〒981-0933 仙台市青葉区柏木1-6-22佐藤アパートB101
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定休日:日曜日
今日8月1日で、教育コラムは満11歳となりました。
「小学5年生」になったわけです。
「教育コラム」が今日に至った経緯はこんな感じでした。
◎2013年8月1日 コラム連載開始
「1日1コラム」ただし、「週休二日」
→2014年1月から「週休一日」
→2015年2月から「月月火水木金金」
入院したときや盆暮れに都合1週間ほど休む以外は、基本的に「休まず毎日1コラム」を続けてきました。
このように続けていくのは、ハードワークです。
こうなる原因の多くは、「ネタに困ること」「文章を書くのに時間がかかる」です。
幸い、ネタ切れにならずにやれています。
それから、11年前と比べての違いは、「YouTube動画の浸透」です。
当方は、YouTube動画も併せて発信しています。
コラムの検索数は、以前に比べて相対的に下がっています。
その一方で、YouTube動画の検索数は伸びていっています。
こういうところにも、映像の力の大きさを実感しています。
このようなことを考慮に入れ、
「ホームページ上のコラム」
「YouTube動画」
「Twitter」
をベースに発信を続けていきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
先日、「全国学力テスト」の結果が公表されました。
公表された数字に関して、今回のコラムでは、「仙台市と仙台市以外との学力差」に焦点を当てます。
以下に示す数字は、7月30日付「河北新報」に掲載されたものを基に、引用・加工しています。
まずは、宮城県内の小学生の結果が次の通りです。
続いて、中学生の結果です。
さらに、仙台市と仙台市以外との差です。
この表をどう見るか...
まず、仙台市と全国平均を比べます。
すると、小学生の数字では、ほんの少し、下回るのみです。
中学生は、いずれも全国平均をやや上回っています。
一方、仙台市以外と全国平均を比べると、小中学校とも、大きく下回っています。
仙台市と仙台市以外との数字で、差の大きいことは、何となく予想されていたことではありました。
数字にして示されると、これだけ随分と違うものだなあと改めて思います。
仙台市内の数値にしても、実のところ、「仙台市内での差」もかなりあります。
これは、仙台市が独自で行っている学力調査で、「仙台市内の地域差」もかなり出ているからです。
一口に仙台市と言っても、仙台駅周囲から、山形県の県境までが「青葉区」です。
仙台市は広いです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
学力差について、仙台市内と仙台市以外で格差があるのは、今に始まった話ではありません。
宮城県の場合、県内の人口に仙台の占める割合が、2024年の段階で48.9%です。
この数字は、東京・京都に続いて全国で3番目に高い数字です。
他の東北地方の県と比べても、突出しています。
そんなこともあって、我が宮城県はもともと仙台市内と仙台市以外とで、格差が生まれやすいです。
ただ、そうは言っても、↓のような数字を見ると、やはり溜息が出てきます。
溜息が出るのは、わたしが多賀城出身ということも影響しているのかもしれません。
何しろ、中学3年の段階で、両地域の差が10ポイントも違うのです。
同じテストで、平均点が10点違うというのは、相当に大きな数字です。
そして、学年が進めば、それだけ格差が出てきています。
宮城県の公立高校の入試は、富谷より北、名取より南は、ほとんど定員割れしています。
何しろ、石巻地区のトップ校である石巻高校が定員割れしている有様です。
そういう土壌で、
「受験のためにがっちり勉強していきましょう!」
といっても、なかなか盛り上がらないのは、十分に理解できます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
それから、「学力差」といえば、仙台市の中にも地域差があります。
今回のコラムで取り上げた学力調査のほかに、仙台市は4月の初めに学力調査を行っています。
全国の学力調査との違いは、以下の通りです。
・全国版
国語・数学(算数)の2教科
小6と中3が対象
・仙台市版
主要5教科
小3から中3までが対象
☆小学生は、英語なし。
☆小3生は国語・算数のみ
この中で、学校ごとの平均を比べてみると、地域差はハッキリしています。
やはりというべきか、当然というべきか、仙台市内の中心部の学校は、平均点が高いです。
つまり、受験に熱心な地域ほど、高い数字が出ています。
一方、中心部から離れるにつれて、数字は低くなります。
そして、「受験に熱心」とされる地域に隣接する学校も、低い数値の出る傾向があります。
このように考えると、仙台中心部の学校は、かなり仙台市内の平均点を底上げしています。
なお、以上に述べたことは、あくまで「学校・地域全体の傾向」です。
仙台市以外にも、優秀な生徒さんはいます。
逆に、仙台中心部の「受験に熱心な」学校にも、学習の苦手な人はいます。
この点を十分にご理解ください。
わたしは授業のとき、生徒さんを頻繁に指名して、説明をしてもらっています。
まあ、これは、どの先生も似たようなことをしているでしょう。
わたしの指名を受けたとき、彼らの説明は、要領を得ている場合、正解から外れている場合、両方あります。
ここで、彼らがうまく説明できないとき、彼らからこういうフレーズを聞くことがあります。
「分かってるんだけど、説明できない...」
彼らとしては、頭の中に何かしらのイメージがあるのでしょう。
もし、まるっきり分からなければ、彼らは無言になるはずですから。
しかし、「分かっているが、説明できない」ということはあり得ないと、わたしは考えています。
そして、わたしはこう考えます。
「説明できないということは、分かっていないということ」
もちろん、説明それ自体の上手下手というのはあります。
口下手な生徒さんもいます。
わたしは生徒さんに「上手な説明」を求めているわけではありません。
ただ、説明それ自体が上手でない生徒さんも、問われた内容を彼らがしっかり理解しているなら、
「この生徒さんは理解している」
ということは十分に伝わります。
ですから、生徒さんには、「分かっていないこと」を口下手なせいにしてもらいたくないのです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
それから、試験の記述問題について、「分かっていないこと」を書こうとしても、書けるものではありません。
まずもって、文章自体が、滑らかに書けません。
さらに、書いたところで、支離滅裂なものになります。
日本語としての体をなしていない文章は、読んでいて、イライラするだけです。
ただ、文章は、口頭での説明とは違って、考えながら書くことができます。
そういう意味で、口頭での説明のほうは、「ボロかくし」ができないようになっています。
わたしが授業中、生徒さんに口頭での説明を求めているのも、そうした理由からです。
以上は、生徒さんのことを述べました。
翻って、わたしはどうか...
わたし自身、きちんと理解していないと、説明自体がしっかりできなくなるのを肌で感じます。
そのようなことがないように、努めているつもりではあるのですが...
わたしの場合、生徒さんと違って、そこはきちんとやらなくてはいけません。
それが仕事であるわけですから。
そのような事態にならないようにするために、日ごろからわたし自身、しっかりと勉強しておく必要を感じます。
ですから、生徒さんにも、この点、留意をしていただきたいところです。
公文については、その効果・学習内容など、各方面から語られています。
わたしも過去に、当欄で公文について取り上げたことがあります。
今回のコラムでは、中学生、特に高校受験を控えるケースを想定し、思うところを語ります。
<全般的に言えること>
・公文の目指すところは、「学習体力をつける」
・即効性はない
・特に中より上を目指す受験としては、「公文の力」+「受験の実戦演習」が必要
以下、詳しく述べます。
公文の目的は、「学習体力をつける」点にあります。
実のところ、わたしも子供の受験のときに、公文さんにお世話にった口です。
先ほど述べた「学習体力」というのは、基本的な問題演習を、多量に・正確に・素早く・繰り返して行える力です。
運動で言えば、「徹底した走り込み」「野球の千本ノック」「サッカーのリフティング練習」を、毎日、繰り返して行うことを指します。
受験学習と運動とでは、確かに目指すところが違います。
しかし、「基本が大事」という点では、両者に異なるところはありません。
受験で合否を決めるのは、最終的に「どのくらい学習体力がついているか」「基礎力がついているか」です。
特に中より上を受験で目指すとなれば、そうです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回のコラムで、公文の目指すところは、「学習体力をつける」ことだと述べました。
ですから、公文をやれば、すぐに試験の点がよくなるわけではありません。
即効性という点で、公文は不向きです。
たとえて言うなら、公文は「風邪をひかないために日ごろから健康な体作りをしておく」というのが目的です。
インフルエンザのタミフルのように、それを服用すれば、症状が回復する、というものではないのです。
それから、公文は「先取り学習」を進めます。
そのため、「このレベルの教材ができるなら、高校まで数学はバッチリ! 安心!」と考えるご父兄が意外に多いです。
これは、受験の上で、非常に大きなマイナスです。
公文の数学教材で、微分・積分と言った「高校数学のラスボス」の教材があります。
その教材は、小中学生で取り組んでいるケースも稀ではありません。
ただ、彼らがやっているのは、あくまで微分・積分の計算問題です。
微分・積分を深く理解していなくとも、解き進めることができます。
この点が盲点となります。
逆に公文がカバーできない部分を十分に知ったうえで、「公文の力」+「受験の実戦演習」をしっかり行えば、公文の強さを実感できます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
公立中学で、平均に満たない生徒さんにも、公文の教材は非常に有効です。
彼らを見ていると、
「小学5・6年生が平均して持っている計算力・文章読解力をつける機会があればなあ」
と、いつも感じます。
彼らは同学年の平均的な生徒が持っている計算力・文章読解力のレベルまで達していません。
それゆえの結果が現在の姿です。
ただ、普通に学校生活を送っていると、過去にさかのぼって「基本の基本」を叩き直す機会はありません。
新しく学ぶべきことが、どんどん重なっていくからです。
公文の教材はそれを補ってくれます。
この公文の教材を進めながら、試験では「基本の基本」を確実に得点できるようにする、というのが、理想的な姿ではあります。
ただ、この方法の欠点としては、即効性がないことです。
言い換えると、「この方法でやれば、すぐに結果が出るわけではない」ということです。
そのため、月謝を出すご父兄にしてみれば、
「せっかく高いおカネをかけたのに、さっぱり成績が上がらない、変わらない...」
「そこまで払って、成果がそれくらいなら、ほどほどのところで十分」
という不満の種にもなります。
どういうケースであっても、公文の特長を正しく理解し、受験に備えていきたいものです。
こないだ始まったばかりと思った夏期講習、終わりました。
暦を見れば、何だかんだで、3週間ほどやってるんですね。
そんな感じがありません。
確かに、七夕祭りも終わったし...
夏期講習は、あっという間に駆け抜けてしまった感じがしました。
講習は、受験関係者の常というべきか、「あれもこれも」やりたくなります。
生徒さんの学習の定着ぶりを見ていると、
「数学のアレが足りない...」
「社会のアソコをこのくらいまで深くして...」
などと思ってしまいます。
ただ、そうすると、虻蜂取らずになってしまうおそれがないとは言えません。
そのため、講習としてやるべきことをググッと絞りました。
これが吉と出るか、凶と出るかは、夏休み以降に試されます。
この講習の定着具合については、やはりというべきか、日ごろの学習の状況がそのまま表れます。
特に平均を下回る生徒さんの場合、
「これだけやって、演習でこんな風に間違っちゃうのか...」
ということが、想像以上にあります。
いつものこととは言いながら、頭を抱えてしまいます。
いい解決策が思い浮かびません。
以後の指導に、今回の反省点を十分に活用していきたいです。
明日から当塾は休暇に入ります。
コラムは17日より再開します。
また、YouTube動画も休暇中はお休みします。
よろしくお願いいたします。
お盆休み前、当欄では公文について取り上げました。
今回は、同じ視点から、英検について述べます。
さて、公文は学習塾です。
英検は英語の検定試験です。
パッと見て、両者は似ているところがありません。
しかし、わたしが見るに、
「公文・英検、いずれも受験で正しい使われ方がされていないケースが非常に多い」
点は共通しています。
「正しい使われ方がされていない」というのは、どういうことか。
「ある級に合格すると、学校の定期試験や模擬試験の英語はバッチリ・安心」と思い込んでしまう人が非常に多いことです。
ここで、「思い込んでしまう人」は、生徒さん、そして、ご父兄です。
そうしたことがなるべく起きないよう、わたしが考える「英検の処方箋」は、次の通りです。
・英検は「英語学習のきっかけ、モチベーション維持のツール」と考える
・英検3級を取っても、中学英語の定期試験・模試はバッチリ・安心と限らない
・英検と定期試験・模試は別物と考える
この「処方箋」は、特に早いうちから英語の先取り学習をやっている生徒さん、ご父兄が心すべきことです。
それを怠ってしまうと、学校の定期試験・模試で、とんだしっぺ返しを食うことにもなりかねません。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
例えば、英検3級には「推奨・出題目安」として、「中学卒業程度」とあります。
そして、英検は小学生あるいは、中1・2生などが先取りを兼ねて、英検3級に合格する生徒さんが多くいます。
合格するとどうなるか。
「自分、あるいは、うちの子供は、中3の英語、まずは大丈夫なんだね!
ということは、学校のテストもまずまずはいい点が取れそう!」
このように考えがちになるケースが多いようです。
しかし、実際はどうか。
学校のテスト、定期試験や模擬試験・実力試験を受けてみると、そうでないことに気づきます。
例えば、↓のブログをご覧ください。
こちらのケースは、中3の息子さんをお持ちのご父兄がお書きになったブログです。
こちらの息子さんは、中3で英検2級に合格しています。
英検2級と言えば、「高校卒業程度」となっています。
それでも、学校の英語の定期試験は80点後半だそうです。
そして、模擬試験の英語でも偏差値が60台の後半を推移していたとのことです。
この息子さんは、受験関係者が見れば、「かなりできるほう」です。
しかし、お父様にとっては、少し不満がおありのようでした。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回紹介したブログをお書きになったお父様からすると、
「高校卒業程度である英検2級に合格しているのだから、定期試験は9割以上を取ってほしい。
模擬試験も偏差値にして70のカベを超えてほしい」
ということだったようです。
しかし、このような生徒さんは、決して珍しくありません。
確かに英検2級の問題自体は、大学入試のセンター試験(共通テストの前身)を、ややソフトにしたくらいのレベルです。
ですから、問題の難易度自体、「高校卒業程度」といっても、おかしくはないのです。
ただ、合格基準が「高校卒業程度」というところまでは、必ずしも行っていません。
事実、英検2級に合格した中学生が、定期試験や模擬試験で書いた答案を見ると、
「エ? こんな間違いをしちゃうの?」
という間違いが散見されます。
この種の間違いは、主に「英文法を正しく理解していない」というところから起きています。
例えば、
「あなたは幸せですか?」
「あなたは毎日野球をしますか?」
というフレーズの英訳を
Do you happy?
Are you play baseball every day?
と書いてしまうような、そういう致命的なミスです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
英検3級以上には、ライティングすなわち英作文が試験問題として出ます。
前回紹介したような「致命的な文法のミス」は、一応、このライティングでシバリがかかるようになっています。
とはいえ、
Do you happy?
Are you play baseball every day?
と書いてしまう生徒さんも、英検2級に合格できるという現実があります。
ですから、合格率をもっと下げれば、試験としては妥当なものになるのかもしれません。
ただ、合格率を下げてしまうと、受験する生徒さん・ご父兄の志気に影響してきます。
特に2級以下については、合格率を下げてしまうと、受検者が少なくなる可能性があるのです。
志気に影響するということは、英検を主催する「日本英語検定協会」の収入にも関わってきます。
主催者側として、合格率をどうするかというのは、微妙な問題といえそうです。
以上より言えることは、
「英検と学校のテストは別物」
「英検は英語学習のきっかけ、モチベーション維持のツール」
と、考えるべきだということです。
とはいえ、英検は非常に有効かつ優秀なシステムです。
以上に述べたことに留意しながら、「正しく」英検を活用し、英語力アップにつなげたいものです。
今回のコラムは、東北学院中のコースについて取り上げてみます。
東北学院中には、2つのコースがあります。
・特別選抜コース
・総合コース
このうち、特別選抜コース(特選コース)は、主として「難関大合格を目標」ということをうたっています。
そして、共学化して以来、特選コースは「二華中にあと一歩」という生徒さんたちがかなり増えたようです。
一説には、「周りを見渡すと、かなりの割合で四谷大塚の同窓生」だとか。
以下、そういう特選コースのカリキュラムを、二華中のそれと比べてみます。
比べる対象は、英語・数学です。
<数学について>
学院中・二華中とも、数研出版の「体系数学」を使っています。
この「体系数学」は、中高一貫校がよく使う教科書です。
一応、公立中学と同じ教科書も配付自体はされます。
しかし、公立中学と同じ教科書は、ダミーの教科書です。
授業では使われません。
中学までは義務教育であるために、こういうことが行われているのでしょう。
わたしなんかはダミーの教科書を見るたびに、
「何だかもったいないなあ」
と感じてしまいます。
授業の進度ベースで言うと、
「中学3年の内容を、2年ちょいくらいで終える」
という具合に進みます。
(次回に続きます)
この「ニュートレジャー」は、公立中学で使う教科書に比べると、非常に分量が多いです。
この教科書はウルスラ中も使っています。
そして学院中特選の英語の試験問題を見ていると、「特選」としては、やや物足りない印象を受けます。
数学のほうは、前回述べたように、中高一貫用の教科書「体系数学」を使っています。
ですから、「先取り学習」をどう進めていくかというのは、科目ごとに考え方が違うということなのでしょう。
難関大への合格をメインターゲットとする中高一貫校は、「先取り学習」をいかにやっていくかが、非常に大切です。
その中でも、特に数学・英語の「先取り学習」です。
ただ、この「先取り学習」を進めすぎると、生徒さんが授業の進度についていけなくなるという側面もあります。
結局、これは、合格実績が良ければ、「この進め方でよかった」
それが芳しくなければ、「改善の余地がある」
こういう評価になります。
共学化以降の学院中特選の結果が出るのは、まだもう少し先です。
受験に向かっていくには、膨大な知識が必要であることは、今さら申し上げるまでもありません。
何しろ、漢字だけで、中学3年までには、2,000字超の漢字が出てきます。
これらの漢字が高校入試で必要になってくるわけです。
もちろん、受験で必要な知識は漢字だけではありません。
そう考えると、
「知識があればあるほど、受験に有利」
というのは、異論のないところでしょう。
さて、受験に必要な知識という点に関しては、大きく分けて、2種類があります。
・そのまま覚えることが必要な知識
・「なぜそうなるか」を考えて覚えることが必要な知識
そして、受験で高得点を取るには、知識を蓄えるうえで、できる限り「なぜそうなるか」を考えて覚えることが必要になってきます。
こうした点に立脚した知識をできる限り増やす必要があるというわけです。
以下、「受験で必要な知識」について詳しく述べます。
まず、「受験で必要な知識」には、「そのまま覚えることが必要な知識」があります。
例えば、
・「本」は英語で、bookと書き、「ブック」と発音する
・江戸幕府の初代将軍は、徳川家康
こういうものは、「なぜそうなっているのか」ということは、考えようがありません。
「そういうもの」「そうなっている」として記憶する以外に仕方がありません。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
それから、受験には「なぜそうなるか」を考えて覚えることが必要な知識もあります。
例えば、歴史の流れがそうです。
豊臣秀吉が死去
→権力闘争で関ケ原の戦いが起きる
→徳川家康が合戦に勝ち、権力を握る
→江戸幕府開設
ですから、江戸幕府が開かれた後に、豊臣秀吉が亡くなるということはないわけです。
江戸幕府開設後に、関ケ原の戦いがあることにもなりません。
ただ、これを
1598年 豊臣秀吉が死去
1600年 関ケ原の戦い
1603年 江戸幕府開設
とだけ覚えてしまうと、「単なる暗記物」になります。
しかし、「歴史の流れ」を押さえると、それは、「なぜそうなるか」を考えて覚えることが必要な知識になります。
そして、「なぜそうなるか」を考えて覚えることが必要な知識は、記憶として定着しやすいです。
「単なる暗記物」にならなくなるからです。
それから、英文法などもそうです。
英文法というと、「無味乾燥な暗記物」ということで、生徒さんにはあまり評判がよくありません。
しかし、英語の初歩の段階で学ぶ事項を、しっかりと覚えることで、その後に出てくる記憶の負担は軽くなります。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
「そのまま覚えることが必要な知識」を、「『なぜそうなるか』を考えて覚えることが必要な知識」のほうへ、いかに変えていくか...
これが、受験で高得点を取るためには必要になってきます。
そして、この転換をするためには、いろんな知識を持っておかなくてはなりません。
それは、学習の苦手な生徒さんの知識量、事物の覚え方を見ていると、よく分かります。
彼らは、トップ層・上位層に比べて、知っている物事が少ないです。
そのため、トップ層・上位層なら、さほど苦労しないで覚えられることでも、学習苦手層は、かなり努力を強いられます。
そして、学習苦手層が記憶を定着させる場合、トップ層・上位層に比べて、拙さ・粗さが見えてしまいます。
しかも、彼ら学習苦手層は、トップ層・上位層に比べて、勉強しません。
そうなれば、両者の開きは学年が進むほど、大きくなるのも道理です。
要するに、知識というものは、多くなれば、多くなるほど、新たな知識を得るのに、負担が減ってくるのです。
これは、知識に限らず、あることに対する経験の豊かな人と経験の少ない人とで、違ってくるのと同じことです。
お金持ちがますますお金が増えていくのと似ているかもしれません。
当方のYouTube動画などで、高校の合格状況・進学実績を見るとき、
「国公立合格者の数はどのくらいか?」
というのを、目安として使っています。
そして、当該高校の先生方も、自校の合格状況・進学実績を外に向かって説明するときに、
「わが校は、国公立大合格者が〇〇名」
というフレーズをしばしばお使いになります。
「そもそも、高校の『実力』を言うのに、国公立大合格者を指標にするのはなぜなのか」
これについて、今回のコラムで述べることにします。
「国公立大」と比べる対象は、「私大」です。
◎難関どころは「国公立」が「私立」より多い
難関といわれる大学は、何のかんのといって、私立より国公立のほうがずっと多いです。
まずもって、最難関である東大は、国立大学です。
確かに、私大にも早稲田・慶応のように、多くの国公立大よりは難関のところはあります。
しかし、全国にある私大を見渡すと、そういう私大は必ずしも多くありません。
2023年の段階で、大学数は次の通りです。
国立・・・86校
公立・・・100校
私立・・・622校
国公立は、「少数派」であるわけです。
こういう希少価値性(?)があるところに、「国公立大への合格者が、その学校の実力指標として使われる」下地があるように感じます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
◎国公立は私大より合格状況が把握しやすい
国公立大学は、基本的に合格するのは、1校です。
理論的には、複数校に合格することは可能です。
が、そのような受験生は極めて少ないです。
ということは、高校の合格状況を全体としてつかむのに、何かと都合がいいわけです。
一方、私大は、複数校・学部に合格が可能です。
同じ大学でも、学部によって試験日の違うことは比較的よくあります。
例えば、東北学院大は、
1日目・・・法学部
2日目・・・経済学部
といった組み合わせ受験が可能です。
両方に合格すれば、「合格者2名」となります。
この点について、具体的な例を出します。
2024年、二高の早稲田合格者は37名という公式発表です。
この数字は何を意味するか。
例えば、わたしが早稲田の1学部に合格すれば、「1名」です。
3つの学部に合格すれば、「合格者3名」となります。
よって、「合格者37名」でも、
37名それぞれ違う人が合格しているのか...
3学部合格している人が10名くらいいるのか...
これらは、数字だけで判断できません。
「国公立は、私立に比べて、合格状況が把握しやすい」
というのは、そのような意味です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
◎「できれば国公立に」というご父兄からの潜在的要望
「できれば国公立に」という希望・要望というのは、ご父兄の側からあります。
間違いなく。
それは、経済的なことが、まずあります。
それから、世間一般で国公立と私立が、どのように受け止められているかという違いもあります。
こうした風潮は、私大に行きたいという生徒さんにとっては、愉快でないことがあるようです。
「国公立至上主義」
「先生たちは国公立への進学を勧めたがる」
という怨嗟の声は、ネット界隈で多く目にします。
もちろん、受験というのは、生徒さんが試験を受けるものです。
しかし、あくまでスポンサーはご父兄です。
確かに、大学進学に伴う金銭的なことを、子供の前で表立って口にするご父兄は、多いわけではありません。
そうはいいながら、世間一般の評価として、
「国公立>私立」
であることを、ご父兄は知っています。
それは仕事を通じてあったり、よその父兄の話を聞いたりすれば、
「世間の評価がそうであれば、うちの子供もできれば、国公立に...」
となるのは、そう不自然ではありません。
受験の主体は子供である一方で、「スポンサーの意向」もまるっきり無視するわけにはいかないという事情が
「できれば国公立」
という風潮に絡んでいます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回のコラムまで、高校の進学における「実力」を示すときに、なぜ国公立が目安として使われるのか、述べました。
この件については、我が宮城県の事情について、もう少し詳しく述べてみます。
県内の大学は、首都圏に比べると、難易度・偏差値に見合う大学が少ないように感じます。
例えば、難易度・偏差値を見ると、東北大は県内で図抜けた存在です。
そして、宮城大学や宮教大と、東北大の間を埋める大学となると、首都圏に行く必要があります。
県内の高校から多くの人が進学する山形大も、宮城大・宮教大と大きく難易度が違うわけでもありません。
山大の医医は例外ですが。
山大・宮城大・宮教大に一歩及ばずとなると、県内では東北学院大に行くというのが、多いケースです。
そして「県内の大学には、選択肢が少ない」というのは、首都圏や関西の主要地域を除けば、だいたいどの県も当てはまります。
東北地方ですと、宮城県はまだ他の県に比べて、県内に大学の選択肢があるほうです。
東北学院大は、難易度・偏差値的にカバーしている範囲が随分と広いです。
そのような現状があって、高校の「実力」を測る目安に、国公立大の合格状況が使われているのかなあとも考えています。
わたしは授業のとき、入試の話をします。
また、普段のときに学習していることが、入試ではどのような問われ方をするか、なども話題に乗せます。
例えば、こういう感じです。
・・・公立高校の数学の入試の最初の問題は、ごく基本的な計算問題です。
だいたいは中1でやるような問題です。
ここは絶対に落としてはいけません。
確実に点を取ってください。
・・・国語の漢字の問題、今年は公立高校の入試に6問出ています。
1問が2点です。
字の綺麗でない自覚のある人は、漢字の書き取りを、少しゆっくり目に、点・画をハッキリさせて書いてください。
続け字みたいに書いて、バツをつけられてしまっては、もったいないです。
それから、入試の採点をする先生方は、老眼の人が多くなっているはずです。
老眼は、細かい字が読みづらいんです。
ほかはともかく、漢字の書き取りだけは、丁寧に字を書いてください。
同じことを教えるにしても、たぶん学校の先生は、あまりこういう言い方をなさらないのではないでしょうか。
学校の場合は、入試のために授業をしているわけではないからです。
しかし、学習塾は違います。
その目的は、普段の成績アップです。
そして、入試本番で確実に点を取り、志望校に合格できるよう指導していくことです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
このように、普段の授業で入試本番・定期試験・模試のことを口にすると、彼らの表情は引き締まります。
「その一問」を落とすことで、入試などでは何点失うことになるのか?
学校の難易度・偏差値などが示す「ワンランク差」とは、どのくらいなのか?
日常の学習で、こうしたことを意識する機会はそう多くありません。
各種試験に対しての関心の範囲は、
「せいぜいが定期試験
模擬試験は関心の外
入試となると、遥か彼方の国のお話」
という感じの生徒さんが、相当多数います。
このような生徒さんに、具体的な数字を使って入試の現状を話すことは、意味のあることだと感じています。
結局のところ、
「普段から一問、一問、力を抜かずに、丁寧に問題を解く。
解いた答えが合っているかどうか、チェックする。
次に同じような問題を解くとき、同じ間違いをしないようにする」
・・・この繰り返しを愚直に繰り返していくことしかありません。
普段からやっていないことを、入試本番でできるはずがありません。
甲子園大会で、球児たちがファインプレーをしたり、タイムリーヒットを打てたりするのも、日ごろからの練習の成果です。
受験学習も、入試もこれと同じです。
成績upのヒント!
教育コラム「雨か嵐か」
〒981-0933
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15:00~20:00
日曜日