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公立高校入試の難易度はどうなるのか?
受験を控えた中3生、そしてご父兄のほうとしては、大きな関心事になると思います。
確かに、試験が易しくなれば、合格点が跳ね上がる・・・
試験が難しければ、合格点は下がる・・・
だから、試験の難易度はあまり気にせずに・・・
というのが、「正しい見方」なのかもしれません。
「理屈」から言えば、そうなるでしょう。
ただ、そうは言っても、それはどこまでも「理屈」です。
受けるほうからすれば、易しいほうがいいはずです。
難しいのはノーサンキューです。
これも人情でしょう。
そういうわけで、以下、述べてみます。
まず、わたしの考えでは、
「昨年2023年よりは全体の平均が下がるだろう」
と考えています。
というのも、
「昨年以上に易しくなってしまうと、入試として果たして成立するの?」
という考えからです。
入試の平均点は、次の通りです。
2020年 260.4
2021年 271.1
2022年 287.0
2023年 300.4
昨年は、2020年より、40点も上がっているわけです。
「昨年以上に易しくなってしまうと、入試として果たして成立するの?」
と考えたのは、そのような理由からです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
ただ、宮城県の公立高校入試の状況を見ていると、
「入試の難易度を全体としてこうしていく」
という方針が、ハッキリしていない印象を受けます。
言い換えると、
「国語は国語、数学は数学、英語は英語で、行き当たりばったりという感じで、勝手に動いている」
という感じなのです。
ですから、
「全体としてこのくらいの平均点が出るような難易度にする」
というものではありません。
「数学は去年、ちょっと易しかったから、今年は少し難しくしてみようか」
「国語は去年より易しくしてみようか」
これを、各教科の担当者が好きなようにやっている、という風に思えるのです。
事実、昨年2023年の国語・数学の平均点は次のようなものでした。
国語 70.9
数学 45.6
数学は科目の性質上、5教科のうちで、ほとんどの場合、一番平均点が低くなります。
ただ、そうは言っても、国語と数学で、平均点が25.3点も違うとなると、入試として「健全な状態」には見えません。
今まで、申し上げたことは、すべて入試を実施する側の問題です。
受験生としては、どういう問題が出ても、全力投球あるのみです。
わたしとしては、入試を実施するお上の側が、受験生に無用な混乱を引き起こさないよう、祈るばかりです。
中学校で扱う英単語がここ数年来、爆増していることは、当欄で何度か述べてきました。
そのため受験関係者からも、大きな悲鳴・切実な声が聞こえてきています。
ただ、現状が少しでもよくなるように、ということは、指導に当たる者としての課題です。
以下、述べます。
中学で習う英単語は、「はじめの一歩」として、
「読める」
「意味が分かる」
ところから始めてほしいのです。
例えば、
bookという単語が出てきたら、
・「ブック」と読めること
・「本」という意味が言えること
まずこの二つのことができている必要があります。
「エ?
そんなこと、当たり前なんじゃないの?」
そう感じた方は多いかもしれません。
ところが、その「当たり前」のできていない中学生は、実にたくさんいます。
それでも、bookのように、比較的よく使うもの、そして、具体的なイメージを持ちやすいものは、まだいいのです。
問題なのは、
「of=~の」
のように、具体的なイメージの持ちにくい単語です。
ofというような単語は、普通の英語の文章ですと、book以上に使われています。
が、「ofってどういう意味なの?」という段になると、非常に定着率が悪いです。
致し方がないのかもしれませんが。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回述べたように、中学生が英単語を「覚える」場合、
「読める」
「意味が分かる」
が最優先です。
まずもって、教科書にある「新出英単語」の意味が、完璧にできるかを目指します。
「日本語を見て、英単語が正しく綴れる」
というのは、次の段階です。
例えば、漢字でも「まず読めて意味が分かる」ことが必要であるのと事情は同じです。
事実、学校の英語の試験では、扱った英単語を100%書けるところまでいかなくても、それなりの得点は取れます。
そして、日ごろから英語の勉強をしっかりやっていれば、中学で習う英単語の8割以上は、「自然と」覚えてしまうものです。
なぜかというと、そうした英単語は繰り返し何度も出てくるからです。
人間、何だかんだで、記憶には反復が必要です。
反復すれば、身につきます。
もし、
「勉強してるんですけど、英単語が全然覚えられません」
というなら、それは、
・勉強量が足りない
・本人は「勉強」のつもりだが、「勉強」になっていない
というのがほとんどです。
それから、英単語は「読める」「意味が分かる」ことが「はじめの一歩」といっても、やはりある程度はきちんと綴れる必要があります。
それができないと、高得点を取ることができません。
生徒さんには、科目の得手不得手、好き・嫌い、向き・不向きがあります。
これは、ご父兄が現役学生のころもそうだったはずです。
わたしも同様でした。
そのため、高校に進学すると、文系・理系という風にクラス分けがあります。
そうした中で、かなり優秀な生徒さんでも、やはり科目間のデコボコはあります。
数学・理科が国語・英語・社会などより、点数が高い・・・
あるいはその逆・・・
などなど。
キーとなるのは、英語・数学です。
この英語・数学に関して、生徒さんの中には、点数にかなり大きな開きのある場合があります。
例えば、
・英語80点 数学45点
・英語50点 数学80点
といった具合に。
今回は、そのようなケースに焦点を当てます。
このような生徒さんの場合、成績全般としては、このような感じです。
・数学が高得点、英語がかなり苦手なのは、男子生徒に多い
・英語が高得点、数学がかなり苦手なのは、女子生徒に多い
・全体の順位を見ると、「数学高得点」の生徒さんのほうが、「英語高得点」の生徒さんより成績はいい
このようになります。
こうして考えてみると、受験のカギとなるのは、
「数学ができるかできないか」
というのが、大きな要素を占めているように感じます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回のコラムで述べた中で、
「英語が高得点、数学がかなり苦手」
という生徒さんには、だいたい次のようなパターンがあります。
・女子生徒が多い
・割と小さいころからイングリッシュスクール・英会話教室に通ってきた
・英語のキャリアはかなり積んでいる一方、文法が弱い
このような生徒さんが「英語が高得点」というのは、小さいころからの蓄積のおかげです。
語学は英語に限らず、コツコツやり続けることが大きな成果をもたらします。
しかし、この高得点は、学年が進むにつれ、失速していく傾向にあります。
理由は、たぶん「小さいころからの貯金が少なくなってしまうから」です。
そしてこのタイプの生徒さんは、文章読解能力がそれほど高くないという印象を受けます。
数学は、文章読解能力が非常に要求されます。
数学がかなり苦手な生徒さんは、問題に書いてあることが正確に読み取れません。
特に数学は、問題文が短いものが多いため、読み取りが正確でなければ、正解に達しません。
「数学がかなり苦手」というのは、文章読解能力が高くないのと、リンクします。
英語の場合、学年が進むにつれ、試験に出される英文が長くなり、複雑になります。
そのため、成績も徐々に失速してしまうのでしょう。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
今度は「数学が高得点、英語がかなり苦手」という生徒さんについてです。
彼らは、「英語が高得点、数学がかなり苦手」という生徒さんに比べて、全般的にはよい成績というケースが多いです。
このタイプの生徒さんは、「英語が高得点、数学がかなり苦手」という生徒さんより、「日本語が通じる」という印象です。
ここで「日本語が通じる」というのは・・・
・語彙力・文章読解能力が「英語が高得点、数学がかなり苦手」という生徒さんを上回る
・文章の意味をより的確に理解する
という意味です。
しかし、「数学が高得点、英語がかなり苦手」という生徒さんは、英単語など暗記を嫌います。
「理屈抜きで記憶しなくてはならないもの」というのは、受験のときにたくさんでてきます。
英単語、漢字、社会科の人名、理科に出てくる化学式などなど。
数学は、覚えなくてはならないことが、少ない教科です。
それが、彼らの感性と合っているのでしょう。
ただ、受験としては、「理屈抜きで記憶しなくてはならないもの」も覚えることが必要です。
そしてそれは、受験に限らず、社会に出れば、そのような場面が出てきます。
「数学が高得点、英語がかなり苦手」「英語が高得点、数学がかなり苦手」
彼らを足して2で割れば、理想的な生徒さんになるのですが...(嘆息)
中学生に国語の受験指導をしているとき、いつも感じることがあります。
それは、
「国語の文法問題のボリューム、もう少しあるといいのになあ」
ということです。
国語の文法問題というのは、
・動詞・名詞・形容詞の区別
・「彼は元気になった」の「に」 「彼は学校に行く」の「に」を区別する
といったアレです。
苦手にしている生徒さんが多いです。
国語の教科書を見ていると、かなりの部分を論説・随筆・小説など、長文が占めています。
これは当然のことです。
そして、文法の問題は「ほんの付け足し」です。
これはこれで、当然だと考えています。
しかし、「ほんの付け足し」ではあっても、もう少しボリュームを多くできないものかと感じています。
ここで「ボリュームを多く」というのは、教科書にしても、問題集にしても、練習問題の量をもう少し増やしてもらえないかということです。
定期試験ですと、そこそこ文法問題については設問があります。
この点、異論はありません。
しかし、模試や入試となると、出題されるのはせいぜい1~2問程度です。
ですから、文法問題がまるっきり分からず、仮にそれを捨てたとしても、トップクラスを別にすれば、大勢に影響はない感じです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回のコラムでは、入試や模試で文法問題が仮にできなくても、大勢に影響はないと述べました。
しかし、それは高校入学後にガッチリとツケが回ってきます。
そのツケと言うのは、高校で本格的に始まる古典の授業です。
「枕草子」や「徒然草」、「論語」のようなアレです。
高校に入学するなり、「四段活用」だの「ラ行変格活用」だのというのが突然目の前に現れます。
そこでは「ラ・リ・リ・ル・レ・レ」というような変な呪文を丸暗記するように言われるのです。
そんなことがあって、ほとんどの新高1生は、こうした古典の授業にアレルギーを持つようになります。
これは、ナンバースクールのようなトップクラスの新高1生でも同じです。
彼らの英語・数学の力は、さすがに他の高1生より抜きんでています。
しかし、こと古典の文法になると、なぜあんなにダメダメ・メタメタという生徒さんが多くなるのか...と毎年感じます。
実のところ、中学でもっとしっかり国語の文法問題をやっていれば、高校の古典の授業が始まっても、そこまでダメダメ・メタメタになりません。
逆に言うと、新高1生が古典の授業でつまずくのは、中学で国語の文法問題を疎かにしてしまっているからなのです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
中学校国語でより重視すべき項目は、
・動詞・名詞・形容詞...といった品詞の区別
・「彼は元気になった」の「に」
「彼は学校に行く」の「に」
→これらがどのように違うのかの識別
です。
品詞の区別は、英語を勉強するときにも有益です。
確かに英語と日本語では、文法は違います。
言葉が違えば当然です。
しかし、両方とも言語という点に変わりありません。
よって、品詞を区別するということは、英語でも共通しているものがあります。
こういう国語の文法問題を中学でも深く押さえておくと、高校で古典の文法をやるときに大いに役立ちます。
さらに古典は高校での国語・大学受験の国語の配点として、結構高いです。
古典の文法は見た目、かなり難解でゴチャゴチャしています。
そこが苦手の原因です。
ただ、わたしに言わせると、それは誤解です。
基本を押さえると、覚えなくてはいけないことがそこまで多いわけではありません。
「古典の文法がチンプンカンプン」というのは、要するに、しっかり基礎を押さえていない証拠です。
英単語を覚えるより、その労力は10分の1以下くらいで済みます。
そんなことがあって、中学校の国語文法を、もう少しボリュームを増やしていただきたいと考えるのです。
なかなか難しいでしょうが...
こないだ行われた公立高校入試については、各所でいろんな話が出ているようです。
理科が難しかった...
平均点は前年より下がるのではないか...
などなど。
どのような入試になったかは、いずれ公表されます。
その数字を待ちたいと思います。
さて、今回のコラムで申し上げたいのは、
「全県一律で入試が同じ問題というのも限界にきているのではないか」
ということです。
そして、
「英語・数学の入試は、(易しめ)(ちょい発展的)という2パターンにして、高校ごとに選択するようにしては?」
ということも併せて申し上げたいです。
そもそも、「県立高校」と一口に言っても、高校ごとに難易度の差は天と地ほどに違います。
当然、成績によって、進む高校も違います。
さらに、このところの少子化、私立高校無償化で、
「そもそも公立高校入試を受験しない」
という受験生がかなり増えています。
郡部に行けば、公立高校は軒並み定員割れです。
そのような状況は高校ごとの格差をさらに大きくしています。
となれば、「全県一律で入試問題が同じ」というのも、相当に無理が出てきます。
昨年の入試はかなり易しめでした。
そのため、難易度が低い高校の場合、易しめな入試は受験生間の差が出ます。
それは入試の目的に合っています。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
逆に、入試がかなり易しくなると、ナンバースクールのようなトップ校では受験生ごとに差がつきません。
そのため、昨年は選抜するのに大変難儀したとのことでした。
このようなことを考えると、「全県一律で入試が同じ問題」というのは、いいことがありません。
「あちらを立てれば、こちらが立たず」です。
そのようなわけで、取りあえず、英語・数学の入試は、(易しめ)(ちょい発展的)という2パターンを作成してみてはどうでしょうか?
そして、どちらを実施するかは、高校ごとに選択の裁量を与える...
このようにすれば、今より少しは現状に合った入試になります。
しかも、これには前例があるのです。
2012年までの入試では、英語・数学に「A問題・B問題」というのがありました。
「B問題」は、だいたい偏差値55以上くらいの高校で実施されていました。
それ以外の高校では、「A問題」です。
それら「A問題・B問題」は、全部が違っていたわけではありません。
大問6問中、4問が同じ、2問が(易しめ)か(ちょい発展的)の違いです。
国語・理科・社会は全県一律でした。
このような改善(実は復活)を、お上は検討してみる価値はあると思うんですが.....
どうでしょうか?
無理かなあ...
新規のお問い合わせがあったとき、当塾では体験指導を実施しています。
この体験指導では、中学生の場合、英語・数学のテストを実施しています。
生徒さんがどのくらいのレベルにあるのかを把握するためです。
この英語・数学のうち、特に数学を見ると、生徒さんの「悪い癖」がほんとうにたくさん見えてきます。
主要5教科のうち、「悪い癖」の最も出やすい教科は数学と言えます。
数学は、国語・英語などのほかの教科に比べて、次のような特徴があります。
・暗記すべき事項が極めて少ない
→裏を返すと、きちんと考えないと解けない
・計算問題で間違いやすい
→計算は最後の最後まで気が抜けない
国語に出てくる漢字の問題は、高校入試の段階で約2000字を覚えておく必要があります。
英単語も高校入試の段階で1000語以上です。
が、数学はさすがに公式を1000個覚えなくてはならない、などということはありません。
その分、「きちんと考えて答えを出す」ことで、暗記の必要でない部分を補わなくてはなりません。
ところが、「悪い癖」のついている生徒さんの場合、
・計算をグチャグチャに書いたりして間違えている
・書いて計算すればいいものを暗算して間違えている
・考えるときに図も何も書かずに問題とにらめっこして答えが書けない
というケースが目立ちます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
数学は国語の漢字の問題のように、
「知っていれば簡単に解ける」
という風にはなりません。
例えば、↓のような感じです。
◎「数学のケイサン問題を解く→カタカナを漢字に直せ」
●「分速60mで、a時間歩いたとき、何kmになるかをaで表せ」
この二つの問題では、「分速60mで~」という問題のほうが、頭を使わなくてはなりません。
図を書いたり、問題文のところにメモをするなどする必要も出てきます。
さらに、計算をするときも、最後の最後まで気が抜けません。
1か所でもミスをしてしまえば、パーです。
相当に優秀な生徒さんは、チャカチャカやっても大丈夫でしょう。
が、フツーの生徒はそう行きません。
やっつけ仕事のようにグチャグチャと計算したり、図を書かずに考えたりすれば、間違う可能性は高くなります。
同じ数学のテストでも、小学校の1~3年生の算数のテストでは、それほど複雑な計算は出てきません。
文章題といっても、単純なものが多いです。
そのときに、「算数のテストなんてこんな感じでやれば大丈夫」というようなことを学んでしまうのかもしれません。
しかし、学年が進むとそういうものばかりではなくなってきます。
こういう「悪い癖」は、なかなか直りません。
残念なことですが...
大学の合格実績がマスコミ発表されました。
以下の数字は「サンデー毎日」3月24日より引用しています。
示された数字は合格者数です。
<東大>
二高 17
二華 4
青陵、一高 3
石巻、東北学院 1
<京大>
二高 4
二華 3
一高、ウルスラ 2
三高、古川学園 1
<東北大医学部医学科>
二高 12
二華 2
一高、三高 1
<東北大>
二高 90
一高 62
三高 49
二華 24
ウルスラ 14
青陵 10
宮一 8
東北学院 6
石巻、古川黎明、南、宮城野 5
泉館山 4
古川、古川学園 3
泉 1
(次回に続きます)
(前回の続きです)
一高・二高・二華における東大合格者数は次の通りです。
今年(一高)3(二高)17(二華)4
昨年(一高)2(二高)7(二華)8
一昨年(一高)4(二高)11(二華)6
東大+京大+東北大医学部医学科の合格者数は次の通りです。
今年(一高)6(二高)33(二華)9
昨年(一高)9(二高)27(二華)16
一昨年(一高)7(二高)27(二華)15
東大+京大+東北大だと以下のようになります。
今年(一高)67(二高)111(二華)31
昨年(一高)82(二高)89(二華)40
一昨年(一高)72(二高)112(二華)45
また、一高・二高・二華および青陵・三高・宮一の東北大合格者の推移は以下の通りです。
数字は、(一昨年)→(昨年)→(今年)です。
(一高)67→75→62
(二高)94→76→90
(二華)36→29→24
(青陵)13→17→10
(三高)52→47→49
(宮一)10→15→8
(次回に続きます)
(前回の続きです)
東大・京大・東北大医医など、「最上位層」に関して、二高は東大合格者が目立った格好になっています。
昨年より東大合格者は10名増えています。
また、二高の東北大合格者は、「例年並み」の90人になっています。
昨年は76人ということで、例年に比べてガクッと減りました。
この件については、「仙台二高 東北大合格者 激減の背景」というYouTube動画にて説明しました。
ここでは、各方面から、
「オマエの言っていることは正しくない」
という意見をいただきました。
この結論は、現時点でわたしの中でほぼ出ています。
が、確定値が出るまで判断を示すのは控えます。
一高の東北大合格者数は、60台前半。
三高が「例年並み」の数字を出したため、一高との差を詰めています。
東北大合格者1ケタという高校は、だいたい例年と同じような数字です。
こちらの高校は、みやぎ模試偏差値にして50台後半の高校が並びます。
これを見ると、
「泉や宮城野のトップ層に、二高の下位層は勝てない」
ということになります。
ですから、ナンバースクールに入学しても、それはあくまで「高校入学時点での学力」ということになります。
また、速報値には出てこない高校(育英・向山)が気になります。
これは、後日、フォローアップします。
受験指導者として、2月の初旬から、今の時期にかけて、気になるのはどうしても受験生ということになります。
その結果、受験をしない在校生、小5・中1・中2生のことを心に留めておく割合は、相対的に低くなります。
ほんとうは、そうではいけないのでしょうが...
そして、受験をしない在校生、小5・中1・中2生も、緊張感が欠けてしまう場合が多いように感じます。
何しろ、中1・中2生は、2月半ばから、6月下旬ころまで定期試験がないのです。
その間、約4か月あります。
この時期には、
春休み...
進級に伴うクラス替え...
部活には新入生が入ってくる...
運動部の総体...
いろんな行事...
など、学校行事がそこそこ詰まっています。
その結果、どうしてもお勉強のほうは、手薄になりがちです。
当塾では、在校生に向けて、英語・数学の足腰固めを精力的に行っています。
これまでの勉強でカバーしきれなかった部分・単元に焦点を当てています。
塾生が行う課題も、このような目的のもとに行っています。
特にわたしが気にかけているのは、
「基本的な問題、難しくない問題をいかに確実に得点するか」
です。
ですから、授業のときにも、
「この問題は、満点を取ってください」
とハッキリ伝えます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
「満点を取ってください」とクギを刺して、問題を解いても、生徒さんにとって、満点を取るのはなかなか難しいようです。
どうしてもミスが出てくる場合が多いです。
ただ、わたしとしても、
「ハイ、そうですか」
と、簡単に認めるわけにはいきません。
「満点を取ってください」という問題は、それまでに幾度となく繰り返し演習しているからです。
これは、別の見方をすれば、それだけ「完璧に」というのは、至難の業だということなのです。
特にその中でも、数学の計算のハードルは高いです。
こういうミスは、演習を重ねると、人にもよりますが、少しずつ改善していきます。
そして、英語・数学の足腰がために必要なのは、
「問題演習の量をしっかり確保する」
ということに尽きます。
成績が上がらない最大の理由は、結局のところ、「演習量の不足」です。
特に平均が取れていないという中学生の場合、自分が考える以上に演習量が必要です。
さらに、この「問題演習」には、「答え合わせ」「なぜ・どこが間違ったのかの検証」も含まれます。
ここを疎かにしていると、実際のテストで思ったような結果がなかなか出ません。
「問題の解きっぱなし→分からない問題の放置」が最大の敵です。
もうすぐ春休みです。
生徒さんとしては、春休みが来るのを指折り数えて待っている...のかもしれません。
そういう春休み前の時期、公立の中1・中2生は、数学でこのような分野を履修していました。
・中1 データの分析
☆「相対度数」「階級値」「中央値」といった考え方を学ぶ。
・中2 データの比較
☆「第1四分位数」「箱ひげ図」といった考え方を学ぶ。
何だか面倒くさそうな単語がズラズラと並んでいます。
そして、ご父兄の中には、
「こんなの中学でやったっけ?」
という方もいらっしゃるはずです。
これは、そのように感じたご父兄は「正解」です。
「関数」だの「図形の証明」といった言葉は、ご父兄の世代でも記憶にあるはずです。
しかし、今の生徒さんが学ぶ数学は、以前と少し違ってきています。
そして、ご父兄が、
「第1四分位数」
「箱ひげ図」
「相対度数」
「階級値」
「中央値」
...何これ??
とお感じになったように、中1生、特に平均から下という生徒さんも「何これ???」と感じるようです。
そういう彼らは、春休みになって、桜の花が咲くころには、この単元でやったことを相当程度、忘れてしまいます。
あれほど、学校でも、塾でも、演習したというのに...
しかも、それほど難しい単元ではないのに...
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回のコラムで紹介した単元、すなわち
・中1 データの分析
☆「相対度数」「階級値」「中央値」といった考え方を学ぶ。
・中2 データの比較
☆「第1四分位数」「箱ひげ図」といった考え方を学ぶ。
これらは、決して難しいわけではありません。
計算の面でも、小学校の高学年でやる小数の計算ができれば、うろたえることはありません。
あえてこの単元の難しさを言うなら、「相対度数」「階級値」などの単語が意味するところを正確に記憶・理解しておかなくてはならない点でしょうか。
そして、この分野は、入試でも頻出箇所になっています。
というのも、中2で学ぶ「第1四分位数」「箱ひげ図」というようなものは、ちょっと前までですと、高校1年で勉強していたところです。
これが最近、中2で学習するようになっています。
さらに、加えて、この分野は、わたしのような受験指導者、あるいは、学校の数学の先生も、現役学生の頃は、ほとんど勉強したことのないところです。
入試としても、この分野は「差がつく手ごろな問題」です。
ところが、4月に進級すると、かなりの生徒さんが、「データ」の分野を勝手にリセットしてしまいます。
かくして、中3の入試が近づくと、手こずる受験生がかなり...
わたしもこの点、留意していますが、なかなかハードルが高いです。
わたしは学習指導のとき、割とよく、こんな風にすることがあります。
・数学の時間に、理科のことを質問したり、理科の解説をする。
・国語や社会の時間に、英語のことを扱う。
学校の場合、国語の先生は国語、数学の先生は数学、という風に担当がしっかり分けられています。
他科目のことを扱うのは、担当の先生方の「縄張り」を侵す可能性があるわけです。
わたしの場合、そういう遠慮は不要です。
そのため、科目間の仕切りは、割と自由にやっています。
さて、わたしがこういう「科目横断」という指導をしていて感じることがあります。
それは、
英文法と国語文法 リンクしながら教えられないものか
ということです。
英文法と言うのは、
「動名詞」「冠詞」「仮定法」...というアレです。
国語文法と言うのは、
「文節」「カ行変格活用」...というアレです。
英文法と国語文法は、もちろん、違うものです。
しかし、全く共通点がないかと言えば、そんなことはありません。
英文法は、英語のルール。
国語文法は、日本語のルール。
英語と日本語は、共通点があります。
こういう共通点を踏まえ、英文法と国語文法を比較しながら、指導をすると、生徒さんの理解が深まる場面があります。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
数学と理科は相関関係があります。
中学理科で出てくる計算問題は、小学校で扱う算数ができていないと対応できません。
高校の物理ともなると、「そのまんま数学」といった感じです。
これと同じような関係が、英文法と国語文法にもあります。
数学と物理の関係ほど密接ではありませんが。
例えば、
「名詞」「動詞」「形容詞」...
といった「品詞」という考え方がそうです。
中学校の授業では、この「品詞」という考え方はあまり指導されておりません。
そこまで手を回す時間がないように見受けます。
しかし、英文をきちんと理解するためには、「品詞」という考え方は必要不可欠です。
そして、国語文法でも「品詞」という考え方を扱います。
英文法の「品詞」と国語文法の「品詞」は、似ているところ、違うところがあります。
これらを比べながら教えたり、演習すると、生徒さんの理解度が高まります。
理解度が高くなるということは、それが試験の点数が上がっていく、成績が良くなるということです。
これが学校でできるようになればいいのに、と、いつも感じています。
英文法と国語文法 「夢の競演」でより分かりやすく...
これは、学校現場を見る限り、今のところ、「夢のまま」のようです。
「勝ちに不思議の勝ちあり
負けに不思議の負けなし」
このフレーズは、どこかで耳にした方が多いのではないでしょうか。
これは、その昔、楽天の監督を務めた野村克也さんの座右の銘としても知られていました。
このフレーズを受験に当てはめると、
「当たりに不思議の当たりあり
ハズレに不思議のハズレなし」
となるでしょうか。
今回のコラムで焦点を当てるのは、生徒さんの「正解=当たり」のことです。
通常、受験指導と言えば、生徒さんの「不正解=ハズレ」を見ます。
この「不正解=ハズレ」をいかに「正解=当たり」に持っていけるかが、受験の要です。
これが最優先であることは、言うまでもありません。
そのため、取りあえず「正解=当たり」のことは「二の次」となります。
ただ、「正解=当たり」のことを全く考えなくてよいかと言うと、そうでもありません。
特に、選択式の問題の「正解=当たり」は、注意を要します。
選択式問題は、
「次のA~Eのうち、正しいものを一つ選んで答えよ」
というものです。
ですから、「正解=当たり」が分からなくとも、それが神様の導きでまぐれ当たりすることがあります。
テストでそういうことがあると、生徒さん本人はうれしいものです。
が、入試本番でそういう幸運に巡り合う保証は全くありません。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
選択式問題と言った場合、大きく分けて2タイプあります。
<知識を問うもの><思考力が必要なもの>です。
以下、例を出します。
<知識を問うもの>
◎1603年に江戸幕府を開いたのは誰か。次のア~エの中から、正しいものを選べ。
ア 織田信長
イ 豊臣秀吉
ウ 徳川家康
エ 足利尊氏
<思考力が必要なもの>
◎このグラフにおいて、同じ物質と考えられるのはどれとどれか。次のア~エのなかから一つ選べ。
ア AとB
イ AとC
ウ BとC
エ BとD
<知識を問うもの>の場合、これは「正解を知っているか、知らないか」が問われています。
例に出したもののうち、仮に正解が「ウ 徳川家康」と分からなくとも、正解することがあります。
こちらの場合、選択式問題の中では比較的単純です。
一方、<思考力が必要なもの>の場合、<知識を問うもの>とは様子が違ってきます。
今回、<思考力が必要なもの>として出した例を見ると、なぜそれがそういう答えになったのかは、非常に大切です。
「正解=当たり」に至ったプロセスが、ほんとうに正しいのかどうか、本来はきちんと検証しておかなくてはなりません。
「まぐれ当たり」の場合は論外です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回のコラムで紹介した、選択式問題について、さらに深く述べます。
この選択式問題のうち、<思考力が必要なもの>というタイプに関して、なぜその答えになったのか、なぜそれが正解になったのかを生徒さんに尋ねることがあります。
すると、「間違ったプロセスで正解になった」という場合が、意外と多いのです。
平均より下という生徒さんはなおのこと、です。
そうした中で、
・何となく勘で選んだ...
というものだと、まだいいのです。
「こうなって、ああなって、だからこうなりました」
という説明が、まるっきり正解からズレているということも、よくあります。
ここで、生徒さんの説明の仕方が上手か、口下手かは問題となりません。
説明の仕方が上手でなくても、
「この生徒さん、きちんと分かってるな」
ということは、分かります。
逆に、いくら立て板に水のごとくスラスラと説明できても、最初から最後まで的を外したまんま、ということもあります。
「正解=当たり」にたどり着くプロセスが間違っていても、本人が「正しい」「分かってる」と思っていると、いろいろと厄介なことが多いです。
それゆえ、指導するほうとしては、「正解」=「分かってる」とは限らないことをしっかり認識しておきたいと考えています。
小学校での英語が「正式教科」になってから、しばらくたちました。
英語教室に通う小学生は増えている印象があります。
二華中・青陵中といった中学受験をしている生徒さんの中にも、中学受験のための塾に通いながら、英語教室も掛け持ちしている、というケースも相当多いです。
今回のコラムでは、「小学生向け英語教室」について述べます。
その際、焦点となるのは、「受験につなげるために」です。
まず、お伝えしたいのは、世の中にある「小学生向け英語教室」=「受験につながる」とは限りません。
もちろん、方向性が重なる部分はあります。
しかし、一致点ばかりとは限りません。
そもそも、目指しているものが違います。
小学生をお持ちのご父兄が、子供を「英語教室」に通わせたい理由・動機はどういったものでしょうか?
・子供が小さいうちから、英語に慣れ親しむようにしたい
・将来は、英語を使う職業に就いてほしい、海外に行っても困らないようになってほしい
・「受験」に役立つように
などなど。
ここでキーとなるのは、「受験に役立つように」という部分です。
「小学生向け英語教室」の先生方も、この「受験」という2文字に、何がしかの葛藤があるように見えます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
一口に「小学生向け英語教室」といってもいろいろあります。
・「読み・書き」中心 「聞く・話す」には力点を置かない
・「聞く・話す」中心 「読み・書き」には力点を置かない
・上に挙げたもののハイブリッドタイプ
小学生でも、低学年のうちは、遊びを取り入れた「聞く・話す」が中心のようです。
学年が上がるにつれ、「読み・書き」を取り入れるところが増えてきます。
教室によっては、「読み・書き」を主としたコース、「聞く・話す」を主としたコースの両方を持っているところがあります。
そして、「英語力がどのくらいなのか」を示すものとして、「英検に受かること」が幅広く使われています。
「受験」という位置からこの現状を見ると、「英検に受かること」を目標にするのは、長所・短所があります。
そして、中学での英語学習にリンクしやすい英語を学習してきた生徒さんと、そうでない英語学習をしてきた生徒さんでも、「受験」の面では違ってきます。
「受験にリンクしやすい」という点では、「読み・書き」に重きを置いた英語教育を受けてきた生徒さんのほうが、より優位に立てます。
これまでの学校教育における「受験」を考えると、それもうなずけます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
「聞く・話す」に力点を置く英語教育と、「読み・書き」に力点を置く英語教育...
「小学生向け英語教室」のホンネとしては、「聞く・話す」に力点を置きたいはずです。
というのも、「読み・書き」に力を入れるのであれば、それは「学校でやっている英語」とあまり変わらなくなってしまうからです。
ただ、子供のために大枚をはたくご父兄にしてみれば、英会話教室に子供が通いながら、学校の英語のテストがさっぱりダメ、となったら、それに耐えられるかどうか...
多くの方は、なかなかそれを認めるのは、難しいのではないでしょうか。
そのあたりのことも、「小学生向け英語教室」を主宰している方は、十分に理解しています。
また、「小学生向け英語教室」にずっと小さいころから通っていても、中学に上がってから、部活動が始まる関係で、教室を辞めてしまうということも「あるある」です。
いずれにしても、英会話教室で「読み・書き」を教わってきた生徒さんのほうが、「受験」にリンクしています。
そして、「読み・書き」に力点を置いた英語教育は、今後、生徒さんが英語で「聞く・話す」という状況になった場合の基礎になります。
「読み・書き」の英語は、決して無駄になりません。
今日は、こないだ行われた公立高校入試、そしてナンバースクールに合格した皆さんに向けて書きます。
今は、学校からの課題をこなしている真っ最中でしょうか。
また、入学式が済んでから、実力試験などのテストが控えています。
ですから、春休み期間とはいえ、お勉強からまるっきり遠ざかってしまっている生徒さんは少ないでしょう。
表題にも書いたとおり、ナンバースクールに合格した生徒さんは、たぶん今が高校生活の「幸せのピーク」です。
課題があるとはいえ、学校の授業があるわけではない...
親戚・身内から「おめでとう」と言われ、入学祝をもらうのは、そこそこいい気分...
朝は平日でもゆっくり寝ていられる...
要するに、穏やかな日々です。
ただ、学校が始まって、ゴールデンウイークが過ぎ、5月半ば以降くらいになると、
「高校受験は大変だったが、あの頃はまだ、幸せだったかも」
と、感じようになる生徒さんが、相当に多くなるようです。
それは、やはり学習面です。
公立の中学では、トップ層にいた生徒さんも、高校入学後にもトップ層でいられるとは限りません。
中学でトップ層だったのは、偏差値にして60未満のクラスメイトがいたからです。
偏差値にして60未満だった中学のクラスメイトは、もはや高校にはいません。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
多くの生徒さんは、通学時間が中学のころに比べると、余計にかかります。
それ以外にも高校に入学したての頃は、とにかく毎日、神経を使います。
そのため、休みの来るのが待ち遠しくなります。
ナンバースクールに入学した生徒さんは、そんな中でも、学習はしっかりやっておかなくてはなりません。
特に要注意なのが、数学です。
新高1が入学したての頃、数学がいかに大切かは、これまでも随分と発信してきました。
一例がこちらの動画です。
「中学では数学が得意でした」
このように思っていても、公立高校入試レベルと、ナンバースクールが求めるレベルとは、大きく違います。
ですから、高校入試が終わって、引き続き塾に通っている生徒さんは、数学・英語・ちょっぴり国語の予習にいそしんでいるはずです。
また学校によっては、春休みの学校課題に、数学の先取り予習も含まれています。
課題として取り組む数学の先取り予習は、必要最低限です。
ここをしっかりやっておかないと、6月半ばころに行われる一発目の定期試験で、確実に詰むことになります。
この定期試験を乗り越えるためにも、今のうち、力を蓄えておきたいところです。
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