そこには、このように書いてあります。

 

「平成28年3月卒業見込みの者の調査書には,平成28年1月31日までの事項を記入する。ただし,前期選抜及び連携型選抜出願者については,平成27年12月31日までの事項を記入する」

 

以上より、学年末試験の結果は、内申に反映しないことが分かります。

(次回に続きます)

中3学年末試験の結果は内申に反映しないってホント??? その2 2016/02/15

(前回の続きです)

先ほどの先生がなぜそのようにおっしゃったかは、以下2点の理由が考えられます。

 

1.単に勘違いしていた。

2.ほんとうは事実を知っていたが、生徒が怠けるといけないので、正しくないことを言った。

 

単に勘違いしていたというのであれば、これを機に認識を改めていただければと思います。

問題は2の場合です。

もし知っていて、そうおっしゃったのであれば、これは不適切です。

「生徒を怠けさせたくないから、ウソも方便ということで、正しくないことをいった」というのであれば、別の言い方があります。

 

〜確かに学年末試験の成績は内申に反映しません。

しかし、今回の試験範囲となるところは、入試に直結しています。

これをしっかり学習することが、後期入試につながります。

先生方もその辺のところは十分わかった上で、真剣に問題作りに励んでいます。

ゆえに、きみたちもしっかり試験を受けてほしいです。

ボーダーラインにいる人は、これをしっかり復習することで、得をするかもしれません。

 

そういった上で、バカにしてまともに試験を受けようとしない生徒は、放置する、というのでよいのではないでしょうか?

わたしのような者が、このようなことを申すのは、いささか気が引けますが、中学校の先生方は、どうぞ自信を持って問題作成に当たってください。

「入試前の学年末試験なんて、無視しろ」という一部関係者からの雑音は、先生方のお耳に届いているのでしょうが、わたしは学校があっての家庭教師の指導だと考えておりますので.....

高校数学 〜教科書レベル理解のために〜 その1 2016/02/16

高校入学後、「数学が急に分からなくなった」という人は多いでしょう。

そうなった最大の原因は、「勉強不足」です。

ただそうバッサリ切ってしまうと、それで話が終わってしまいますので、もう少し深く掘り下げます。

教科書レベルのことが分からない、という生徒さんを指導してきて感じるのは、「数学には他教科ほどではないが、覚えなくてはならないことがそこそこある」という意識がスッポリ欠落しているということです。

した勉強というと、教科書をサラッと読んで、公式のところに蛍光ペンで線をちょっと引いただけとか.....

それではなかなか分かるようにはなりません。

中学までの数学であれば、教科書レベルで複雑といえるのは、それほど多くはありません。

高校では数式も長くなってくるし、扱っている内容も抽象的になってくるし、公式もいろんなのが登場してくるし.....と骨が折れます。

中学までの数学は、みやぎ模試偏差値55以上の人たちなら、「教科書レベルが分からない」ということはなかったでしょう。

しかし高校ではそうも行きません。

これまでのように、何となくやっていれば、教科書レベルが理解できる、ということはなくなります。

(次回に続きます)

高校数学 〜教科書レベル理解のために〜 その2 2016/02/17

(前回の続きです)

ちなみにわたしは、中3の6月ごろから、高校1年生の数学(当時は「数学Ⅰ」)の予習を進めていました。

旺文社の寺田文行「数学Ⅰの鉄則」(懐かしい!!)を買って、予習をしていたのです。

それをやっていて、「こりゃ、ずいぶんと手ごわいな」と感じたものです。

そういう「貯金」があったので、高校の数学では路頭に迷わずに済みましたが、それがなかったらと思うと、今でもゾ〜ッとします。

かくも取っつきづらい高校数学ではありますが、逆な言い方をすると、「しっかり覚えるべきことを覚えよう!」と心に誓って立ち向かい、手を動かして教科書の例題などを解いていけば、少なくても「教科書レベルが分からない」ということはなくなります。

その際、公式だけではなく、解法、すなわち、この問題はこうして解く、ということも併せて記憶に努めると、効果は上がります。

英単語や歴史の年号を覚えるのであれば、「ちょっとした時間の合間に」ということもあり得ますが、数学の問題演習はそうも行きません。

記憶した解法をザッとチェックする、ということはできるでしょうが、やはり集中して考える一定以上の時間は必要です。

小学生の英検取得と中学以降の英語の試験の差 その1 2016/02/18

小学校で英語が授業に取り入れられ始めている現状に沿う形で、小学生の英語学習がこれまでに増して盛んになっています。

その際、各種英語教室においては、学習到達度を表す指針として実用英語検定(英検)が広く用いられています。

公文教室もその方式を採っています。

公文に通っていた娘が小学6年生のとき、英語学習を始め、その年に英検5級(中1程度)を取得しました。

英検の級別レベルを見てみると、3級が中3程度、準2級が高校中級程度、2級が高校卒業程度という公式発表になっています。

わたしがこれまで担当してきた中には、中3までの段階で、準2級を取っている生徒さんが何名かいました。

彼らは「高校中級程度」ということになっております。

では、学校の英語の試験はどうだったかというと、全員が満点近くをとっていたというわけでもありませんでした。

もちろん平均水準よりは高い生徒さんばかりでしたが、学校の試験では「え???、英検準2級を取っているっていうことは、高校中級程度っていうのに、ここで、こういう間違いをしちゃうの???」というようなことはたびたびありました。

それほど難しくはない英作文も、しっかり書けないという場合もありました。

(次回に続きます)

小学生の英検取得と中学以降の英語の試験の差 その2 2016/02/19

(前回の続きです)

英検の準2級すなわち「高校中級程度」の問題では、中学校の教科書で習わないような単語・熟語・文法事項が確かに問われます。

しかし試験問題はマークシート方式になっていて、記述式がありません。

学校の試験では記述させます。

そういったことゆえに、英検の級数と学校の試験の乖離が生じてくるものと思われます。

ご父兄にしてみれば、子息の英検レベルが所属学年より上のレベルと判断されればうれしいに違いありません。

しかしながら、その一方で、もしそうならば、学校の試験もかなりいい点をとってこないと、内心は愉快でないと感じるのは人情です。

よって、英検取得のための学習は、学校の試験に大いに役立つのは間違いありませんが、それで学校の試験に十分かというと、必ずしもそうでない、ということをお分かりいただきたいのです。

ちなみに英検は文部科学省の大きな利権の一つなので、学校現場でよく用いられます。

これがTOEICとなると、経済産業省の金城湯池となり、一般企業で用いられています。

こういうところにも「縦割り行政」が絡んでいます。

仙台一高の政治力 〜宮城県・仙台市における「伝統校」の強さ〜 その1 2016/02/20

先日、若林区沿岸部方面の指導から帰宅する際、いつもの道を間違えて仙台一高の付近を通りました。

笑ってしまったのが、地下鉄東西線の連坊駅のことです。

名前は「連坊駅」となっていますが、あれは「仙台一高前駅」そのものでした。

あの近くには、二華高もあります。

「連坊駅」をつくるのであれば、一高と二華高の中間あたりでもよさそうですが、「総合的な判断」の後に、実質は「仙台一高前駅」に.....

こうなるにあたっては、仙台市の政治・行政における一高OBの力が強く働いているのは、たぶん間違いのないところでしょう。

一高OBで県内に残っている人たちというと、医師、公務員(教員、事務職含む)、七十七銀行、東北電力、会社経営者(自営業者含む)といったところで、彼らは仙台市のヒト・モノ・カネをつかさどる位置にあります。

この点は、二高OBにも当てはまります。

公務員でしかるべき部署に付けば、この種の公共工事において、政治家の口利きのような直接的な申し入れはもちろんのこと、自覚なしに「母校のために」となるのは、ある意味当然と言えます。

後輩諸君はその恩恵を受けているというわけです。

(次回に続きます)

仙台一高の政治力 〜宮城県・仙台市における「伝統校」の強さ〜 その2 2016/02/21

(前回の続きです)

ずいぶん以前に、一高が校舎新築を行ったときには、「一高OBの○○社長のところで請け負ったものは、ほんとうはこれだけかかるところを、これだけ安い値段で請け負って仕上げた」などという話が、あっちからも、こっちからも聞こえてきたものでした。

これらは某銀行に勤務する高校時代の同級生から複数ルートで聞いておりますので、確度は高い情報です。

こういったことが、公然と語られているわけですから、実際はもっといろんなことがされていると推測されます。

そこは商取引ですので、いろいろな思惑があっての「破格の請負」なのでしょうが、「少しでも母校のために」となる気持ちはゼロではなかったでしょう。

在校中はあまりそうしたことは感じないものですが、宮城・仙台では、「伝統校」の強さというものを感じることがままあります。

そういう点からすると、一高のようなところは、宮城一高や二華高のような、旧女子高に比べると、格段に強いです。

政治やビジネスは、今なお男性中心の社会ですから、それも当然なのですが.....

仙台はいろんなところから流入者が増えているとはいうものの、そうしたしがらみの中で、いろんなことが動いているのは事実のようです。

小6および中3の先取り学習の進捗状況&今後の予定 その1 2016/02/22

生徒さんにとって、予習すなわち先取り学習が大切なことは今さら論を待ちません。

特に小学校から中学校へ進学する小学6年、中学校から高校へ進学する中学3年の生徒さんについては、その生徒さんの学習状況に合わせて、先の学年の先取り学習を積極的にしています。

今、わたしの生徒さんの中で、最も進んでいるのが、小学6年生のある生徒さんです。

彼女は、すでに英語・数学において、中学1年生の半ばくらい、すなわち中1の9月くらいまでのところは学習を終えています。

実力はどんなものかと、昨年実際に出された、ある公立中学校の1学期期末試験(9月くらいまでに学校で履修するところ)を解いてもらったところ、英語・数学とも8割弱と、まずまずの出来でした。

ついでに1学期の中間試験(6月くらいまでに学校で履修するところ)については、9割にあと一歩というところでした。

その生徒さんには、「今から6月や9月に学校で予定されている試験の準備をするなんて、早いと思うかもしれませんが、試験ってあっという間に来ますよ。世の中、待っていないものは早く来て、待っているものは遅く来るものなんです」などと語りかけながら、先取り学習をやっています。

彼女は素直にコツコツやるタイプなので、それが功を奏していると言えます。

(次回に続きます)

小6および中3の先取り学習の進捗状況&今後の予定 その2 2016/02/23

(前回の続きです)

また中3の生徒さんについては、ほとんどが後期試験に向けて走っているところです。

今年は例年以上に高校進学後の指導継続依頼があります。

そのうち、現段階で3名の生徒さんについては、入試終了後、間をおかずに高校の英語・数学の先取り学習に入ってもらいます。

後期入試が終われば、「ちょっと一息したい」と考えるのは人情というものです。

しかし特に上位層の場合は、「春でのちょっと一息」が「3年間、地下にもぐりっぱなし」になりかねません。

そのあたりは、ご父兄の皆様も十分に心得ていらっしゃるようです。

事実、「入試が終わったら、高校の先取りにとりかかかってほしい」という要望が寄せられています。

わたしとしては、こうしたご依頼がなくとも、もちろん高校の先取りをするつもりでした。

ご父兄の方が、高校の先取り学習の大切さをしっかり認識なさっていらっしゃるというのは、こちらとしても、大変やりやすいです。

実際、昨年度に仙台二高に合格し、現在も指導を継続している生徒さんは、春休みにひたすら先取りに励みました。

その成果もあって、波に乗ることができています。

「高校入試はあくまで通過点」ということを今一度、お心におとめいただければと思います。

3月以降の指導について 〜お問い合わせ状況を踏まえて〜 2016/02/24

2月に入って、学年末試験終了後から、お問い合わせをされるご家庭が増えてまいりました。

本日現在、中3の生徒さんで、高校入学後も指導継続となるご家庭が4件、不定期指導から定期指導への移行をお待ちのご家庭が3件、キャンセル待ちのご家庭が11件です。

キャンセル待ちについては、直近3か月の件数です。

3か月を過ぎてお引き受けできなかったご家庭はリセットしています。

また定期指導枠増をご依頼もしくはご検討をされているご家庭が3件です。

受験生の指導終了に伴い、3月第2週より、若干の空きが出ます。

そこから4月の新学期開始までは「移行期間」となります。

この期間には、ご希望があったご家庭からの追加指導を行ったり、新規お問い合わせの面談をしたりします。

現在指導に入っているご家庭については、一時的に、指導時間の変更をお願いする場合も出てまいります。

新学期からの指導を予定しているご家庭については、学校の予定など、まだ確定していないところがほとんどだと思います。

それゆえ、4月になってから改めて、指導時間の割り振りをいたします。

その際に不確定要素の大きな部分となるのが、部活動と塾の日程です。

塾と併用する場合や部活動との兼ね合いについては、なるべくご希望を尊重いたしますが、当方の指導をご希望の際は、最終的に当方のスケジュールに合わせていただくという形になります。

毎年この時期のやりくりには、ほんとうに頭を痛めます。

ご家庭には、必ずしもご希望通りにならず、ご迷惑をおかけいたしますが、ご事情を何とぞご理解くださいますようお願いいたします。

高校入学後に要求される学力について 数学編 〜学校によってこれだけ差があります〜 その1 2016/02/25

今、中3生の多くの方は、公立高校後期入試に向け、毎日毎日がんばっていることでしょう。

わたしの生徒さんも学習に余念がありません。

このような時期に、「高校入学後のこと」なんかは考えている時間もないかもしれません。

とはいえ、これは入学後に直面する「現実」ですので、ここでお知らせしておくことにします。

また中2以下の方も、いずれは直面することですので、今のうちに心づもりをしておいてください。

まず、一般の公立中学校までの課程は、義務教育ということもあって、学校ごとに大きく変わるということはありません。

学力のレベルは地域によってかなり差がありますが、基本的に勉強する内容は同じです。

しかし高校は義務教育でなく、商業科、工業科、農業科といった実業系のところがありますので、学習内容はそれぞれ異なってきます。

主要5教科に関する点でも学校ごとにかなり差があります。

国語・理科・社会に関しては、だいたいどこの学校でも同じ教科書を使っていますが、英語・数学はかなり違います。

ここで数学に関して述べますと、高校1年生では、数学が「数学Ⅰ」「数学A」という2冊の教科書に分かれます。

ある一定以上のところでは、この2種類の教科書を使います。

(次回に続きます)

高校入学後に要求される学力について 数学編 〜学校によってこれだけ差があります〜 その2 2016/02/26

(前回の続きです)

しかし、例えばみやぎ模試偏差値で40に満たない高校の場合、「数学Ⅰ」だけをやって、「数学A」は2年生以降でやったり、選択教科になっていて履修しない、などということがままあります。

そういうところですと、「応用例題」と教科書に書いてあるところは、授業で全く扱わず、定期試験にも出題されません。

一方で、ある一定以上のレベルの高校は、「数学A」を履修しない学校の2倍の量を学習しなくてはなりません。

また応用例題のようなものも定期試験では出題されます。

では、仙台二高のような学校はどうかと申しますと、教科書のレベルは授業では扱わず、数研出版の「新課程チャート式基礎からの数学」(通称「青チャート」)をそのまま授業で扱います。

これは、大学受験用の参考書として、多くの受験生に用いられて、難易度の高さでは有名です。

教科書レベルのことは全員がやっていて当然であり、学校はそこまで面倒を見ませんよ、ということです。

こうした高校を目指す生徒さんたちは、高校に入学した瞬間、そういう状況の中にいきなり放り込まれます。

わたしが入試を終えた生徒さんに、高校の先取りをうるさく言っているのは、上記のような現状があるからです。

よって、後期入試で頭がいっぱいの中3の生徒さんも、「高校入学後」のことを、ほんの少しでいいですから、頭の片隅に入れておいてください。あと1か月少々で「現実」がやってきます。

平成28年度宮城県公立高校 後期入試倍率 発表!! 2016/02/27

平成28年度宮城県公立高校入試の後期倍率が発表されました。

詳細はこちらです。

ここでは例によって、仙台圏の高校を取り上げます。

仙台二華は、辛うじて定員割れになりませんでした。

ナンバースクールの「一・三が高く、二が低い」という流れは変わっていません。

1.5倍以上のところは、以下の29学部です。

なお、後期入試での1.5倍以上は27学部でしたので、昨年並みです。

 

名取(家政・普通)、宮城農(農業機械・食品化学・生活)、仙台一、仙台南、仙台東(英語)、宮城工(機械・情報技術・化学工業・インテリア)、仙台工(建築・機械・電気・土木)、仙台三(普通)、宮城一(普通)、泉(普通・英語)、泉松陵、仙台、仙台商、塩釜(普通・ビジネス)、松島(普通)、利府(スポーツ)、富谷(人文・理数)

 

また、第2回予備調査の際、「要注意高」として、指摘していたところがありました。そちらの動向です。

 

名取(家政):1.75→1.50

仙台向山(理数):0.95→1.29

宮城工(電子機械):1.40→1.42

仙台工(電気):1.20→1.90

宮城一(理数):0.69→0.88

宮城広瀬:1.05→1.48

泉松陵:1.10→1.50

松島(観光)1.19→1.32

 

宮城一高理数科は、昨年の第2回予備調査時は定員割れで、本出願では2倍を超えたので、「要注意高」としましたが、今回は結局定員を割ってしまいました。

名取家政科、仙台向山理数科、松島観光科はもう少し数字が上がるかと思いましたが、予想が外れました。

他は読み通り、本出願時におけるアップが目立ちます。

打率5割で、これを高いと見るか、低いと見るかは皆様にお任せします。

高校入学後に要求される学力について 英語編 〜学校によってこれだけ差があります〜 その1 2016/02/28

前回に引き続き、今回も高校間格差を取り上げます。

このたび焦点を当てるのは英語です。

英語の場合は、数学以上に高校間で開きがあります。

最も違うのは教科書の内容です。

数学に関していえば、例えば高校1年生で履修する「数学Ⅰ」は浅い、深いという差はあれ、扱っている単元は同じです。

しかし英語は、教科書で扱う文法事項、単元そのものが違います。

お勉強の厳しさがそれほど求められない学校、実業系の学校の場合、使用している教科書は中堅以上の高校に比べて格段に易しく作られています。

わたしが初めてこうした高校の生徒さんを担当して、英語の教科書を手に取ったとき、「これって、中学校の教科書の間違いなのでは???」と、教科書の表紙・裏表紙を、ためつすがめつ眺めたものでした。

よく見ると「高等学校英語用」「文部科学省検定済教科書」とあるので、ビックリした記憶があります。

そしてこれは英語に限らないのですが、教科書出版会社が高校側のそうした需要にこたえるべく、いろんなレベルの教科書を複数出版しています。

内容を見ると、アルファベットの一覧表が書いてあったり、練習問題に中1レベルの問題が山盛りになっていたりと、ちょっとしたカルチャーショックでした。

扱っている内容は、中学校の教科書と同じもしくはそれより易しいレベルです。

そしてそうした教科書を使う生徒さんに「この教科書、1年使おうとすると、だいぶ進度がゆっくりですね」といったら、「いえ、3年間使います」といわれ、椅子からズルッとなりそうになったこともありました。

(次回に続きます)

高校入学後に要求される学力について 英語編 〜学校によってこれだけ差があります〜 その2 2016/02/29

(前回の続きです)

わたしがこれまで経験してきた限りでは、中堅以上の学校であれば、教科書のレベルは差があるにはありますが、だいたい同じです。

いかにも大学受験向けといった教科書で、中学校とは格段の差があります。

新出単語・熟語は遠慮会釈なくバンバン出てくるし、扱っている内容も知的で内容の濃いものが多くなります。

わたしはそうした内容の読み物を結構楽しんでいますが、生徒さんからしてみれば、たまったものではありません。

わたしも高校に入学したときの英語の大変さは身に染みて分かっていますから.....

では中堅どころと上位校では何が違うのかと申せば、進度と定期試験・校内実力試験で問われる内容です。

みやぎ模試偏差値にして50辺りの学校では、上位校に比べて、進度が緩く、試験範囲も広くありません。

試験で問われる内容も、上位校ほど鬼のようではありません。

上に行くにつれ、鬼畜度(失礼!)が増していきます。

易しい問題ばかりでは差がつかないし、また大学受験のことを考えると当然と言えば、当然です。

そのようなわけで、そうした学校を目指す生徒さんたちは、高校入学後によくよく覚悟をして今の学習に当たってほしいのです。

まじめにコツコツやるタイプの生徒さんならば、恐るに足らずというところですが、問題はそうでない生徒さんの場合です。

あっという間につらくなってしまいますので、いかに波に乗るかが重要です。

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