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中堅以上の高校に入学すると、突然覚えるべき英単語が増えます。
そのため、辞書を引く機会が中学のときよりもかなり多くなります。
意味調べの際に使う辞書として、現在は昔ながらの紙の辞書に加えて、電子辞書がだいぶ使われるようになっています。
そんなわけで紙の辞書を使ったほうがいいのか、電子辞書がいいのか、いろいろなところで様々なことが語られています。
事実、昨年まで使われていた東京書籍発行の中3生向け英語の教科書においては、英語の先生から紙の辞書を使うように言われた生徒の話が出ていました。
その生徒は、先生の考え方に納得せず、ネットで自分の意見を言って、甲論乙駁(こうろんおつばく)が繰り広げられるという展開でした。
まあ、教科書に出てくる話であれば、「ふ〜ん、いろんな意見があるんだね」でおしまいですが、高校によっては、電子辞書の使用を禁止したりする先生もいらっしゃるようです。
そうなると、そういう先生が担当になれば、電子辞書を使いたい生徒さんは実害を被ってしまいます。
また今年の仙台一高の入学者のしおりには「電子辞書を使うと、その生徒が伸びることはない」と下線付きで記してあったりするので、これは放っておけないなあと感じています。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
では、わたしの考えはどうかと言えば、「どちらでもお好きなほうをどうぞ。どちらがよいか迷ったら時間短縮のために電子辞書を」というものです。
そして中学生から高校1年生程度くらいであれば、辞書を積極的にひかせるよりは、むしろ辞書をなるべく引かせず、単語を覚えるのに神経を集中させるべきというふうに考えています。
だいたい中学修了時までに3年間で習う単語がザッと1,000語前後、また高校1年生修了くらいでせいぜい2,000語くらいといったところでしょう。
だいたいこれはナンバースクールあたりの人でこのくらいということであって、そこまでに達しない生徒さんのほうが圧倒的に多いはずです。
よって圧倒的多数の高校1年生は「入門」というレベルまで達していません。
このくらいの語数だと、中学3年間で「入門」、高校1年生で「初級」くらいであって、この段階であれば、一にも二にも語彙の増強に精力を注ぐべきです。
時間をかけるべきは、単語の記憶であり、辞書を引くことではありません。
辞書を徹底して引くことが必要になってくるのは、わたしの考えでは2,000語を超えてからで十分です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
電子辞書を使わず、紙の辞書を使えという英語の先生の言い分も確かに一理あります。
いろんな例文や情報が目に入ることで、結果的に英語力が増すというものでしょう。
しかしわたしから言わせると、大学受験に合格することが第一義であれば、「初学者のうちは単語の増強に徹し、辞書を引いて英語力を深めるのは、それからでいい」と考えます。
将来、英文科に進むとか、英語を使って仕事をするとかいう人であれば別の話にはなってきますが.....
これはちょうど次のように例えることができます。
腹を減らしてどうしようもない子供にまず与えるものは、チョコレートやオニギリのような糖類をたっぷり含んだものであるべきだということです。
「電子辞書を引かずに紙の辞書を」というのは、こうした子供に「チョコレートやオニギリを与えるのは、虫歯になったり、肥満の原因になるから、ホウレンソウを食べさせるべきだ」というようなものです。
空腹の子供に必要なのは、まずもってその空腹を解決することであり、健康がどうしたこうしたとかいうことは、二の次、三の次です。
そのあたりの優先順位はしっかり踏まえる必要があります。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
また電子辞書ではちょっと物足りず、辞書を引いてみたいというようなときも出てきます。
そうしたときには、ネットにある辞書を使ってみるのも一法です。
コトバンクのオンライン辞書などはスマートフォンでも一覧できますし、使い勝手がいいです。
ではわたしが高校生だった頃はどうしていたかというと、その当時は当然のことながら、電子辞書などという文明の利器はありませんでした。
よって、必然的に紙の辞書を使っていました。
単語が出てくるごとに辞書を引いていると、時間ばかりがかかるのに閉口していたので、当時は「赤尾の豆単」を「簡易辞書」として使っていました。
「赤尾の豆単」といっても、お若い方はほとんどご存じないでしょう。
この名前を聞いて、「ああ、懐かしいね」とおっしゃる方は、老眼鏡が必要になってくるような年齢になっているはずです(笑)。
実際にそれを使って単語を覚えたという方になると、だいたいが年金をもらっていらっしゃるはずです。
この「赤尾の豆単」、何と、絶版にならずに販売中です!
この「赤尾の豆単」は今の60代半ば以前の方が大学受験生のころまでは、非常にポピュラーな単語集でした。
わたしが受験生のころはすでに「盛りを過ぎた」とみなされていましたが、アルファベット順に単語が並んでいるので、辞書代わりに使うには便利でした。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
もともとこれはわたしのオリジナルではなく、高校の同級生がこういうふうにしていたのを見たのがきっかけです。
「こんな使い方もできるのか〜!」と感激し、早速取り入れることにしたものです。
これは今でいえば、電子辞書を使うことと同様の「脱法行為」で、例の一高の先生からは「伸びることはない」という評価を下されてしまいそうです。
彼はわたしと同じ大学、同じ学部に行きましたので、果たして「伸びることはない」という範疇に入れられてしまうのかどうかは、お読みの方のご判断に任せることにいたします。
ちなみに、現在わたしは中国語を勉強していて、1,000語の入門編まで達してないような程度です。
学習の際には初学者が購入するであろう中国語の辞書は持っていません。
テキストについている単語集で十分ですし、ちょっと調べたいと思ったときには、ネット上にある無料の中国語のオンライン辞典を使っています。
誤解されると困りますが、わたしは辞書で調べることを否定しているわけではありません。
辞書を本格的にひく必要があるのは、入門編を脱してからすべきであって、それまでは「調べる」ことではなく、「覚える」ほうに力を入れるべきだと言っているのです。
辞書を引くという手間を惜しむべきではないが、そういうことは単語力がある程度力がついてから考えたほうがいいと考えています。
さて、拙文をお読みの方は、どうお感じでしょうか?
月例となりました「対抗バトル」の結果は以下のようになりました。
(敢闘賞)仙台市青葉区 小学6年 H.Yくん
(敢闘賞)仙台市青葉区 小学6年 A.Sさん
今回は、敢闘賞2名、いずれも小学6年生に決定しました。
H.Yくんは、算数の先取りに加え、中学校の教科書を使った英語の学習を4月から開始しました。
算数が得意で、とにかく「先へ!先へ!」と進みたがります。
6年生の算数の先取りが一通り終わったら、応用的な内容を演習し、パワーアップしてもらいます。
英語の学習にも熱心です。
「なかなか英語の単語が書けるようにならない!」と嘆いていますが、努力の跡が見て取れます。
A.Sさんは、主にこれまでに習った算数の学習を中心に指導を進めています。
お母さんと強力なタッグを組み、課題もしっかりこなしています。
A.Sさんに必要なことは、一にも二にも「同じことを繰り返す」ことです。
そうすることで、確実に精度は上がります。
H.Yくん、そしてA.Sさん、あなたたちは勉強を頑張っている「英雄」です。
そしてH.YくんやA.Sさんを支えていらっしゃるご両親にも心から敬意を表します。
二人の今後のさらなる頑張りに期待します。
すでにわたしのツイッターでは案内しておりますが、宮城県内の公立高校のオープンキャンパスの日程が県の高校教育課から発表になっています。
再度こちらにリンクを掲載いたします。
(宮城県公立高校オープンキャンパス日程)
また、私立高校のオープンキャンパスの日程も各校より発表になっています。
このたびわたしが一覧表を作成したものを、PDFファイルでアップいたします。
(仙台圏私立高校オープンキャンパス日程)
ファイルのフォームは公立高校のものをパクリました。
私立高校の日程については、ホームページなどの公開情報よりまとめました。
公開されていない情報については、各校に電話で問い合わせました。
記載内容は6月3日現在です。
電話による問い合わせを行ったところ、中学校宛に配付するパンフレットがもうすぐでき上がって、そろそろ学校宛てに配るというところが大半でした。
変更の可能性もありますので、詳細については、実施日が近くなりましたら、各校に個別にお問い合わせいただくか、ホームページを参照ください。
仙台・宮城で、中学校の定期試験や模擬試験で、ある程度以上の成績が取れるようになると、多くの生徒さんはナンバースクールを目指すようになります。
入学試験の厳しさについては、今さら申し上げる必要もないでしょう。
しかし入学後にどういう高校生活が待っているか、ということまで考えている生徒さんは必ずしも多くないようです。
まあ「勉強が厳しいらしいよ」くらいのことは覚悟をしているでしょう。
ではそれが、どの程度の「厳しさ」なのか、そしてナンバースクールの先生方はどういうことを考えているのかについて、お話申し上げることにします。
特にこれは、模試で、偏差値60±2を取っている生徒さん方に一読してもらいたいと考えています。
まず、「ナンバースクールに入れる人」というのは、わたしが考えるに、以下の2点が必要です。
(1)「一を聞いて十を知る」までは行かなくとも、「一を聞いて三を知る」という力のある人
(2)コツコツ努力するのをいとわず、勉強するのを苦にしない人
(1)に関しては、天性のものが必要です。
これは本人の力ではどうしようもなく、「そのように生まれつく」ことが必要です。
(2)については、相当強い意志を持てば、本人の心がけ次第で何とかなる部分です。
とはいえ、わたしはこの(2)についても、天性の部分が多いような気がしています。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
では、入学者を迎えるナンバースクールの先生方のホンネはどのようなものなのでしょうか。
一言でいえば、先生方は進学実績をいかに上げていくか、つまり難関大学にいかにたくさんの合格者を出すかで頭の中がいっぱいです。
常に大学入試という「上」を見ているのであって、入学してくる生徒さんのことまで、気を遣っている時間はほとんどないのです。
その理由として、高校入試のレベルと難関大学入学のために要求されるレベルとの差が大き過ぎることが挙げられます。
先生方としては、そのギャップを埋めるため、必死なのです。
となれば、先生方が入学生に望む唯一のことは「そういう厳しい入試に耐えられる生徒がほしい」ということです。
そのようなわけで、自主的に勉強しようとしないような人に入学してもらっては迷惑なのです。
先生方は、厳しい入試を突破してきた入学生の中でも、入学後に勉強とは縁遠くなってしまう人が出てくることをよく知っています。
「ホントにこの生徒は、あの入試で合格したんだろうか」と思われるような人が毎年一定数出てきてしまうのです。
本人は中学校までは、なまじ「できる人」だったために、そうなってしまうと抜け出すきっかけが非常に難しくなってしまいます。
であるならば、そもそも勉強を苦にするような人は、最初からそういう学校を目指さないほうが、本人にとっても、周りにとっても幸せになります。
学校は何もナンバースクールだけではありませんので.....
みやぎ模試偏差値60±2の生徒さん方は、ちょうどそのボーダーラインに立っています。
目指すところをよく考えて、今後に生かしてください。
中学校での中間試験が迫ってきています。
学校からは「中間試験に向けてがんばってやりましょう」というような文言が試験の範囲表とともに配付されています。
塾・家庭教師といった受験産業ならびにご家庭においても、「試験対策! 試験対策!」という言葉が踊っています。
そうした言葉とは裏腹に、特に平均点が取れない男子中学生の場合だと、女子以上に「だから何? 面倒なだけだろ」というふうに考えている人たちが多いように思います。
そういう「気分が乗らない」男子中学生のために、1点でも多くもぎ取る方法として、「最低これだけは」ということを二つ書いてみます。
まず一つ目は、学校から渡されるワークは、提出が求められている場合、最後の手段として答えを丸写しでいいから、最後までやって提出するということです。
そしてなるべく字は丁寧にです。
女子の場合は、かなり勉強の苦手な人でも、丁寧な字を書きます。
ということは、「オレはこんなもの、やりたくないんだ」モード全開で答えを書いた場合、それだけで女子に負けてしまい、評価が下がります。
学校の先生に、「分からなかったが、課題はとにかくしっかりやりました」と示すのが、先生に対する最低限の礼儀というものです。
さすがにわたしの生徒さんで、課題提出用のワークをやらずに済ませた、などという不心得者はいませんでしたが、わたしが仄聞するところでは、提出さえもしない人がいるとか。
こんな人は、中間試験対策うんぬん以前の人間性の問題です。
社会生活を営む以上、「課題はしっかり提出する」ということが必要です。
それはその課題が適切かどうかということとは別の話です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
第2点目としては、よく学校からは「ワークを繰り返してやってください」と言われる際の「ワークの繰り返し」は、「分からないところ」ではなく、「分かるところ」を徹底して繰り返すことです。
本来であれば、「分からない問題を考える」というのが常道ではありましょう。
しかし「分からないところ」がたくさんあるから、平均点が取れていないわけです。
となれば、「分からないところ」「無理なところ」は、なるべく切り捨てて、「分かるところだけの繰り返し」をやれば、ストレスが少なくて済みます。
分からないところにいかに挑戦するか、ということは、上位者がやればいいことです。
「分からないところや間違ったところを見直す」という勉強法は、平均点以上が取れている人に任せましょう。
やれそうもないことをむやみにやろうとするよりは、「やれること」をしっかりやることです。
しかもこうした生徒さんの場合、放っておくと、「同じところを同じように間違える」ということをやりがちです。
何度か教えて当座は同じ間違いをしないと思っていたら、しばらくして同じところで引っかかる、ということはよくあることです。
であるならば、「分かるところ」を繰り返すという勉強法も、十分に役に立ちます。
以上2点、実践してみてください。
何がしかのよい変化は必ずあるはずです。
今、仙台・宮城の中3生は、多くが6月第4週に中間試験を控えていることと思います。
「来年の受験に向けて幸先のよいスタートを!」などと各方面から聞いて、いささか耳にタコ状態になっているかもしれません。
その一方で、「1年後にスタートする高校での勉強はどうなるか」ということについては、「そこまで考えたことがない」という人がほとんどでしょう。
そこで、この時期に中間試験で頑張っている中3生の皆さんへ、あなたがたが1年後に高校で経験することを書くことにします。
以下を読めば、「なぜいま自分が奮闘しなくてはならないのか」ということが、何となく分かるはずです。
ここでは3点書きます。
第1点目が、高校の定期試験についてです。
定期試験があるのは中学校と一緒ですが、高校の場合は非常に長丁場です。
中学校の定期試験が1〜2日であるのに比べ、高校は4〜5日です。
日程は土曜・日曜をはさむことが多いので、1週間程度が定期試験に縛られます。
それが年に4回あります。
なぜこうなるのかと言えば、履修科目数が多くなるからです。
例えば、国語は現代文と古典に分かれ、それぞれ教科書があって、授業があります。
だいたい主要5教科×2+実技教科(期末試験限定)というパターンが多いです。
1日に実施されるのが3科目程度と、中学のときよりは多くありませんが、科目数の多さは大変です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
第2点目として、勉強が専門的になり、それぞれコースが分かれます。
工業高校、商業高校といった実業系のところは、「簿記」「機械工作」などという科目が新たにお目見えします。
普通高校においても、2年生からは文系コースと理系コースで分かれるようになります。
理由は大学入学時の学部によって、入試科目が分かれ、大まかに言って、文系・理系で問われることが異なるからです。
入学時点では文系・理系は分かれていませんが、早々に「文系・理系どっちに進む?」という調査がとられ、9月頃までにはコース決定を迫られます。
それゆえ「自分はどういう方向に進みたいのか」ということをハッキリさせておいたほうがいいです。
もしそれが分からなければ、「こちらのほうには進まない」という消去法で選んでもよいでしょう。
「別にやりたいことがないんで.....」で何となく高校に進み、高校でも「どうしようかなあ.....」で無為に過ごした結果、派遣社員・フリーターへの道を進むようになってしまうというのは、よく聞く話です。
もちろん、そういう道も当人や親御さんなどの周囲の人がそれでよいというのであれば、わたしがとやかく言うことではありません。
しかし勤めた後の待遇を他の人と比較をしてしまうと、心中穏やかでなくなる、ということもこれまたよく耳にします。
そうならないためにも、今のうちから、できる範囲で布石を打っておくということが得策です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
第3点目として、高校の定期試験には「欠点」というのが存在します。
これは俗に「赤点」と呼ばれているもので、「不合格」という意味です。
多くの高校では40点未満が「赤点」とされています。
ある高校では、「平均点の半分未満」としているところもあります。
4回の定期試験をトータルして、この「赤点」が1科目でもある場合、上の学年に進級できません。
ただ追試験という制度があり、多くの場合はこの試験を受けたり、課題を提出したりして救済されます。
しかし本来、追試験というのは、高校の先生のお情けにすがるものであって、最初からこれを期待してはいけません。
ちなみに昨年わたしが教えた泉区のある中堅高校2年生における「数学B」という科目の2学期中間試験で、実にクラスの3人に1人がこの「赤点」、つまり40点未満だったということがありました。
それゆえに、定期試験の成績がいくら悪かろうと関係なかった中学校と比べると、高校のほうが厳しくなります。
理由は簡単で、高校は義務教育ではないからです。
上述したようなことは、高校生にとっては「常識以下の常識」であり、入学後すぐに直面することです。
高校生は全員が上記のような厳しさ(?)に耐えています。
しかし、高校はそんなに怖いところと言うところではなく、当たり前のことを当たり前にやっていれば大丈夫です。
そして中学生のときよりは、責任が重くなる分、自由になる部分も出てきます。
さて、中3生の皆さん、ここで述べたことを踏まえて、定期試験に備えましょうか。
中間試験を目前にして、多くの生徒さんは準備に余念がありません。
その一方で、「中間試験、何それ? おいしいの?」という人もいるでしょう(笑)
特に勉強にはあまり関心がないと思われる生徒さんから発せられる言葉に「何をどのように勉強したらいいか分からない」というのがあります。
我々のようなプロから見れば、「そんなの、学校から渡された副教材のワークを何回も繰り返してやったり、こちらから出した宿題を指示通りにやればいいじゃないか!」と一言で終わってしまうことがほとんどです。
そして「何をどうしたらいいか分からないって、そんなのやりたくないだけの、言い訳にしているのでは.....?」と勘繰ったりもします。
まあ、事実はだいたいそのとおりなのでしょう。
その一方で、疑問に思うのは、これだけ「あれをやれ、これをやれ」というふうに、学校からも受験関係者からも事細かに指示が出ているのに、それでもなお「何をどのように勉強したらいいか分からない」という言葉を発する生徒さんの心理というのは、どういうものなのか、ということです。
試験前というこの時期、そうした生徒さんの心理について、自分なりに考えたことを記します。
それを述べる際に、ちょっとこの話題とは関係ないかもしれませんが、わたしの仕事を巡る状況についてお話しします。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
わたしの場合、ここ数年来、非常に多忙な毎日を過ごしています。
まがりなりにもホームページを掲げて営業をしている以上、付随する業務が多種多様にあります。
ご家庭には指導をする姿しかお見せしていませんが、指導の準備、各種報告書やサイトの更新、お金の出入り、新規お申し込みの対応、税務申告など、「見えない業務」がたくさんあります。
おまけにわたしの場合は、父や義母の仕事の補助もしているため、1日ゆっくり休むということがまずありません。
そんなわけで、以前やっていた趣味はほとんど「凍結」状態になっています。
ところが、生徒さんの都合で、指導の日程がキャンセルになって、時間がポッと空くことがあります。
そういうときに、それこそ「せっかくの空いた時間」を、趣味に向ければいいはずです。
が、突然そのような時間ができてしまうと、「せっかく空いた時間、何をしたらいいかなあ」と当惑してしまうのです。
そうこうしているうちに時間が過ぎるのももったいないので、「じゃあ、仕事をやるか」ということになります。
要するに「趣味という、ホントはやりたいが、やりつけなくなってしまったこと」をやるのが億劫で、仕事という「やりつけていること」に走ってしまうのです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
そのように考えると、「何をどのように勉強したらよいか分からない」という生徒さんの心理が理解できます。
彼らは「何をどのように勉強したらよいか分からない」のではなく、「勉強をやりつけない」のです。
「やり方が分からないって、まずは言われたとおりにやればいいじゃないか」というのは、「勉強をやりつけている」人たちから見てそうだということです。
では「何をどのように勉強したらよいか分かる」ようになるためには、どうすればよいのか。
この答えは「勉強をやりつけること」「勉強を習慣化すること」に尽きます。
起床時や就寝前の洗顔や歯磨きは、習慣化しているからこそ、それをやることに何の迷いもありません。
またやらないと、心の安定が保てません。
学習の習慣というのも、それと同じです。
勉強をやりつけるようにすれば、「何をどのように勉強したらよいか分からない」ということはなくなります。
そうした生徒さんの場合、「まず毎日、少しでもいいから決まった時間、自学すること」という習慣づけが必要になります。
それには本人だけの力では不可能に近く、ご父兄や受験産業といった手を借りないと、本人の意志だけでは重い腰が上がりません。
毎日の自学自習という習慣をつけて、そこで初めて成績アップというスタートラインに立てるのです。
中間試験真っ只中の週末です。
高校生の中間試験が今週から行われています。
中学生は来週からというところがほとんどです。
2・3年生にとっては実に4か月ぶりの定期試験であり、1年生にとってはデビュー戦です。
わたしの生徒さんを見ていると、1年生はさすがに緊張していますが、2・3年生は久しぶりの定期試験ということで、緊張感のない生徒さんも見受けられます。
このところの指導は当然のことながら、中学生・高校生とも中間試験対策をずっとやっていました。
対策をしていて思うのは、中学生よりも高校生の定期試験対策のほうが、より細やかな目配りを必要とするということです。
中学生の場合は、対策の内容について高校生ほど気を使わずに済みます。
二華や青陵のような中高一貫校やウルスラ・東北学院のような私立中を別にすると、公立中学の場合はだいたい進度も似通っています。
学校ごとに問題自体の難易度が異なるということもありますが、対策そのものはほぼ同じです。
ごく大雑把に言うと、公立中学の定期試験対策は、教科書および学校から渡される教科書準拠の副教材をやりこむことに尽きます。
塾独自の教材、市販の教材、あるいはベネッセのような通信教育を見ても、教科書および教科書準拠の副教材から大きく逸脱するということはありません。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
しかし高校の場合は違います。
高校の場合は、問題自体の難易度が学校によって異なるのはもちろんですが、範囲そのものが違います。
数学の試験範囲が、A高校では最初から20ページまで、B高校では40ページ+併用問題集などというのはごく普通にあります。
さらに2年生以降になると、普通高校であれば、文系・理系のいずれかに分かれることが通例です。
そのために生徒さんによって履修科目が違い、どの教科に力を入れて、どの教科をそれなりに流すかという「科目ごとの軽重」も加味しなくてはなりません。
もちろんそこには、学校の定期試験を重視した指定校推薦を狙って入試に臨むのか、あるいは一般入試を受けるのかということも絡んできます。
高校生のほうが中学生よりも対策自体に気を遣うというのは、そういう意味です。
しかしながら、高校生は中学生に比べて、精神的にも大人なので、指導中もきちんとわたしに向かい合ってくれているというのがよく分かります。
そういう意味で、高校生の対策自体は大変ですが、教える際、さほどの手間はかかりません。
わたしも生徒さんの熱気に負けないように来週を乗り切ります!
先日書いた、コラムの続編として、今回は中2の生徒さんを対象に、「来年はどうなるのか」ということを書いておくことにします。
中2というと、昨年1年間、中学生活を経験してきたので、その流れにはずいぶん体が慣れてきています。
また部活動においても、3年生の多くが引退し、1年生も入部してきたので、「我が天下」を満喫している人もいるでしょう。
それゆえ、中だるみしやすい学年でもありますが、来年のことを考えると、そうそう悠長に構えているわけにはいきません。
ここで、勉強面について、3点ほど心得ておくべきことを書きます。
まず、高校入試は中学で習う全範囲から出題されることに留意してください。
「何を当たり前のこと.....」と思うかもしれませんが、単純に計算して、1年生で習ったことの3倍の範囲から出題されるということです。
1年生のときに受けた実力試験や模擬試験で「随分と範囲が広くて大変だ」と感じた人も多いでしょう。
入試の範囲はその3倍です。
しかも英語・数学といった教科は学年で積み上げていくので、さぼってしまうとあっという間に分からなくなってしまいます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
第2点目として、校内実力試験・模擬試験の回数が増えます。
中総体が終わると、試験に追いまくられます。
そしてあっという間に入試本番を迎えます。
校内実力試験については、学校にもよりますが、年に5回程度になります。
現在の回数+3回程度といったところです。
そして模擬試験は、ほぼ毎月です。
例えばみやぎ模試は7月から2月まで毎月開催されています。
これらの試験のほかに定期試験があり、そして入学試験があります。
塾に通っている人であれば、これにプラスして各種試験が用意してあります。
塾では入試が近くなると、「入試直前ゼミ」などというものが開催され、集中して入試予想問題を解くようになります。
12月以降になると、毎日が試験といった感じで、ゆっくりしている暇がなくなります。
それは受験を迎える中3生だけでなく、ご父兄も気ぜわしくなります。
ご父兄の大半は受験を経験しているので、自分が受験するときの苦労はよく知っています。
が、子息が受験生という場合には、自分の受験とはまた違ったものがあります。
以前、ある受験生のお母様から、「これだけ子供の受験で気がせくのであれば、自分が受験していたほうが気楽でした」と言われたことがあります。
そのお気持ち、よく理解できます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
第3点目として、入試に至るまでの大まかなスケジュールを書いておきます。
夏休み中に家庭訪問あるいは教育相談のような形で、志望校はどこにするのか、ということがさらっと聞かれます。
9月・11月の定期試験を経て、11月後半〜12月初旬までには志望校決定が求められます。
公立高校の場合は、11月に第1回予備調査が行われ、そこで倍率の動向が分かります。
そして年が明けて1月に第2回目の予備調査が実施されます。
1月半ばころに私立高校の推薦入試があり、その後1月下旬に私立高校一般入試があります。
私立高校入試が終わると、数日して2月初旬に前期公立高校の入試があります。
2月中旬に学年末試験を経て、3月上旬に公立高校後期入試です。
こうして見ると、ほんとうに「あっという間」という言葉がピッタリします。
ここで重要視される内申書の評定は11月までの定期試験の成績でカウントします。
ここで一応は「11月まで」ということになっていますが、実質は9月(学校によっては8月下旬)に行われる定期試験の成績が「最終決定」です。
わたしがこれまで見てきたところ、2学期制をとる学校の場合は、1学期末に出る成績と、内申書として高校に行く評定がほとんどの場合同じです。
それゆえに「内申点を上げよう!」ということで部活動終了後に意気込んでも、残された期間は3か月しかありません。
以上のことを念頭に置き、現在の試験に励んでください。
「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、今のうちからの準備と覚悟が必要となります。
「あまり知りたくない事実」ばかりを書きましたが、それゆえにこそ頑張って勝ち取った高校合格という栄冠は貴いのです。
以前弊コラムで「英語で平均点が取れない中学生のための英単語記憶法」と題し、英単語を覚える際の心得を記しました。
今回はその続編というべきもので、一通り入門段階を終えた高校生が、大学入試に対処するために、どのように単語を記憶していけばよいのかということを書くことにいたします。
ここで対象となる人は、「すでに2,000語程度の語彙がある」ということが条件です。
この条件に当てはまる人となると、みやぎ模試偏差値60前後以上に通う高校2年生以上というところでしょうか。
わたし自身は、中学生のころ、英語で苦労したという経験もなく、また単語の記憶が大変だと感じたこともありませんでした。
しかし高校入学後、爆発的に覚える量が増えるようになりました。
そのため覚えては忘れ、覚えては忘れを繰り返し、「中学生のころはこんなはずではなかったのに」「もしかしてオレは英語のセンスがないのでは?」などと感じて、自己嫌悪になりかけたことも一度や二度ではありません。
そして記憶術の本を読んだりして、できる限りのことを試しました。
現在では、ネットで検索すると、各人がいろんな「記憶法」を語っています。
どれもこれもが役に立ちそうで、迷ってしまうほどですが、意外と語られていないこともあります。
そこで今回は、あまり語られていない点を3点にしぼって書くことにいたします。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
第一点目は、「英訳中心に単語を記憶する」ということです。
通常、単語を記憶するというと「英語を見て日本語を言う」ということが主となっている人が多いでしょう。
しかし主にやってほしいのは、「日本語を見て英語を言う」という逆の作業です。
英語の試験というのは、英語である以上、教科書もほとんど英文が書いてあって、多くの時間が英文和訳に費やされています。
その一方で試験問題を見ると、広い意味で和文英訳の力を試しているという問題がかなり多いことが分かります。
であるならば、単語を覚える際にも、「日本語から英語を引き出す」ということを主にやったほうが得策です。
事実わたしは現役学生のころそうしていましたし、今も英単語を覚える際はそうしています。
そのようにすると、「英語から日本語を言う」というのは自然とできるようになります。
市販されている英単語記憶用の単語帳には、その単語を用いた例文と和訳がついています。
その際、多くの人は英文から読み進めるでしょうが、これを逆にして、「和訳をいったん読んで、それから英文を読む」というふうに切り替えるとよいです。
日本語の記憶が冷めないうちに、英語をすかさず読んで、より長く記憶するように努めるのです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
第二点目は、単語の記憶の際には、単語そのものの意味のみを覚えるのではなく、「単語を取り巻くもの」を併せて覚えるということです。
「単語を取り巻くもの」というのはどういうことかと言いますと、例えば次のような情報を、単語とともに覚えることです。
〜「○○という単語は、教科書の△△っていう話のところで覚えたっけなあ」
〜「この熟語は2016年センター試験のところで出てきたやつだ」
〜「この言い方は2年生の夏休み明け実力試験のところで分からなかった箇所だった」
単語と併せてこのような情報を意識的にインプットしようと試みますと、単独で覚えるよりはかなり記憶の定着がよくなります。
参考書に付箋を貼るということはできますが、脳の中に付箋は貼れません。
このような情報を一緒に記憶するということは、「脳の中に付箋を貼る」ということと同じです。
「こんなことをしていたら、覚える量が倍以上になってかえって覚えられなくなるんじゃないか」という反論が来そうですが、実践してみるとそうでもありません。
happy(幸せな)を覚えたら、unhappy(不幸せな)、happiness(幸福)を併せて覚えるのと同じ理屈です。
単語に何がしかのイメージを与えれば、より記憶はしやすくなります。
すべてをこのように覚えるのが大変であれば、覚えづらい単語をこのようにしてみるだけでも、効果があります。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
第三点目は語源を活用するということです。
「語源」というのは、例えば例えばtelephoneはtele(=遠く)+phone(=声、音)という意味の言葉からなっています。
英語の場合、この語源のかなりの部分がラテン語やギリシア語から来ています。
高校生がラテン語やギリシア語を覚える必要はありませんが、こういうふうに成り立っている英単語が、初級を卒業すると山のように出てきます。
これを生かさない手はありません。高校生が語源を活用するのであれば、単語を覚える際にちょっとだけ手間をかけて以下のサイトにアクセスしてみてください。
単語を引くと、語義があり、一番おしまいのところに語源が書いてあります。
語源については、これ以上に詳しいものもありますが、高校生が単語を記憶する際に活用すべきは、このサイトのものが必要にして十分です。
また語源を使った単語記憶のアプリもいくつかあります。
そのうち、「語源で覚える英単語 4700語」は使いやすくできています。
ただここで大切なのは、語源の活用はあくまで補助的なものであるということです。
実際は文章の中で覚えたほうが効果があります。通常通りに記憶するのに加え、語源を活用すると相乗効果が増します。
単語の記憶は骨が折れますが、こればかりは文系・理系問わずに必要です。
効率的な記憶を心掛けてください。
先日、標記にあるように、公立高校入試の総元締めである教育委員会に、高校入試に関する質問状を提出しました。
質問状提出はメールで行いました。
その際、わたしの身分と生業を明かしたうえで、教育委員会からの回答は弊サイトに掲載する旨をあらかじめ伝え、了承を得ました。
内容については以下の通りです。
県教育委員会からの回答があり次第、こちらにアップいたします。
(質問状の内容)
宮城県教育委員会 高校教育課 教育指導班 上遠野様
初めまして。
当方は菊池澄夫と申しまして、仙台市内において家庭教師業を営んでおります。
このたび、宮城県の高校入試に関して、お伺いしたいことがあり、メールをお送りいたす所存です。
質問は以下の通りです。
ご回答に関しましては、ご多忙のところ恐れ入りますが、当方送付のメールアドレスに賜れば幸いです。
なお、いただいたご回答は、あらかじめ電話にてお伝えしておりましたとおり、高校入試という公共性にかんがみて、当方のホームページにて公開いたしたく存じます。
当方のホームページアドレスは以下の通りです。
http://www.pro-teacher-kikuchi.com/
お手数ですがよろしくお願いいたします。
質問は4点、主として内申書の評定にかかわることです。
本県の高校入試においては、中学1年〜3年までの学年末評定がすべて対象となっております。
こうすることで生徒が中1からしっかりと授業を受けるという姿勢が保てるという長所があります。
その一方、短所もあります。
入試を受ける段階で学力は志望校に達していると思われるのにもかかわらず、志望校変更をするケースを目にしています。
その原因は、「中1〜中3を均等に評価する」という本県の内申制度にあります。
中1〜2年の段階での内申点が不足していると思われる場合、中1〜中2の評定という「前科」に縛られ、「内申点不足」による不合格を避けるためのやむを得ない措置です。
そうした「過去の内申不足による志望校変更」が少なくなるような配慮がなされている県もあります。
例を挙げると、例えば山形県は3年生の評定のみを使用したり、また岩手県は中2・中3が対象となり、学年が上がると換算倍率が高くなるなどしています。
また実技教科の評定が2倍に換算されています。
実技教科は、学力試験や点数で表すのが難しい科目です。
そのため評定をつける先生の主観が主要5教科以上に大きく評定を左右し、客観性が保ちづらくなっています。
さらに学力の学校間格差から生じる内申点の不平等さも目にします。
学力に中学校間の格差があることは、「公然の秘密」とでもいうべきものです。
そうした場合、通学する学校によって、ある受験生の評定が相対的に上がったり、逆に下がったりするケースも感じられます。
実際、「この生徒とこの生徒がなぜ同じ評定?」と首をかしげる場面に毎年遭遇します。
以上を踏まえ、お伺いいたします。
(1)「3年間を均等に評定する」という現制度の短所について、貴委員会はどのような認識をお持ちなのでしょうか?
そしてそれを改善するために、具体的な策を検討している動きはございますか?
(2)実技教科が2倍に換算されるという根拠をお知らせいただけませんでしょうか?
(3)学力の学校間格差から生じる内申点の不平等さについて、貴委員会はどのような認識をお持ちなのでしょうか?
またそれを是正するために具体的な方策を取っておいででしょうか?
(4)今後、入試制度を近年中に見直す動きはありますか?
あるとしたら、具体的にどのような点でしょうか?
以上、お知らせくださいますようお願いいたします。
お手数をおかけします。
(以上、引用終わり)
高1生の皆さんは、ようやく定期試験デビュー戦が終わり、少しほっとしていることでしょう。
中学までとは違い、高校の定期試験は科目数が多く、また期間も長期にわたるので、疲れる度合いは中学以上です。
これが今後3年間続きますが、何度かやっているうちに、体が慣れるはずです。
さて、高1生の皆さんの多くは高校入学後、数学における中学とのレベルの差を感じたはずです。
特にこれは上位校に行けば行くほど顕著になります。
「数学の大波」とでもいうべき事態に、さんざん手こずった人がほとんどでしょう。
実際、高1の生徒さんを新学期から教えると、数学の厳しさに多くの生徒さんが苦しんでいます。
この段階ですっかり学習意欲を削がれてしまう人もおり、それが先日の中間試験で早速出てしまっているはずです。
幸い、わたしの生徒さんたちは、何とか「数学の大波」を乗り切りました。
人それぞれ若干の温度差はありますが、滑り出しはまずまずです。
大変そうな雰囲気ではありますが、それでも活力があります。
しかしここで安心しては早計です。
中堅高以上(ここでは、みやぎ模試偏差値55以上のところと定義します)では、この時期から、夏休みぐらいにかけて「英語の波」がひたひたとやってきます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
そもそも「英語の波」は、数学のように大きくはありません。
学校の授業でも、覚えるべき単語の多さは中学とは比べ物にならないことは体感します。
が、それでも時間をかけて調べれば何とかなります。
実際、わたしの高1の生徒さんからは、この時期まで質問と言えば数学が大半を占め、英語は少ないです。
「英語で聞きたいことはありませんか?」と尋ねると、「特に..... 調べれば何とか分かるので..... それより数学が.....」という答えがかなり返ってきていました。
しかし夏休みの課題で出されるものは、英文が長くなったり、また抽象的な内容が増えるなどして、だんだん「英語の波」を実感するようになります。
そして夏休みが終わるころには、英語にも手を焼くようになります。
数学がいきなり大波でガツンと来るのに比べると、英語は「最初は大した大きさではないので、気にも留めずにいた。気が付いたら、胸のあたりまで水につかっていた」という感じです。
この時期の英語で怖いのは、実は「難しい単語」ではありません。
「難しい単語」は、辞書で調べれば当座はしのげます。
もちろんこうした「難しい単語」は覚えずにいると、後で苦しくなってきますが、現在のところ、目立った実害はありません。
ほんとうに怖いのは、中学で習う易しい単語です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
この怖さというのは二つあります。
一つは「易しい単語」が熟語という形で文に出てくることです。
二つ目は、そうした単語が複雑に絡まって「単語は易しいのに、何を言いたいのか訳せない」という文が出てくることです。
「熟語の怖さ」というのは、熟語がある1か所に固まっていれば、それでも何とかなります。
しかし必ずしもそうでない場合があります。
「それが熟語である」というのを知らないと、「単語は知っているのに、どうも意味が分からない」というときが出てきます。
腹立たしいのは、そういうところに限って下線が引いてあって、「この文章を和訳せよ」という指示が出ていることです。
出題者は、当然そこが分かりにくいことを知っていて、その生徒さんの熟語の知識がいかほどかを試してきます。
そうした「怖い英文」をいかに読み解くかということが、大学入試の合否を決定づけます。
さらに数学・英語の陰に隠れる形で、「古典の小波」もやってきます。
この2教科だけで頭が痛いのに、記憶すべき文法事項が複雑になっていきます。
おどかすようなことばかり書いてしまいましたが、以上はこれまで、わたしを含めた多くの人が経験してきたことです。
中堅高校以上に在籍しているということは、上記のような厳しい学習に耐えうるとみなされたのです。
気を抜かないでやっていけば、必ず道は開けます。
自分を信じて頑張って行ってください。
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