〒981-0933 仙台市青葉区柏木1-2-29-301
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定休日:日曜日
日々努むる子らを思ひつつ
いま少し 耐へにし のちに 見ゆるのは
勝ち誇りける 春の微笑み
あけましておめでとうございます。
令和も5年となりました。
西暦では2023年となります。
冒頭にあるのは、年初に詠んだ歌です。
2015年以来続けています。
この歌には、
「今のこの時期、受験勉強に耐えて、春にニッコリ笑おうではないか」
という思いを込めています。
わたしも生徒さん・ご父兄の「春の微笑み」を見たいです。
できるだけたくさん、そして、明るい「微笑み」を。
そのためには、今は「耐えて、耐えて」です。
「耐えて、耐えて」は、生徒さんだけではありません。
ご父兄もそうです。
そして、指導に当たるわたしもそうです。
入試スケジュールは、お正月明けに、中学入試がすぐに始まります。
今シーズン、わたしの生徒さんが受ける予定になっているのは、中学入試、私立高校推薦・一般入試、公立高校入試です。
在校生の皆さんも、模擬試験・実力試験を冬休み中、あるいは、冬休み明けに受けます。
コロナは以前ほど深刻には受け止められなくなったものの、まだまだおとなしくはなっていません。
インフルエンザとの同時流行が心配です。
わたしも健康に留意しながら、指導に臨みます。
今年もよろしくお願いいたします。
今回のコラムでは、受験に関する情報について述べてみます。
一口に「受験情報」と言っても、幼稚園選びから大学選びまで、幅広いです。
弊コラムでは、多くが「高校選び」に関することです。
これは、何だかんだ言って、最も需要があるからです。
さて、この「受験情報」は、どのように得て、活用すべきなのでしょうか。
わたしの考えは、だいたい以下の通りです。
(1)「受験情報」は、長期的に見た場合と、短期的に見た場合と、両方持っておくべき。
(2)「長期的に見た場合」とは、大学受験を基本とする。
(3)「短期的に見た場合」とは、ここ3年間でどの学校に進学するのかを基本とする。
(2)に書いた「長期的に見た場合」=「大学受験を基本」というのは、「大学を受験しない」というものでも構いません。
例えば、このような感じです。
この子は、だいたい真ん中ぐらいだろうから、東北学院大あたりに入って、地元の会社に就職して...
勉強は苦手なようだから、高校を卒業したら、就職か、専門学校かな...
この子は、たぶん、トップのほうに行く。そしたら、大学は東京の名の知れたところとか...
まずはこんな感じです。
子供が中3以下でしたら、このような方向性を決めて、大学受験に関する情報を集めていきます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
受験に関しては、まず「大学をどうするか」を決めたほうがいいです。
これには、前回も述べたとおり、「大学に行かない」ことも含みます。
子供の将来設計は、「大学をどうするか」という方向性を、最初にハッキリさせておきます。
そうすれば、のちのち「行きあたりバッタリ」にならずに済みます。
そして「大学→高校→中学...」の順に決まります。
そうしていくと、将来の出費などがいかほどになるのかも、ある程度は設計ができます。
とはいえ、今の段階で「ウチの子供の成績は、真ん中まで行かない」というのであれば、そこまで考えなくても大丈夫な部分はあります。
「成り行き、自然に任せて」というのでも、何とか格好がつくケースも多いようです。
しかし、全体の3分の1より上、すなわち偏差値で言えば「55以上」となると、そうもいかなくなります。
このくらいの成績ですと、本人にも、ご父兄にも、将来に向けて「何がしかの欲」が出てきます。
となると、「大学であれば、とりあえず、どこでもいい」というわけにもいかなくなります。
いま、大学は選ばなければ、ほぼ全員が入れます。
が、この全体の3分の1となると、「大学ならどこでも」という選択肢がなくなります。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
受験に関しては、まず「大学をどうするか」を決める...
これは、偏差値55~60あたりの公立高校に最も当てはまります。
具体的には、
「二華、泉館山、宮城野、南、向山、泉」
という顔ぶれです。
言い換えると、先に挙げた5つの高校あたりに進学する生徒さんたちは、大学受験に関する情報を事前にしっかりつかんでおく必要があります。
それをしておかないと、その後の大学進学先が大きく変わる可能性があります。
この場合、情報をあらかじめ収集しておくべきは、ご父兄です。
子供に任せっきりにしておくと、かなり損をします。
逆に受験に関する情報をしっかり集めておくと、かなり得をする場合があります。
「損か得か」は、特に私立大学へ進む場合にハッキリします。
事実、わたしは、
「この生徒さんは、この高校で、このくらいの成績だと、あの大学に入れちゃうんだ...」
という場面をこの目で見てきました。
逆に、
「この生徒さんは、この高校で、このくらいの成績でも、この大学にパスするのは、難しいんだ...」
という場面も見てきました。
この差は、「知っているか、知らないか」ということから生じます。
これほどまでに、大学受験の情報は大事なものです。
子息の将来を真剣に考えるなら、「アンテナは常に高くしておく」ことが望まれます。
「ボッタクリ」という言葉があります。
あるオンライン辞書で、この言葉を調べてみると、
「法外な料金を取ること。力ずくで奪い取ること。」とあります。
「ボッタクリ」というと、歓楽街での怪しく、いかがわしい店の連中を想起させます。
こういう手合いが、網を張った毒蜘蛛よろしく、客の到着を虎視眈々と狙っています。
さて、この「ボッタクリ」という言葉は、しばしば受験業界でも使われることがあります。
それは、どちらかと言えば、低料金で経営している個人塾のトップからなされることが多いです。
その矛先は、特にフランチャイズの個別指導塾に向けられているようです。
フランチャイズの個別指導塾で、オーナーさんは「看板料」としてフランチャイズ料を納める必要があります。
これは、セブンイレブンやローソンのようなコンビニエンスストアと同じ仕組みです。
このフランチャイズ料を、オーナーさんは負担が大きいと感じているようです。
結局それは、指導料に跳ね返ります。
さらに、冬休みや春休みといった学校の長期休暇のとき、「冬期講習」などのように、かなりの指導回数を提案することが行われているようです。
金額的にも、20万になるケースも...といった書き込みを見たことがあります。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
わたしも、「冬期講習で20万!」というのは、ちょっとビックリしていまいます。
ただ、この金額だけをもって「ボッタクリ」というのは、フェアでないと感じます。
問題は、「金額」ではありません。
その「金額」に対して、どういう「指導内容」が提供されるかどうかです。
そして、ご父兄が「相応の金額を払っただけのものを得ることができた」と感じれば、第三者が「ボッタクリ」という筋合いのものでもありません。
個別指導が、「(講師):(生徒さん)=1:1」というようなものになれば、金額的にかなり張ります。
ご父兄もご存じの通り、世の中で一番高いのは、人件費です。
指導に当たる講師は学校の先生と違います。
人件費は、税金で補填されているわけではありません。
すべてご父兄が支払う指導料などで賄う必要があります。
わたしが「プロ家庭教師菊池」として行っている指導の料金は、
「決して高くはない。一方、決して安くはない」
くらいに自分では思っています。
なにしろ、東京などの首都圏ですと、中学受験専門の家庭教師さんで、1時間あたり、6,000円以上などという方がザラにいます。
仙台あたりですと、この金額ではなかなか難しいかもしれません。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前々回、および前回で紹介した「冬期講習で20万!」を生徒さんが受講するというのは、わたしから見ると、その経営者はすごい能力です。
わたしには無理です。
ビジネスの世界では、「いかに高く売ったか」は、大いに評価されます。
受験産業は、「教育」を冠にしたビジネスです。
そこには、私情の介する余地がありません。
しっかりしたビジネスができなければ、潰れて消え去るだけの話です。
ビジネスはどこまでも非情です。
ただし、そこには、もちろん暴力的な脅しであるとか、法律に触れる行為があってはいけません。
わたしが「ボッタクリ」をやらないのは、自分に「ボッタクリ」をやるだけの能力がないからです。
さらに、仮に一時「ボッタクリ」をやれたとしても、長くビジネスを続けることはできないからです。
わたしの志向は「細く長く」です。
「太く短く」ではありません。
わたしにとっては、今くらいの料金体系が丁度いいようです。
とはいうものの、「プロ家庭教師菊池」の料金体系そのものが高いと感じる方もいらっしゃるはずです。
そのような方は、申し訳ございませんが、わたしとは縁がないと考えています。
このようなものも、お互いに縁を感じての「指導する、指導を受ける」関係なのだろうと思います。
当地仙台・宮城では、中学入試が一段落しました。
これから、高校入試、大学入試が待っています。
そのような時期を反映してか、わたしがアップしているコラム、YouTube動画はアクセス数が伸びています。
ご父兄が、できる限りいろんな情報を得たいという気持ちが表れています。
このように、多くのご父兄は、自分の子供の受験のため、時間・手間をかけています。
もちろん、おカネも。
受験で「あと少しで手が届きそう」というところに合格したいのなら、子供がホンキになるだけでは足りません。
親のほうもホンキになる必要があります。
多くのご父兄は、その点をよく分かっていらっしゃいます。
その一方で、子供の受験には大きな関心をお示しにならないご父兄もいらっしゃいます。
特に「勉強苦手」系の生徒さんのご父兄に、その割合が高いように感じます。
そういうご父兄の場合、小さいときから、受験にはあまり高い関心を持たない環境にいらしたんだろうということは、何となく感じます。
言葉の端々や、ふとしたときの素振りで、受験業界に長くいるわたしには、分かります。
「ウチの子供は、ある程度、上のところまでは行ける!」となれば、関心は出てくるのかもしれません。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
ご父兄のほうが受験にあまり関心がないというご家庭で、次に述べるようなケースがありました。
これは、ある「勉強苦手」系の中学生についてです。
その生徒さんは、いま述べたように、勉強は苦手でした。
しかし、とても真面目でした。
指導中も勉強を一生懸命にやろうという雰囲気が伝わってきます。
それほど真面目なら、なぜ勉強が遅れているのか...
話を聞くと、両親からは、一度も勉強をやれと言われたことがないそうです。
部屋を見ても、漫画本以外の本はありません。
このご家庭は、指導を行うにあたって、困ることがありました。
とにかく休むのです。
この生徒さんの体調不良による休みもちょくちょくありました。
それから、「急用のため」の指導キャンセルがかなりありました。
どんな「急用」なのかは分かりません。
ご家庭の考え方もありますが、ご父兄が指導の際に不在でも、生徒さんが在宅なら指導は可能です。
「急用」がたびたびなので、
「生徒さんが在宅ならば、こちらは指導が可能です」
と申し上げたことがあります。
しかし、ご父兄からの回答は
「NO」
理由は
「ネコがいるから」
このご父兄にとっては、子供の受験指導より、ネコの都合のほうが大切のようでした。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
ご父兄には、たびたびのキャンセルのことで、こちらの意思をお伝えしていました。
「いろいろご都合もあるかと思います。
ですが、なるべく指導はキャンセルが出ないようにしていただきたいです。
やはり指導は継続が大切ですから」
このように伝えても、「急用のため」のキャンセルは続きます。
そして、その後、「エ?」と思ったのが、定期試験の欠席です。
お身内にご不幸があり、ここからは少し離れたところに行くとのことで、5日ほど学校を休みました。
そして、定期試験を受けませんでした。
このような場合、何を優先させるかは、ご家庭それぞれの「政治判断」です。
ただ、わたしに同じようなことがあったら、子供や家内が予定を繰り上げて家に戻るようにします。
そして、子供が定期試験を受けるようにしたと思います。
やはり受験の内申評定のことを考えると、体調不良以外、欠席するのはまずいと考えるからです。
「確かにお身内のことは大切なんだけど、定期試験、休んじゃうのかな???
内申のこととか、考えないのかな???
生徒さんのほうは、真面目に成績を上げたいって思ってるのに...」
このように考えると、イライラがかなり積もってきました。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
結局、わたしは、これ以上、このご家庭の指導を続けることは困難と判断しました。
そして、ご家庭には「指導ご辞退申し上げます」とお伝えしました。
ご父兄は、「これまでご迷惑をおかけして...」とおっしゃっていました。
まあ、この程度の「ご迷惑」は、仕事の範囲です。
でも、生徒さん、つまりご父兄から見れば、子供さんには、
「もう少し、受験の優先度を上げて考えればよかった」
と、一言伝えていただきたいとは感じました。
その生徒さんは、わたしが指導した中で、トップ3に入るほど、「いい生徒さん」だったので。
ただ、このご家庭の名誉のために申せば、こちらのご父兄は、とてもよい方でした。
一点、受験に対する考え方が、わたしの考えと決定的に合わなかったというだけです。
そんなこともあり、「ご辞退案件」とするには、ためらいがありました。
しかし、わたしは、ビジネスのほうを優先させました。
もちろん、ご父兄としても、受験への関心がなかったわけではありません。
ただ、優先順位に関しては、わたしと少々ズレがありました。
ご父兄が「子供はまず勉学が優先」という考えでないと、成績アップは難しいです。
そもそも指導を休んでしまっては、成績アップ以前の話でしょうから。
14日から、大学入試「共通テスト」が始まります。
受験生の皆さんには、全力を尽くしてほしいです。
今のこの時間となっては、これだけを祈ります。
さて、この「共通テスト」は、以前「センター試験」と呼ばれていたものです。
さらにその前は、「共通一次」と呼ばれていました。
「共通一次」→「センター試験」→「共通テスト」という風に形と名称を変えていきました。
わたしが大学受験をしたときは、「共通一次」の時代です。
このように書くと、半分、年齢がバレてしまいます(笑)
「共通一次」→「センター試験」→「共通テスト」と名は変わりました。
ただ、わたしが見ていて感じるのは、
「問題が難しくなってきてるな~、特に英語・数学は」
です。
「英語が難しくなった」と感じるのは、「英語の問題の文章量が随分と増えている」点が、いちばん目を引きます。
たぶん、今、東北大以上のレベルの大学に合格できるくらいの受験生が、わたし世代の「共通一次」の問題を見ると、
「エ? 何これ? ふざけてる?」
と感じるかもしれません。
いや、感じるでしょう、きっと。
このようになった一番の原因は、「受験産業の発達」ではないかとわたしは考えています。
つまり、受験生が予備校・塾でしっかり対策をした結果、出題者とのイタチごっこが繰り返されたのではないかということです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
数学に関しても、難しくなっていると感じます。
ご父兄が現役高校生だった「共通一次」時代、あるいは1990年代初めころの「センター試験」と比べると、それは明らかです。
今の受験生が、その当時の数学の問題を見れば、拍子抜けするはずです。
そもそも「共通一次」は、「高校生の基本的な学力を見る」ということで、鳴り物入りで導入されました。
これが導入されたのは、1979(昭和54)年です。
今から43年前の話です。
これを最初に受けた受験生は、60歳程度です。
このころは、
◎共通一次=基本問題
◎二次試験=各大学が受験生に求めるレベルを審査
こういう住み分けがありました。
しかし、受験生向けの対策が、年を追うごとにバージョンアップしていきます。
そして、出題者のほうも、年々問題のレベルを上げていきました。
そうなれば、難関どころを目指す受験生は、予備校・学習塾の助けなしに合格することが事実上できなくなってしまっています。
大学受験がこのようになっているということは、高校受験・中学受験にも影響してきます。
今後も、「共通テスト」は、受験というものに、影響を与え続けるでしょう。
何はともあれ、受験生の皆さんの更なる奮闘を祈っています!
平素より「プロ家庭教師菊池」をご愛顧下さり、ありがとうございます。
当方は、長年「プロ家庭教師菊池」というブランド名で多くの方にご愛顧いただいてまいりました。
表題にございます通り、「プロ家庭教師菊池」はこのたび、リニューアルを図ります。
そして、家庭教師による受験指導をバージョンアップし、本年3月に学習塾を開校することとなりました。
学習塾の概略は以下の通りです。
1.名称:「菊池特訓塾」
2.場所: 仙台市青葉区上杉3-3-17 長田ビル4F
3.塾の形態: 公立高校受験をメインとした集団指導
4.対象になる生徒: 小学生・中学生
5.開校予定: 3月中旬
塾の開校に当たっては、2年前から準備をしていました。
場所が最終的に決まったのは、昨年11月です。
設備什器の搬入は、今月末ごろまでに実施予定です。
塾の名称は、上に示した通り、「菊池特訓塾」と言います。
「菊池特訓塾」の最大の方針は、「入試に合わせる」です。
そして、この方針をご理解いただき、「生徒さん・ご父兄が当塾に合わせる」スタイルをとります。
開校に当たっては、引き続き、もろもろの準備を進めて行きます。
進捗の状況は、こちらのコラム、Twitter、YouTube動画などで、都度ご案内してまいります。
興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
引き続きのご愛顧をよろしくお願いいたします。
◎合格実績について
現時点で判明分の生徒さんの合格状況は以下の通りです。
<中学校>
東北学院中 特進 1名
<高校>
東北学院高 TG総進 1名
<大学>
立教大 経営 1名
合格した皆さん、おめでとうございます!
よく頑張りました。
そして、今回は、あと一歩というケースが例年以上に多いように感じました。
この結果を見ていて感じるのは、「普段の学習がいかに大切か」です。
この「普段の学習」とは、コツコツとやることはもちろんです。
それに加えて、「いかに指導者の指導を実践できるか」です。
「いかに指導者の指導を実践できるか」は、その生徒さんの能力的な面が関わってきます。
こういうところが、合否を分けていると言えます。
◎「菊池特訓塾」の開校について
昨日更新したコラム、YouTube動画、Twitterでご案内いたしました通り、「プロ家庭教師菊池」は、本年3月に「菊池特訓塾」へリニューアルします。
このたびの開校に当たっては、多くの方々から、お祝いの言葉、お励ましの言葉、温かい言葉をいただきました。
ただ、「菊池特訓塾」を仙台市青葉区上杉に開くことについては、かなりの覚悟が必要でした。
現在、準備は着々と進んでいます。
引き続きよろしくお願いいたします。
今回のコラムは、東北学院中・高の入試についてです。
東北学院中の入試は、去る1月5日に行われました。
高校のほうの入試は、推薦入試が去る1月11日に行われました。
高校の一般入試は、1月31日、2月2日にあります。
そのようなわけで、今は、「前半終了後のハーフタイム」といったところです。
公立高校受験がメインとなっている受験生は、今からが入試本番です。
今の時点で、学校のほうから受験生の数、合格者数の発表はありません。
高校の一般入試など、もろもろが終了した時点で、正式発表されるものと思われます。
ただ、わたしが見聞きし、また生徒さんの合格状況を見ていると、
「去年の入試に比べて、結構しぼってきてるんじゃないかな~」
と感じています。
そのように感じる理由は、学校から示された入試の点数です。
「この点数で、ここのコースが取れなかったということは、きつくなってきてるのかも」
わたしの第一印象がそういうものでした。
昨年2022年入試の反動なのでしょうか?
詳しいことは、これから行われる高校の一般入試を見てみないと、断定的なことは言えません。
が、わたしの体感としては、
「ムムム? こりゃ、今までとは、一味も、ふた味も違うぞ!」
です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
東北学院中・高は、昨年2022年に男子校→共学となりました。
また、詰襟の学生服という制服もなくなりました。
そうしたこともあり、前回入試では、人気が沸騰しました。
その辺りのことは、学校側も織り込み済みだったと思います。
学校側は、共学前と比べて、オープンキャンパスに集まる人数やご父兄・受験生の反応を、肌で感じていたはずです。
昨年は、定員に比べると、入学者が超過の状態になっていました。
学院中・高は、公立中・高校に合格者が流れることを想定して、定員より多く合格者を出します。
しかし、その「想定」は、言ってみれば「水物」です。
毎年、「阿吽の呼吸」でやっていたものが、2022年は必ずしも当てはまらなくなりました。
なにしろ、共学化という前例のないケースでの「合格者の読み」をやらなくてはいけなかったのです。
そのため、今年2023年に「合格者引き締め」を行ったのではないかと想像しています。
もちろん、これは「現段階でそうではないのか?」ということです。
確定的なことは申せません。
わたしの「受験指導者としての勘」が、数字に裏打ちされたものかどうかは、学院中・高の公式発表を通じて、注視していきます。
当地仙台・宮城では、中学受験が一段落しました。
私立高校の推薦入試も終わっています。
ここで進路の決まった受験生は、4月の入学まで、ややゆっくりした時間を過ごすことができます。
私立高校の推薦入試は、どちらかと言うと、「学習苦手系」の受験生が、割合として多くなります。
また、勉強に関しては緩やかなコースへの進学も多いです。
したがって、4月入学まで、これまで以上に「我が世の春」を謳歌する結果になる受験生が相当数います。
私立中学の場合、さすがにそこまで浮かれる受験生は少ないようです。
これは、二華・青陵のような公立の中高一貫校へ入学の決まった受験生も同様です。
ただ、受験前と後とでは、精神的な緊張の度合いが、かなり違います。
さて、当欄でもたびたび紹介してきた「深海魚」という言葉があります。
これは主に、中学受験生に使われます。
特に中高一貫校となっている中学受験生に対してです。
これの意味するところは、入学後、成績が底辺まで沈み、アップしていかない生徒を指します。
言い得て妙だと思います。
ただ、そのように陰で言われる生徒さんたちは、大変なはずです。
そして、子女がそのようになっているご父兄も、「せっかく苦労して入ったのに...」と感じるのは自然です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
では、タイプ的にどのような生徒さんが、「深海魚」になりやすいのでしょうか。
真っ先に思い浮かぶのは、「ギリギリ合格」だった生徒さんです。
どんなに難関でも、トップ合格者・最下位合格者がいます。
入学試験は、トップで入ろうが、ビリで入ろうが、合格は合格です。
しかし、学校の授業が始まれば、校内テストで、トップから最下位まで順位が付けられます。
ですから、「ギリギリ合格」だった生徒さんは、「深海魚」になる可能性がそこそこあると言えます。
一方、わたしが見る限り、「深海魚」になる生徒さんは、以下のようなケースでした。
1.「ギリギリ合格者」は、「深海魚」になる可能性は確かに低くない。
2.「深海魚」になるのは、「ギリギリ合格者」より「コツコツ回避タイプ」の生徒さんが多い。
3.「ギリギリ合格」は、必ずしも悪ではない。
4.入試を出発点でなく、ゴールと思ってしまうことが悪い。
わたしは、「深海魚」となった生徒さんを何名か指導した経験があります。
その中には、ナンバースクールに入って、「深海魚」になった生徒さんも含みます。
彼らの入学前の成績は、意外と「深海魚」とは無縁に思えるようなものでした。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
「深海魚」になってしまうのは、どんなタイプなのか...
これは、前回のコラムで記した通り、「コツコツ回避タイプ」の生徒さんが多いようです。
それから、入試合格はスタートラインでなく、ゴールと錯覚してしまう生徒さんにも、「深海魚」が発生します。
4月になり、晴れて希望の中学に入学すると、これまでの環境とは大きく変わります。
中には、通学時間が急に長くなる生徒さんも少なくありません。
そうなると、学校に通うだけでも、かなりエネルギーが必要となります。
そんな中、授業のほうは、ドンドン進みます。
「名門」と言われる学校ほどそうです。
しかも、周りは受験を勝ち上がってきた人たちばかりが集います。
それゆえ、ほんの些細なきっかけで、あっという間に「深海魚」になります。
「深海魚」にならないためには、「6月の中間試験までは何が何でも勉強を頑張る」ことです。
気を抜いてしまってはダメです。
6月の中間試験まで頑張れば、かなりの確率で「深海魚」は回避できます。
逆に言えば、「深海魚」になってしまった生徒さんは、6月の中間試験を乗り切れないで、そうなってしまっています。
一旦そのように「負け癖」がついてしまうと、そこから抜けるのは、至難の業です。
最近、ある方から、少子化の中での入試についてお話を伺う機会がありました。
概略は以下の通りです。
...このごろ、入試というものがさっぱり分からない。
自分にも子供がいて、受験がどういうものかはそれなりに経験した。
自分が子供のころとは、違ってきている印象がある。
少子化になって、公立高校の倍率を見ていても、かなり多くの高校が定員割れしているようだ。
でも、塾の宣伝を聞いていると、「入試は大変」みたいなことを言っている。
塾が「入試は大変」みたいなことをいうのは、分かる。
そういう商売だから。
正直、入試は少子化で、易しくなっているのか?
それとも、難しくなっているのか?
どちらなのか?
さっぱり自分には分からない。
...
概略、こういうお話でした。
もっともな話です。
わたしの結論は、以下の通りです。
◎入試は易しくなっているというのは正しい
◎難しくなっているのも正しい
◎両者の二極分化が以前にもまして進んでいる
入試が易しくなっているのも、難しくなっているのも、どちらも正しいと言えます。
要するに、「全体としてこうなっている」という図式が当てはまらなくなっています。
それゆえ、ご父兄から見れば、混乱してしまうというわけです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回のコラムで述べた
「入試は易しくなっているというのは正しい 難しくなっているのも正しい」
という現象を、詳しく述べると、次のようになります。
1.入試は上位に行くほど、より難しい。あるいはこれまでの難易度を保っている
2.入試は下位に行くほど、より易しくなっている
3.二極分化が年々激しくなっている
4.上位に行くほど、受験業者のような「お助けマン」がこれまで以上に必要
5.下位に行くほど、受験業者のような「お助けマン」は必要性が薄れている
要するに、今の時代、高校や大学は、「選ばなければ」あぶれずに入学が可能です。
「うちの子供は勉強が好きでないし、どこでもいいから、高校、引っかかってもらえば...」
こういう高校受験生も、「選ばなければ」、どこかには落ち着けます。
こうした流れに拍車をかけたのが、2020年に始まった「私立高校の授業料、実質無償化」です。
それまでは、「私立高校=おカネがかかる 公立高校=安く済む」というのが、「常識」でした。
2020年以降、「常識」が「常識」でなくなってしまったのです。
また、私立高校も、「推薦入試」という「よほどの例外以外は合格できる」制度を大々的に宣伝します。
その結果、かつては「勉強苦手系」の生徒さんが受けていた公立高校に、軒並み閑古鳥が鳴く事態となります。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
一方、上位校の入学は、より難しい、あるいは、これまで通りの難易度となっています。
そうなると、上位に行けば行くほど、受験業者の手が必要になってきます。
例えば、大学入試「共通テスト」。
「共通一次→センター試験→共通テスト」と名前が変わりました。
それに伴い、入試問題の難易度も高くなっています。
わたしが「共通一次」を受けたころのことを思い出しながら、今の「共通テスト」の問題を見ていて感じるのは、
「こりゃ、予備校・塾なしで難関どころに行くのは、ほぼ不可能だなあ」
ということです。
大学入試がこの通りです。
となれば、高校入試・中学入試も大学入試と無縁ではいられません。
それでも公立高校入試であれば、トップ高と言えど、ノー塾でもギリギリ何とかはなるかもしれません。
しかし、今の塾のシステムを見ていると、難関を狙うなら、通塾したほうが、いろいろな面でご父兄の負担は減ります。
精神的にも、体力的にも。
そして何より、得られる情報量が違ってきます。
わたしの見立てでは、こうした二極分化は、小さくなることはありません。
大きくなるか、現状維持になることがあっても、です。
子供の受験は、親も情報収集など、「相応の勉強」が必要です。
今は小3から英語を学校で扱います。
小5からは「正式教科」となっています。
国語・算数と同じように試験もあります。
そのようになって、小学校で勉強する英語は、「中学への橋渡し」が大変なようです。
「大変だ」というのは、小学校と中学校の「求めるものの違い」です。
言い換えると、小学校で行っている英語の内容と、中学で求められる英語のレベルがかなり違っているということです。
そのため、小学校で塾に通わずに、学校だけで英語を勉強している生徒さんは、中学校で相当大変になっています。
そういう現状を見ていて、わたしが小学生のころ、英語をどのように勉強したのか、述べてみることにいたします。
わたしは小学生のころから、何となく英語に興味がありました。
そして、親に「英語の本を買ってほしい」とねだりました。
そこで手にしたのが、小学館の入門百科シリーズ「英語入門」でした。
絵や写真がふんだんに使われており、読んでいて楽しかったです。
自分で選んだのだったか、親が選んでくれたのかは覚えていません。
この「英語入門」は、ほんとうに繰り返し、繰り返し読んだ記憶があります。
暇なときにパラパラとページをめくったり、ということもしていました。
これが、わたしの英語の「はじめの一歩」でした。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
小学館の入門百科シリーズ「英語入門」を読んで、わたしが疑問に感じたことが2つありました。
(1)なぜ英語は変な風に書くのか?
(2)なぜ英語は変な風に単語を並べるのか?
「(1)なぜ英語は変な風に書くのか?」については、例えば、name(ネイム=名前)という単語は、なぜnameと書き、neimと書かないのかという疑問です。
また、「(2)なぜ英語は変な風に単語を並べるのか?」については、
I like apples.(わたし 好き リンゴ)
I read a book.(わたし 読む 本)
のように単語が並びます。
これが非常に不思議で、変に思いました。
とにかく、グチャグチャに単語が並んでいるように見えたのです。
ところが、ある日あるとき、
「英語って、<何は><どうした>っていうのを、まず言うんだな」
ということに気づきました。
そう思って英文を見ると、どれもが
「<何は><どうした>」
という形になっていました。
それ以外にも、
「英語は、大切なことをまず先に言ってしまうんだ」
ということも分かりました。
これに気が付いたときは、ほんとうにうれしかったことを覚えています。
わたしとしては、ノーベル賞級の大発見をしたつもりでした(笑)
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回述べたように、わたしは、小学生のころ、
「英語にはキチンとした規則がある」
ということに気づいていました。
そのころ、文法などという言葉は全く知りません。
ただ、そういう知識があったおかげか、中学で英語に苦労した記憶はありません。
逆にそうした下地がなく、小学校で英語を勉強し、いきなり中学へ放り込まれていたとしたら.....
英語には大きな苦手意識を持ったことでしょう。
「下地がなく、小学校で英語を勉強し、中学へ放り込まれていた」.....
これは、まさしく英語がメタメタになっている生徒さんの姿そのものです。
結局のところ、それもこれも、「英語にはキチンとした規則がある」ことを認識できず、何となくやり過ごしてきた結果です。
そうした意味で、小学生のころ、「英語にはキチンとした規則がある」ことに気づけていたわたしは幸せでした。
闇雲に文法・単語を覚えるのと、「ルールがある」ことを分かったうえで、文法・単語を覚えるのとでは、雲泥の差です。
小学校時代に、英語でつまずいた生徒を救うだけの余裕は、今の中学にはありません。
ですから、小学生の生徒さんには、「英語のルール」をしっかり身につけてほしいのです。
このところ、特にそう感じるようになりました。
仙台・宮城では、二華中・青陵中を含む中学入試が終わりました。
首都圏などはこれからです。
四谷大塚などでは、すでに中学の先取り講習を進めています。
「中学に入って、しっかり勉強についていけるように」
このような理由から、こうした「中学の先取り」を進めている塾、あるいはその受講生がかなりいるようです。
四谷大塚ですと、受験後は、自動的にそのような「先取り」をすることになります。
わたしの目から見ても、中学受験生が、この時期に手を抜かないというのは、非常に大切です。
事実、中学受験を終えた担当生徒さんは、引き続き学習に余念がありません。
さて、この「中学の先取り」講習について、わたしがこの時期にしっかりやっておくべきと考えるのは次の2つです。
(1)算数・数学は、中学の先取りより、小学校の復習
(2)英語は、中学の先取り。特に文法の先取り
上記(1)で示した、算数の「中学の先取りより、小学校の復習」というのを、ご父兄は意外にお感じになるかもしれません。
しかし、わたしのように考えている受験関係者は、少なくないです。
ここで「小学校の復習」というのは、「中学入試で問われるレベルの問題を、合格ボケしないように解く」ということです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
なぜ、算数は中学の先取りより、小学校の復習のほうが大切なのでしょうか。
理由は、中学1年で習う数学のほとんどが、「実質、小学校の算数」だからです。
このように申し上げると、次のような反論が予想されます。
.....そうは言っても、中学の数学では、
◎5-7=-2
◎4x+5-3x-2=x+3
こういうのが、出てくるのではないか。
.....
確かにその通りです。
しかし、この「いかにも中学の数学!」という計算問題は、そこまで難易度が高くありません。
事実、9割程度の中1生は、複雑な問題でなければ、この分野は何とか得点できます。
一方で、次のような問題は、中1生でも、出来不出来がハッキリ分かれます。
◎時速180kmは、秒速何mですか?
◎「大サービス! 1割引き 90円!」という品物の定価はいくらですか?
わたしが申し上げている「小学校の復習」というのは、このような問題の演習です。
中学入試となれば、もう少しこれより難しい問題が出るでしょう。
こういう問題をやればやるほど、中学の数学では高得点を得られます。
優先順位とすれば、「中学数学の先取り」より、「小学算数の復習・発展問題」のほうに軍配が上がります。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
英語は「中学の先取り」が大切です。
この点、「小学算数の復習・発展問題」が重要である算数・数学と違います。
小学校で習う英語は、「習うより慣れよ」という方式です。
これはどういうことか。
「英語はこういうルールです」ということを教えずに、「英語はこういうものだから、覚えなさい」というものです。
小学校で行われている英語の試験は、英語のルール、すなわち文法をよく知らなくても、高得点が取れてしまいます。
ところが、中学1年の4月1日を境に、事情が一変するのです。
中学での英語で好スタートを切りたいなら、6月に行われる中間試験に照準を合わせた演習が必要です。
当然そのためには、きちんとした文法の知識が不可欠です。
ですから、わたしが小学生に英語を教えるときには、小学校での英語の授業を基に、中学生用の教材を使うことがあります。
どの教材・どのレベルにするかは、その生徒さんの現状を踏まえてという話にはなりますが。
とにかく、英語を学習し始めた早い時期に、文法はしっかり身につけておかなくてはなりません。
文法教育は、「英語を勉強する子供へのしつけ」です。
中学受験が一段落した今、ゆっくり・じっくり勉強ができるのは、この時期だけです。
この点、ご父兄には十二分にご認識いただきたいのです。
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