二華高低倍率時代の悲劇 〜安易な低倍率高狙いに潜むリスク〜 その1 2017/07/01

先日、高3の生徒さんと話していて二華高の話題になりました。

その際、その生徒さんは、こんなことを教えてくれました。

 

〜自分の出身中学からは、二華高に進んだ人が2名いた。

〜そのうちの1人は、入学したものの授業についていけず、しばらく前に中退してしまった。

〜またもう1人も高校入学後、学業不振が続き、学校を休みがちになっている。

〜彼女は、朝、登校する時間が近づいてくると、頭痛がしたり、熱が出たりして体調に異変をきたし、引きこもっていることが多くなっている。

 

こういう話を聞くと、心が痛みます。

そもそも勉強の苦手な生徒さんであれば、勉強が分からなくとも、命まで取られるほどのことはない、ということは分かっているのですが、中学まで優秀な成績だった人は違います。

世間的に評価の高い学校では、高校に入った途端に学習内容が難しくなります。

高校の先生方の目はすべて3年後の大学入試です。

そして大抵の場合は、高校入学後、これまでより通学時間も長くなりますから、登校するだけでも一苦労です。

級友に「自分は授業が分からなくて、どうしたらいいのか分からない.....」という相談もしづらい環境にあります。

すべては初めての経験であり、どう対処したらいいか分からなくなるのです。

本人がそうなのですから、ご父兄の心情は察して余りあります。

次回に続きます)

二華高低倍率時代の悲劇 〜安易な低倍率高狙いに潜むリスク〜 その2 2017/07/02

前回の続きです)

ここ5年間で、二華高の後期選抜の倍率は、県教委の公式発表によれば、次のように推移しています。

 

平成25年 1.32

平成26年 1.53

平成27年 0.77

平成28年 1.01

平成29年 1.52

 

上記で話題に出た高3の生徒さんの同級生の方は、ちょうど平成27年度の入学、すなわち定員割れだった年です。

その翌年も定員割れギリギリで推移しました。

そして今年の春には、その反動が出たのか、一気に倍率が上がりました。

わたしが得ている情報では、この定員割れの年、みやぎ模試偏差値50台前半だった人でも、合格したということがあったようです。

その当時、二華の偏差値は60とされていました。

ということは、通常予想されていた合格ラインより50点近くも下がってしまったということです。

前回話題に出した2人の生徒さんが、どれほどのラインで合格できていたかは分かりません。

ここから推測できることは、二華高の高2・3年生で、授業についていけなくなってしまっている人が、例年に比べて多くなっているだろうということです。

もちろんギリギリで入学しても、そこから頑張る人もいるでしょうし、またトップクラスで入っても、その後に持ち崩す人もいるでしょう。

しかし、通常想定されている合格ラインより50点も下回る人が入学するとなってしまっては、そういう層の中から相当多くの人たちが、学校の想定する学力ラインからはじき出されてしまっているはずです。

次回に続きます)

二華高低倍率時代の悲劇 〜安易な低倍率高狙いに潜むリスク〜 その3 2017/07/03

前回の続きです)

二華といえば、高等女学校時代から連綿として続く名門校です。

最近では、併設している中学校から県内でもトップクラスの人たちが入学してきます。

中学から内部進学した人と、高校から入った人とでは、高校2年のときから同じクラスになります。

学校としても、当然のことながら、進学実績を維持・発展させなくてはならないはずです。

よって学校側がいくら成績不振者に配慮しようとしても、おのずと限界があります。

それゆえ、わたしは「安易な二華推し」をしないようにしてきました。

定員割れでも、何でも、ナンバースクールの一角である二華高に合格できれば、それは生徒さんにとっても、ご父兄にとってもうれしいでしょう。

しかしその「うれしさ」は、せいぜい4月の第2週目くらいまでです。

あとは厳しい現実が待っています。

わたしは受験関係者として、二華高のような名門校に合格者を出せれば、それは勲章になります。

そして、合格した際のご父兄や生徒さんの喜ぶ顔も見たいというのも偽らざる気持ちです。

しかし、受験関係者の仕事は「合格まで」です。

その後の責任は取ってくれません。

「二華高! 二華高!」と、鐘と太鼓で囃し立て、二華の低倍率に付け込むようなやり方は、わたしの性に合いません。

来年の二華高については、全く動向が読めません。

「二華高は名門です。安易に考えてはなりません」

わたしが言えるのはこれだけです。

東北学院榴ヶ岡高校の推薦入試についての考察 〜入れりゃイイってもんではないでしょ!〜 その1 2017/07/04

東北学院榴ヶ岡高校は、みやぎ模試偏差値が50で、「中間の中間」となっています。

東北学院本校と違って、男女共学であり、また制服がないなど、自由度が高い高校です。

榴ヶ岡高校は、東北学院大への切符が比較的容易に得られます。

また推薦入試の要件を見ても、お得感があります。

同校の公式サイトによれば、前回の推薦入試は以下のようになっています。

今回も大きくは変わらないと思われますので、掲載します。

 

(共通条件)

(1)榴ヶ岡高校を第一志望とし、合格後の入学を確約できる

(2)3年時の欠席日数が5日以内で、3年間の欠席日数の合計が15日以内

 

(推薦入試A)定員6名

2年と3年時の主要5教科(国・数・英・理・社)評定平均値が4.5以上

(推薦入試B)定員25名

2年と3年時の9教科評定平均値が3.8 以上

(特別推薦入試)定員35名

2年と3年時の9教科評定平均値が3.0 以上

 

※特別推薦入試は、以下の①、②のいずれかの条件を満たすことが必要。

①中学校の部活動(同等の外部団体も可)において3年間積極的に取り組み、入学後に同じ部活動を継続する者

②中学校の生徒会活動において生徒会長または副会長を経験し、本校入学後に生徒会活動を継続する者

 

ここで、(推薦入試A)と(推薦入試B)の違いは、Aに授業料の免除などの特典があるのに対し、Bにそういう特典がないということです。

次回に続きます)

東北学院榴ヶ岡高校の推薦入試についての考察 〜入れりゃイイってもんではないでしょ!〜 その2 2017/07/05

前回の続きです)

前回のコラムで紹介した「特別推薦」は、平均評定値3.0という条件を見ると、かなり緩い基準となっています。

「平均評定3.0以上っていうことは、3年間の通信票がオール3っていうことだから、『成績が真ん中くらいの人』っていうことなのね」

と誤解してはいけません。

ほんとうに「成績が真ん中くらいの人」は、平均評定値が3.6〜3.7くらいです。

これは「推薦入試B」の水準とほぼ重なります。

3.0というと、偏差値にして40前後、つまり、100人受験生がいるとすると、上から数えて80番目前後という成績になります。

以前までこの「特別推薦」は平均評定値が3.3以上でしたが、現在は3.0以上という具合に下がりました。

過日、高校入試懇談会の席上、榴ヶ岡高校の教頭先生と話をする機会がございましたので、なぜ基準を下げたのかということを尋ねてみました。

教頭先生のお答えとしては、一芸に秀でた生徒や、部活を一生懸命に頑張る生徒に入学のチャンスを与えたいということでした。

そして受験者の平均評定としては、変更後と変更前とで、大きく変動はしていない、ともおっしゃっていました。

この「特別推薦」においては、学校の公式発表によれば、今春、46名が志願し、全員が合格しています。

前年の志願者は、24名でしたので、志願者は確実に増えています。

次回に続きます)

東北学院榴ヶ岡高校の推薦入試についての考察 〜入れりゃイイってもんではないでしょ!〜 その3 2017/07/06

前回の続きです)

以上のような点を踏まえて、「特別推薦」に関するわたしなりの見解を書きますと次の通りです。

「確かに制度上は平均評定3.0でも大丈夫って学校は言っているし、事実、今年は落ちた人はいないようだけど、入れりゃイイってもんではないでしょ!」

仮に平均評定3.0の人が入学したとして、その後、授業についていけるのでしょうか???

榴ヶ岡高校の今春の国公立大学への進学実績は次のようになっています。

 

生徒数 278名 進学者 20名 割合 7.19%

(生徒数は、今年度の3年生の数字を用いました。前年は不明です)

 

ちなみに、難易度が榴ヶ岡高校と同程度の仙台高校、仙台東高校の国公立大学への進学実績は次のようになっています。

 

<仙台高校>

生徒数 280名 進学者 14名 割合 5.00%

 

<仙台東高校>

生徒数 280名 進学者 24名 割合 8.57%

 

仙台高校、仙台東高校は両校とも、みやぎ模試偏差値50程度であり、ほぼ榴ヶ岡高校と重なります。

榴ヶ岡高校は、育英高校や東北高校のように、コース別になっているわけではありません。

仮に3.0で入学しても、通常の成績で入ってきた人と同じ授業を受けることになります。

またわたしは榴ヶ岡高校の生徒さんの指導をした経験もあって、この高校がどのレベルの授業になっていて、どういう試験を課してくるのか、ということも知っています。

そのようなことを考えると、評定オール3の人が通うには危険すぎて、とてもお勧めはできません。

「やはり3.0でも榴ヶ岡高校へ行って、何とか学院大へ」という方は、上記のようなリスクがあることを知った上で、試験に臨んでください。

わたしは、「特別推薦」自体を悪いと言っているのではありません。

基準を額面通りに受け取って、「3.0でもOK! 楽勝!」と考えるのがお勧めできない、と言っているのです。

「特別推薦」でも、平均評定3.5くらいはほしいところです。

内申制度で個性や自主性は失われるのか? 〜まずは、すべきことをやれっていうことです〜 その1 2017/07/07

先般、ツイッターを見ていたら、中高一貫校の先生が、以下のようなツイートをなさっていました。

 

〜内申書の制度は生徒の学力と人間性を破壊するので廃止すべきだと思う。

この制度のせいで彼らは答えを写経したワークを提出し、全く意味のない綺麗なノート作りに精を出す。

個性や自主性や批判精神が失われ、ワタミが喜ぶような従順な奴隷に近づいていく。

入試は学力試験だけにすべき。〜

 

ネットを見ていると、こういう意見を述べる方は少なくありません。

どの方も「受験」に関しては、一家言ある方です。

「入試の公平性」という点においては、学力試験一発が最も公平です。

そしてこれが正論かそうでないかと問われれば、「紛れもないド正論」です。

しかし、わたしの考えの結論を述べると、「この考え方の正しさは50%」です。

ナンバースクールのような、ある一定以上のレベルの中学生であれば、これでも問題ないです。

しかしそれ以外の中学生には、大なり小なり、内申制度は必要だというのがわたしの考え方です。

もちろんこの制度には、こちらの先生がおっしゃるような問題点があることは確かです。

とはいうものの、これを全く廃止してしまった場合のデメリットと、制度があるゆえのメリットでは、メリットのほうがまさっていると考えます。

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内申制度で個性や自主性は失われるのか? 〜まずは、すべきことをやれっていうことです〜 その2 2017/07/08

前回の続きです)

わたしは家庭教師という形で受験にかかわり、いろんな生徒さんと接してきました。

どちらかと言えば、学習の苦手な生徒さんを多く担当してきたと思います。

しかも大人数を集団で見るのではなく、1対1で、かなり密度濃くつぶさに見てきました。

そこで得た教訓というのは、「写経したワーク」の提出や、「全く意味のない綺麗なノート作り」は、「意味のない」ように見えて、実はそれなりに意味があるということです。

だいたいにして、社会に出ると、「写経したワーク」や「全く意味のない綺麗なノート作り」以上に「こんなこと、やって意味があるんだろうか?」と思われる仕事が山ほどあります。

それに、中学生の中で、そもそも「写経したワーク」すら提出しない人がいます。

さらに教科書やワーク、プリント類すら「なくしました」「どこにあるか分かりません」と言って、平然としている人たちが少なからずいます。

アニメに出てくる「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」では、磯野カツオくん・ちびまる子ちゃんが、夏休み間近になって家族総動員で宿題を終えるという場面が出てきます。

これは「学校の課題というものは、とにもかくにもやらなくてはならないものだ」という前提があるからこそ成り立っています。

ところがその「大前提の常識」すら持ち合わせない人たちが一定数いるのです。

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内申制度で個性や自主性は失われるのか? 〜まずは、すべきことをやれっていうことです〜 その3 2017/07/09

前回の続きです)

それに、「全く意味のない殴り書きしかされていないようなノート作り」しかできない人たちより、「全く意味のない綺麗なノート作り」をする人のほうが、相対的に見て成績はいいのです。

これは、平均点の男女差を比べると、たいていは男子より女子がまさっている、という点で実証済みです。

女子は「全く意味のない綺麗なノート作り」をいとわずにやれる人が多いからです。

こういう現状を見ていると、内申制度があっても、現状はかくのごとしです。

これを廃止した場合、どんな「混乱」が待っているかは想像に難くありません。

公立中学校の場合、体罰もできなければ、生徒を退学させることもできません。

「内申制度が最後の砦」となっているのは、十分に理解できます。

また、この先生は、「内申制度は、個性や自主性や批判精神が失われ、ワタミが喜ぶような従順な奴隷に近づいていく」ともおっしゃっています。

たぶん他の学校の先生もわたしも同じ見方をすると思いますが、内申ごときで個性や自主性が失われるほど、生徒さんたちはヤワではありません。

内申制度がもっと機能していれば、わたしたちはこんなに苦労はしていません。

子供の個性というのは、だいたいが「悪い個性、社会規範から外れた個性」です。

これを正していくのが教育であるはずです。

そして「自主性」は、往々にして「野放図」「無秩序」を招きます。

次回に続きます)

内申制度で個性や自主性は失われるのか? 〜まずは、すべきことをやれっていうことです〜 その4 2017/07/10

前回の続きです)

早い話が、個性や自主性・批判精神を養うのは、「まずやるべきことをきっちり学んでから」です。

それができない生徒には、個性や自主性もあり得ません。

ただ、ある一定レベル以上の中学生の場合については、入試を学力試験一本にするということに同意できます。

というより、この層の生徒さんですと、内申書ではほとんど点差がつきません。

わたしが以前から繰り返し述べている通り、内申書というのは、「成績の低い人ほど得をする」というシステムになっています。

例えば、仙台一高と仙台二高では、入試ボーダーラインが、偏差値にして2、点数にして18点ほど差があります。

しかし、合格者の平均内申評定は、両校ともほぼ同じです。

1点刻みの点数評価ならば、0点から100点までの100段階に区別されますが、内申評定では1〜5の5段階評価です。

さらに不登校など特別な場合を除いて1はつかないとなれば、成績の低い人ほど恩恵を受けていることは明らかです。

もし、内申制度の弊害を言うとしたら、くだんの先生には、この点をおっしゃっていただきたかったです。

わたしも中学生のころは、「内申書は何て下らない制度なのだろう」と感じていました。

しかし、この仕事に就いて、いろいろと見方が変わってきました。

ほんの少しは成長したのかもしれません(笑)

子息に与えるべきは...安心?プレッシャー? 〜タイプ別に考える〜 その1 2017/07/11

イソップ寓話に「アリとキリギリス」という話があります。

アリ=勤勉、キリギリス=怠惰という例えです。

生徒さんも大別してこの2タイプに分けられます。

例えば、生徒さんに「あなたならA高校は大丈夫」と言ったとき、それを聞いて安心してさらに頑張るという生徒さんがいます。

一方で、それを聞いて安心し、「じゃあそんなに勉強しなくていいんだな」とサボる生徒さんもいます。

親から見た場合、子息がどちらに属するかはだいたい判別できるはずです。

その際、親として子息にどう対処してよいかというのは、悩むところです。

「安心してさらに頑張る」という生徒さんは、学習に対して熱心だし、誠実です。

限りなく温かい言葉をかけて、「わたしは頑張っているあなたとともにいる」という伴走者のような姿勢を示すとよいでしょう。

ただ、熱心ゆえに「この子はせっかく頑張ったのに、結果が出なかったら、子供のやる気が落ちてしまうのではないか」と心配する場合も出てきます。

一方、「安心してサボる」という生徒さんは、根が勤勉ではありません。

こういう場合は、そうそう甘い顔はできません。

それゆえに子息に対する言葉は厳しいものが多くなります。

とはいうものの、子息がそれを聞き入れて、頑張るようになるかというと、それも望み薄です。

また、子息がどちらのタイプであれ、子息を動かす言葉があります。

次回に続きます)

子息に与えるべきは...安心?プレッシャー? 〜タイプ別に考える〜 その2 2017/07/12

前回の続きです)

その言葉とは「あなたならやれる」「わたしは、あなたがやれると信じている」です。

「安心してさらに頑張る」というタイプの生徒さんは、その言葉にプレッシャーを感じながらも「自分は信頼されているんだ」と感じます。

そしてできる限り期待にこたえようとします。

心理学用語でいうピグマリオン効果です。

それは「安心してさサボる」という生徒さんにも当てはまります。

「〜しなさい」と言われると、余計にやりたくなくなるという心理は誰にでもあります。

ましてそういう生徒さんは、根が勤勉ではありません。

できればお勉強のような面倒なものとはかかわりたくないと考えています。

となれば、「〜しなさい」と言ったところで、事態が改善するとは思えません。

子息に向かって「勉強しなさい」というのを「あなたには勉強してほしい」という言い方にしただけで、彼らが見せる反応は違います。

これは、わたしがこのページで述べたyou(=あなたは)メッセージからI(=わたしは)メッセージへの転換です。

そういったところに、「わたしは、あなたがやれると信じている」と語り掛ければ、「『信じている』っていうけど、勝手に信じてれば?」とはなかなかなりません。

わたしも生徒さんにはしばしば上記のような言い方をします。

わたしのような受験関係者以上に、親からの言葉は相当に重みがあります。

それゆえ、折に触れて子息には「わたしは、あなたがやれると信じている」と語り掛けてほしいのです。

子息の何かが変わっていくはずです。

不登校生徒の高校入学について 〜高校はどう考えているか〜 その1 2017/07/13

先月23日、27日、28日の3日間にわたって行われました「高校入試懇談会」については、先般、弊コラムにおいて取り上げたとおりです。

その席上、わたしは各高校の先生に向けて、不登校生徒の入学に関して質問をしてみました。

その内容は次のようなものです。

「不登校生徒の入試に関して、入試成績は合格基準を上回っている場合、不登校であるという理由で不合格とされる場合はあるのか」

この質問に対し、学校からは異口同音に次のような答えが返ってきました。

「入試成績が合格基準を上回っている場合、不登校であるという理由で不合格とはしない」

公立高校については、そういう場合の対処について、県教委からの通達が来ています。

それによれば、不登校であるということで不利益な取り扱いをしないということです。

また私立高校についても同様です。

高校入学後にきちんと学習する意欲があるなら、過去は問わない、と明言する学校もありました。

そして「不登校の生徒も積極的に受け入れていきたい」とする学校もありました。

それを聞いて、わたしは率直に申し上げて、安堵しました。

高校のほうも、その点はよく考えてくれているのだと思いました。

そしてそれと同時に「入試成績が合格基準を上回っている場合、不登校であるという理由で不合格とはしない」という文言の意味をしっかりとらえなくてはならないと思い直しました。

次回に続きます)

不登校生徒の高校入学について 〜高校はどう考えているか〜 その2 2017/07/14

前回の続きです)

前回述べた「入試成績が合格基準を上回っている場合、不登校であるという理由で不合格とはしない」という点をもう一度よく考えてみることにします。

ここでいう「入試成績」とは、「入試本番+内申点」を指します。

まず合格するための「入試本番」の成績は、基準を上回る必要があります。

これは論を待ちません。

ここで問題となりうるのは「内申点」です。

不登校となった場合、どのような「不登校状態」になっているのか、一人一人みな事情は違います。

その際、内申点がどういうふうに付くのかが、焦点になってきます。

欠席が半分以上、定期考査を受けていない、課題の提出もしていないということになれば、評定1というのも致し方ありません。

公立高校に関して申し上げますと、宮城県の場合は「中1から中3までが審査対象」ということになります。

ですから入試本番の成績が合格基準に達していても、内申点が不足しているために、結果として合格基準に達しない、ということもあり得ます。

公立高校の場合は、県教委のほうから基準が明確に示されています。

また現場のほうでも、そうした基準にのっとった入学者選抜が行われています。

入試懇談会の席上、公立高校の先生の口ぶりから、「基準に沿った形で選抜が行われているんだな」ということがよく分かりました。

次回に続きます)

不登校生徒の高校入学について 〜高校はどう考えているか〜 その3 2017/07/15

前回の続きです)

その一方、私立高校の場合は内申点の取り扱いをどうしているのか、今一つ判然としません。

「不登校であるという理由だけで不合格にしない」という答えがすべての高校から返ってきましたが、内申点に関してはブラックボックスのままです。

そのような中で、極めてはっきりと「不登校だった生徒でも受け入れる」と語っているのが東北高校です。

今年度の東北高校の入学者案内には、「学習センターの取り組み」として次のようなことが書いてあります。

 

〜東北高校では、欠席が多いという理由で入学試験を不合格にすることはありません。

そのため中学時代に休みがちだった生徒も入学してきます。

中には、東北高校に入学できたことがよいきっかけになって、その後、学校を一日も休まないで卒業していく生徒も多くいます。〜

 

この点に関して、東北高校の先生に尋ねたところ、はっきりと

「うちは不登校だった生徒でも受け入れています。過去を問うことはありません」

とおっしゃっていました。

また城南高校においては、先生2名をカウンセラーとして不登校生徒の援助に当たっているそうです。

以上よりうかがえることは、各校とも不登校だった生徒を排除していないということです。

そして東北高校のように不登校だった生徒でも積極的に受け入れると宣言しているところもあります。

不登校だった人も、「高校に行きたい」と思ったら、積極的になってください。

ただ高校は「過去は問わない」と言っていても、高校でも不登校となってしまった場合は、留年・退学ということになってしまいます。

高校は義務教育ではありませんので、その点はご留意ください。

「動画で雨か嵐か」を配信します 2017/07/16

このたび新たな企画として、動画によるコラム「動画で雨か嵐か」を配信することにいたします。

今まで文字のみだった情報に加え、動画配信をすることで、よりご父兄の皆様に多くの情報を提供できるものと思っています。

今後、だいたい1週間に1本くらいのペースで動画を配信するようにしていきます。

動画の配信に関しては、4月末あたりから着想をしていました。

その後、どういうふうにすればより効果的か、というようなことをいろいろと模索し、ようやく今回のアップに至りました。

初回配信は、「繰り返すことの大切さ」という題で話をしています。

youtubeへは、3年7月前に指導風景をアップしていますが、動画の作り方はきれいさっぱりと忘れてしまっていました。

そんなわけで、「あれはどうだったけ? あそこはそうなのか.....」と試行錯誤の繰り返しでした。

今回の動画では「繰り返すことの大切さ」を語っていますが、そう語っている本人がいちばん「繰り返すことの大切さ」を実感するという、笑うに笑えないこととなってしまいました。

加えてyoutubeも進歩しています。

そのため、わたしが現在使用しているサイト管理のシステムとは微妙に合わない部分が出てきました。

それを何とかするのが結構大変でした。

動画はトップページからでも閲覧可能ですし、こちらからでも入れます。

参考にしていただければ幸いです。

「動画で雨か嵐か」 〜繰り返すことの大切さ〜 2017/07/16

動画がきちんと表示されない場合は↓から

https://youtu.be/Av64iK22UDE

将来への展望のない中高校生の皆さんへ 〜いつまで親のスネかじりを続けるのですか?〜 その1 2017/07/17

しばらく前、二華中を目指す生徒さんの国語の指導をしていると、そこにあるテキストに「親の〇〇をかじる」という慣用句の〇〇に当てはまる言葉を、いくつかの選択肢の中から選ばせる問題がありました。

答えは「スネをかじる」です。

ご父兄の皆様には釈迦に説法になりますが、この慣用句の意味するところは、「子供が親の収入に頼って、自立すべき年齢になっても自立しない」ことを指します。

小学生にこの慣用句を学ばせるのは、なかなか暗示的ではあります(笑)

この慣用句の意味を生徒さんに教えていて、思い出したことがありました。

それはわたしが家庭教師派遣会社で仕事をしていたときに担当した生徒さんのことです。

以下、その生徒さんをA君と記します。

A君は、成績が真ん中からちょい下くらいで、学習に熱心な生徒さんではありませんでした。

ここまではよくあることなのですが、A君は学習熱心でない他の生徒さんと比べると、決定的に違っている点がありました。

学習に熱心でない生徒さんの場合、自分でもそれをよく分かっています。

そして自分が勉強をやっていないことに対し、ある種の後ろめたさを持っているものです。

「何とかやらなくちゃいけないことは分かってるんだけどな〜 このまま何もしないと、将来困るのも分かってるんだけどな〜 でも億劫だ」という感じです。

しかしA君の場合は違いました。

そうした後ろめたさのようなものを全く持っていないのです。

次回に続きます)

将来への展望のない中高校生の皆さんへ 〜いつまで親のスネかじりを続けるのですか?〜 その2 2017/07/18

前回の続きです)

わたしから学習面での足りなさをいろいろと指摘されても、A君はまるっきり聞く耳を持とうとしませんでした。

反抗的なわけではないのですが、「やっていない自分」を省みたり、卑下したりすることなく、実に堂々としていました。

逆にわたし自身が「これだけ堂々としてるなんて、もしかして自分のほうが間違っている?」と、ときどき錯覚するほどでした(笑)

A君に一度、「その堂々さはどこから来ているのか」と尋ねたことがあります。

A君の回答は次のようなものでした。

 

〜自分が生まれたのは、自分の意志ではない。産むのを決めたのは親である。

〜だから親は自分を育てる義務がある。

 

これは筋が通っているように聞こえますが、いつまでも親が生きているわけではありません。

その点を指摘すると、そこまで深く考えているわけではないようでした。

他の生物に比べて、哺乳類は親が子供を保護する期間が長いです。

とはいうものの、その期間は永遠に続くわけではありません。

そんな彼の言うことを聞いていて、「落語に出てくる若旦那みたいだな」と感じました。

落語の若旦那というのは、大きな商店の道楽息子です。

「道楽が好き、親の稼いだおカネを好きなように使う、プライドだけはやたらと高い、反省なし」です。

親孝行で、商売熱心で.....というような人は出てきません。

そういう若旦那が親から勘当されるという場面もよく出てきます。

次回に続きます)

将来への展望のない中高校生の皆さんへ 〜いつまで親のスネかじりを続けるのですか?〜 その3 2017/07/19

前回の続きです)

前回述べた若旦那は、結局のところ、何をするにでも親がかりで、自分一人では満足なことが何一つできません。

親に財力があるなら、若旦那のようでもいいのでしょう。

が、大抵のご家庭には子供にできることも限りがあります。

そういうことを踏まえたうえで、将来の進路や方向性を全く決めてないという中高生の皆さんは、「自分のため」でなく、「親のため」におおよその方向性を示すべきです。

「将来どうしたらいいか分からないから、今はまず勉強をしっかり頑張る」というのならOKです。

要は何かしっかり頑張れるものがあればいいのです。

ここではあえて、「頑張れるものがないと将来あなたが困る」とは言いません。

あなたが困るのは、自分の人生ですから、自業自得です。

しかし「頑張れるものがないと将来あなたの親が困る」のです。

いい加減、子供がいい年になったのにノラクラされるのは、親にとってこの上ない迷惑です。

あなたにはあなたの人生があるように、親には親の人生があります。

「親は子供を育てる義務がある」のは、そのとおりかもしれません。

しかし物事には何事も限度というのがあります。

ちなみに今回話題にしたA君は、ある私立高校に進学しました。

A君のご父兄は公立高校への進学を希望していましたが、そこには点数が届きませんでした。

その後どうなったかは分かりません。

今、彼は20代の後半になっているはずですが、中学生のころから少しは成長したのか、それともそのままなのかはちょっと興味があります。

家庭教師の経歴詐称を考える 〜野党第一党の代表を他山の石として〜 その1 2017/07/20

先日、野党第一党の代表がご自身の国籍のことで釈明会見をしました。

会見の中心となったのは、「国籍詐称疑惑」に対する弁明です。

この会見により、当該代表が大臣であった時期、そして党の代表に就いた時期の国籍の状況が明らかになりました。

ここでは代表のご発言の内容については論評しません。

わたしがその際に感じたのは、「こういうことで説明が二転三転したり、理屈に合わない対応をしてしまうと、今まで積み上げてきたものが一挙に崩れてしまう」ということです。

わたしへ指導の依頼をしようとお考えのご父兄にとって、「菊池とはどんな人物なのか」というのは、当然気になるところです。

その際、学歴というのも重要なチェックポイントになるはずです。

わたしは久しい以前から、自らの学歴申告に虚偽がないことの証として、卒業証明書の写しをネット上で公開してきました。

これこれをご覧になっていただければ、わたしの意図するところは十分に伝わると思います。

家庭教師というのは、高学歴であればあるほど、いい指導をするのかというと、もちろんそんなことはありません。

その点は、ご父兄もよくお分かりのはずです。

しかし、そもそも受験指導を引き受けようという当事者自身が、自らの学歴を偽ってしまっては、お話になりません。

いくらいい指導をしても、その一点において、当該人物はすべてが否定されてしまいます。

ご父兄としても、自分の学歴さえきちんと語れない講師に、子息の受験指導を任せたいとは考えないでしょう。

当然の話です。

(次回に続きます)

家庭教師の経歴詐称を考える 〜野党第一党の代表を他山の石として〜 その2 2017/07/21

前回の続きです)

わたしもこの業界に身を置いて見聞きするところ、家庭教師の経歴詐称は「ものすごく稀なケース」というわけではありません。

ご父兄にしてみればたまったものではありませんが、悲しいことに事実は事実として認めなくてはなりません。

何しろ、こんなサイトがあるほどです。

このサイトの文章はよくできています。

また「家庭教師 詐称」というキーワードで検索すると、生々しい実態がいろいろと出てきます。

家庭教師派遣会社は、講師の派遣に当たって、さすがに出身大学の学生証や卒業証明書の写しを提出させるなどということはしています。

一方で、出身高校となると、ほとんどの場合、自己申告です。

実際、わたしも、派遣会社で仕事をしていたときは、「出身高校」を証明するものの提出を求められたことはありません。

これがどういうことなのかというと、仮に次のような希望がご父兄から来た場合、どうなるでしょうか?

 

...「自分の子供はA高志望なので、できればA高出身者の方を.....」

...「中学受験経験者を希望します」

 

こうした場合、ほんとうにA高出身なのか、中学受験経験者なのか、という点については、会社として「出身高校」の証明を求めないならば、講師となる人の自己申告によるほかはありません。

そうなると、何のために希望を出したのか、ご父兄としては、そういう肝心要の部分が不透明にされてしまう事態を招来していまいます。

次回に続きます)

家庭教師の経歴詐称を考える 〜野党第一党の代表を他山の石として〜 その3 2017/07/22

前回の続きです)

しかしもっと悪質なのは、派遣会社が講師の経歴を偽る場合です。

講師は会社に自分の経歴をきちんと報告しているのに、会社がご父兄と契約を交わすとき、講師の経歴を意図的に詐称するということがあります。

事実、しばらく前に、そういう場面に遭遇しました。

あるご家庭から指導依頼の問い合わせがありました。

「派遣会社が講師の経歴を詐称したので、その会社が信じられなくなった。ついては菊池の指導を検討したい」というケースです。

そのご父兄は、家庭教師の先生の指導には非常に満足しているが、詐称する会社を信じることができなくなったとおっしゃっていました。

結局、そのご家庭とは、契約をしないことになり、それ以上の詳しい事情は、分かりません。

もし講師側に非があったとしたら、何かしら講師に対しての不満が出るはずです。

しかし、そうしたことはなく、会社に対する不満が相当たまっていらっしゃったようでした。

こういうご父兄の口ぶりからすると、会社側が限りなくクロに近いことが推定されます。

どういう派遣会社かは伺いませんでしたが、会社ぐるみでそういうことをしているところは、残念ながら存在します。

それゆえ、「アソコかな?」という見当は何となく付きます。

以上のようなことは、学歴に関する情報を公開しているわたしには起きませんが、「信頼は一瞬にして崩れる」ことをよくかみしめて今後とも指導に当たります。

平成29年7月度 対抗バトル 入賞者発表! 2017/07/23

恒例となりました「対抗バトル」の結果は以下のようになりました。 

 

(定期試験の部)

仙台市宮城野区 中学3年 W.Sくん

☆前回比 34位アップ 改善率23.29ポイント

☆殿堂入り認定

 

(敢闘賞)

仙台市若林区 中学3年 M.Mさん

 

以上2名が「英雄認定」されました。

今回はいずれも中3生が受賞です。

例によって、副賞も授与します。

W.Sくんは対抗バトルの常連となりつつあります。

このところ、「いかにして自分の成績を伸ばしていくか」ということに熱心です。

出した課題以上の学習をこなすようになってきています。

過日の中間試験では、34位アップ、改善率23.29ポイントというすばらしい結果を残しました。

そこで今回は「殿堂入り」認定をし、その功績を大いにたたえます。

「殿堂入り」ということで、通常の副賞よりちょっぴりだけいいものを授与します(笑)

また敢闘賞は、同じ中3生のM.Mさんが受賞の運びとなりました。

M.Mさんは、毎日、非常にハードな学習を続けています。

過日実施された模擬試験でも「敢闘賞」の名にふさわしい実績を残すことができました。

そういう努力をたたえます。

まだ梅雨明けはしていませんが、暑い日が続いています。

この夏、どうぞ体調に気を付けて学習に励んでください。

フレー! フレー! W.Sくん!

フレー! フレー! M.Mさん!

引き続き応援していきます。

平成29年・2017年 仙台圏高校の文化祭日程 一覧表 2017/07/24

標題のとおり、文化祭の日程が各校のサイト上で発表されています。

うち、仙台圏の高校につき、菊池が一覧にしました。

こちらからダウンロードできます。

宮城県内の公立高校については、こちらから、県教委から公表されている一覧表をダウンロードできます。

また私立高校については、各校のサイトに発表されているものから転記し、サイトに記載のないところは、各校に個別に問い合わせ、確認しました。

表にある日程・時間は断りがなければ、一般公開の日程です。

時間未定の学校は、時間の部分を空白にしてあります。

オープンスクールと併せ、志望校の文化祭に赴くと何らかの刺激になるかと思います。

なお、泉、泉松陵、宮城野、聖ドミニコの4校は、すでに文化祭は終了していますのでご注意ください。

「動画で雨か嵐か」 〜結果が出やすい生徒さんとは〜 2017/07/24

動画がきちんと表示されない場合は↓から

 

https://youtu.be/7zBnba7qcRw

仙台・宮城の中学受験 〜附属中という選択〜 その1 2017/07/25

仙台・宮城の中学受験というと、ここ数年来、二華・青陵が「花形」になっています。

両校の難易度を考えると当然そうなるでしょう。

今回は、そういう「花形」のほかに、「宮城教育大学附属中学校(以下、附属中と記します)という選択肢もある」ということを申し上げることにいたします。

中学受験をお考えのご父兄のお話を伺うと、その動機は様々です。

ただ共通してうかがえるのは、「校区の中学校に満足できないものを感じている」という点です。

「満足できない」の理由・程度は様々です。

ここで、附属中という選択肢を考えるのに適しているご家庭は次のようなものです。

 

1.校区の中学校に子供を通わせるのは、ちょっと.....

2.二華・青陵というとハードルが高いかも..... 中高一貫でなくても、そこそこの高校に入れればいいんだけど.....

3.東北学院・宮城学院のような私立も考えにくいかなあ.....

 

ご存じの方も多いと思いますが、附属中は小学校も併設しています。

小学校から中学校へ行く内部進学生のほうが、中学校からの入学者よりはずっと多いです。

年にもよりますが、各方面からの話を総合すると、(内部生):(中入生)=4:1くらいの割合です。

附属中への中学受験は、伝統的に仙台に存在してきました。

しかし、内部生が多いことや、私立学校と異なって「附属高校」がないこともあり、それほど大きくは焦点が当ててこられなかったという印象を受けます。

次回に続きます)

仙台・宮城の中学受験 〜附属中という選択〜 その2 2017/07/26

前回の続きです)

附属中と校区の中学校とはどのような相違点があるかを述べてみることにします。

まず、似ているところとしては、授業の進度は校区の中学校と基本的に同じです。

進度が速いといったようなことはありません。

ただし、使用教科書が近隣の中学校とは違っています。

例えば3年前まで、理科の使用教科書は、啓林館でした。

他の近隣の中学校は長らく東京書籍です。

この啓林館の教科書は東京書籍とは単元の並びが違うものでした。

そのため、近隣の学習塾では定期試験が近づいてくると、「附属中シフト」を組んで対策をやっているところが多くありました。

現在では、東京書籍を採用し、他と同じになっています。

相違点としては、生徒さんの学力レベルが非常に高いです。

例えば、3年の実力試験で、500点満点で同じ問題を実施して、平均点が他の公立中学と比べて70〜80点近く違っていることも珍しくありませんでした。

これは圧倒的な差です。

だいたいの感覚として、みやぎ模試偏差値54前後(三桜や宮城野高校)あたりが附属中の「平均値」です。

そしてそれよりかなり低めの層の人が一定数います。

また通常ですと中学校で配布される副教材用のワークは、他所では全科目配られるのに対し、附属中では全科目が配られるわけではありません。

定期試験対策として副教材ワークは非常に大切です。

附属中の場合、副教材ワークがない科目は自らが手当てしなくてはなりません。

次回に続きます)

仙台・宮城の中学受験 〜附属中という選択〜 その3 2017/07/27

前回の続きです)

附属中と二華・青陵との違いはどういうところにあるのでしょうか。

最大の相違点は、高校入試の有無です。

二華・青陵が中高一貫、つまり中学入学のころからストレートに大学入試を目途としてカリキュラムが組まれています。

一方、附属中は他の公立高校と同様、高校入試を受けることになります。

二華・青陵は、特に英語・数学の進度が早いですが、先に述べたとおり、附属中の進度は他の公立中学校と同様です。

附属中の入試は、二華・青陵と比べると、高いハードルではありません。

小学生の平均的な学力があれば十分に合格できます。

内部生もこれまで入試は行われてきました。

ただ、入試の実情や「内部生の合否事情」について、各方面から話を聞くと、ほとんど不合格者が出ていないという「現実」がありました。

先ほど、附属中生は優秀な人が多いということを述べましたが、全員がそうではありません。

かなり勉強の苦手な人も「合格者」になっていました。

一応、昨年からは方針転換が行われたという学校側の説明がありましたが、それでも「小学生の平均的な学力があれば十分に合格できる」という点においては変わりありません。

今年の入試は12月19日に行われます。

詳細はこちらを参照してください。

中3生の夏休みの宿題へどう対処するか 〜グズグズ文句を言わずにやれ!!!〜 その1 2017/07/28

夏休みが始まって、数日たちました。

部活・講習・遊びの予定など、いろんな予定が目白押しの中学生も多いことでしょう。

夏休みというと、切っても切れないのが「学校からの宿題」です。

だいたい、中3生の場合は、中1・中2のころと比べて、宿題が少なくなる傾向にあります。

これは受験勉強に忙しいだろうから、そちらで手当てをしてくださいという学校の考え方の現れです。

仙台中心部の中学校は弁論文など、作文系の課題がさらっと出るだけというところもあります。

そして中心から外れるにつれ、課題が多くなる傾向にあります。

しかしながら、こちらに記したように、五橋中3年生の社会の課題で、「教科書の巻末にある日本国憲法の前文から103条まで、条文を2回書写し、提出せよ」という溜め息の出るような課題が出たことがあります。

また中3生に自由研究を課したりする中心部の中学校もあったりして、学校により対応はいろいろです。

これらの課題は、内申書のこともあるので、いくらウンザリするようなものであっても、やらずに過ごすわけにはいきません。

中3生の課題については、受験勉強との兼ね合いがあって、いろいろな考え方があるでしょう。

わたしの基本的な考え方としては、「受験勉強にうまく学校の宿題を組み入れる」というものです。

率直に言うと、「あの程度の宿題はグズグズ文句を言わずにやれ!!!」という一言に尽きます。

次回に続きます)

中3生の夏休みの宿題へどう対処するか 〜グズグズ文句を言わずにやれ!!!〜 その2 2017/07/29

前回の続きです)

大変なのは、弁論文や読書感想文のような作文系です。

そういう作文系の課題については、ネットで検索すれば、書き方のようなものはいくらでも出てきます。

また模範例文や本のあらすじもあったりします。

それらを参考にすれば、後は「早く片付けようとする意志があるかないか」という気持ちの問題です。

それ以外の課題、つまり主要5教科にかかわるものは、大騒ぎをするほどでもありません。

「たかがあれしきの量」でアゴを出しているようでは、「ホントに高校に行く気があるの?」とツッコミを受けても仕方がありません。

確かに学校の課題というのは、ムダが多いです。

それも当然で、公立中学校のようなところであれば、在籍する人の習熟度はピンキリです。

それを一律にやろうとすれば、当然いろんなミスマッチが起きてきます。

わたしとしては、中学校の先生方に、課題を出すのであれば、基礎的な問題だけを必修にしてほしいと感じています。

そして少し応用的なところは取り組みたい人が取り組んで、より取り組んだ人に加点するとか、そういうシステムになればいいと考えています。

しかし、現在の課題はそうなっていません。

不満はありますが、いくら文句を言ったところで課題が減るわけではありません。

であれば、「学校の課題をいかに上手に自分の勉強に組み入れていくか」を考えたほうが賢明です。

次回に続きます)

中3生の夏休みの宿題へどう対処するか 〜グズグズ文句を言わずにやれ!!!〜 その3 2017/07/30

前回の続きです)

だいたい中学校の課題は、成績でいうと、中の上から平均ちょい下くらいの人たちを想定しています。

となれば、それより成績のいい人と下回る人にとって、ミスマッチとなってしまうのも無理からぬことです。

「下回る人」は、自分のできるところだけをまず確実にやりましょう。

できないところは答えを写すなりして、何とか体裁を整えて提出してください。

出さないのは絶対にダメです!

そのほかの人は、ペースメーカーとしてしっかりこなしましょう。

繰り返しますが、わたしに言わせると、5教科関連の宿題は、作文系を除けば、「たかがあれしきの量」です。

あの程度の量で「自分の勉強のペースが乱される」などということはあり得ません。

「ペースが乱れる」という人がほんとうにいるとすれば、東京の難関国私立高校を受験する人とか、そういうかなり限られた人たちです。

そういう人は「ペースを乱すな!」という資格があります。

しかしそれ以外の人は、夏期講習や、講習の課題などに費やす時間を差し引いても、なおお釣りがくるはずです。

受験生なのですから、日がな一日を学習に費やしてください。

だいたい、今の中学生くらいの年齢の人が開発途上国に生まれていれば、朝から晩まで食うために働いています。

わが国では教育を受けるという制度にあるわけですから、学校の授業がない夏休みは、それこそ朝から晩まで勉強してください。

この夏、しっかりと学習すれば、必ず効果は表れます。

来春にはニッコリ笑えるようにコツコツと取り組みましょう。

しっかりやろうぜ、受験生!

「動画で雨か嵐か」 〜仙台一高・二高へ進学を希望する皆さんへ〜 2017/07/31

動画がきちんと表示されない場合は↓から

 

https://youtu.be/LRXo3PRNjDM

月末のつぶやき 〜受験生、特に中3生へ向けて〜 2017/07/31

今日で7月も終わりです。

夏休みが始まってから、何だかあっという間という感じです。

たぶん、生徒さんにとってもそうなのではないでしょうか?

夏休みは、受験生にとって「書き入れ時」ということになっています。

誰が考えたのかは分かりませんが、「夏を征する者が受験を征する」などという、実によくできたキャッチコピーもあります。

このコピーは、わたしの目から見ても、「ああ、その通りだろうな」と思います。

そもそもこれは、宣伝用に作ったものなのでしょうが、宣伝すべてが事実と違うかというとそんなことはありません。

ただ、わたしの見るところ、夏あたりからシャカリキになってやっているというのは、「かなり意識の高い人たち」です。

これまでの経験から申すと、中3生でも、多く見積もって、4人に1人くらいです。

それ以外のその他大勢、つまり4人中3人は、これまでのペースと変わらずです。

1月の私立高校の試験が始まると、ようやく動き出すという人たちも相当数います。

まあ、その時期になって、なおテコでも動かない人がいるので、動かないよりはいいですが.....

しかし、そういう人はだいたい「時間切れ」になってしまいます。

一方で、直前になって伸びる人もいます。

こういう人は、何らかの形で、夏に「基礎工事」は済ませている人です。

何もないまっさらな状態で、直前期に伸びるほど、受験は甘くないのです。

もちろん、どのような道を選択するかは、個々人の判断です。

「自分は勉強のほうで勝負しない」というのであれば、それにふさわしい道を見つけてください。

しかし、一つだけ言えるのは、

「夏休みにシャカリキになって取り組んでいればよかった」

と後悔する人は多数知っていますが、

「自分はなんであんなに勉強なんかしちゃったんだろう。勉強、しなければよかった」

と後悔している人を知らないということです。

受験生の皆さんは、体を壊さないで、日々の学習に取り組んでくださいね。

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