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世間は5月に入りました。
ゴールデンウイーク期間中の平日ということではありますが、何となく、休みが続いている風でもあります。
今回のコラムは、わたしが高1生の5月、どんなことを感じたり、考えたりしていたのか、記憶していることを、思いに任せて書いてみます。
わたしはプロフィールにもあるように、高校は二高で過ごしました。
昭和真っただ中の男子校だった時代です。
今、宮城県に男子校は存在しません。
が、当時は、公立でも昔からある高校は、男子校・女子校がハッキリ分かれていました。
私立高校は、全部が男女別学です。
わたしが住んでいた多賀城付近でも、塩釜高校は、塩釜高校(男子校)と塩釜女子高になっていました。
多賀城高は、塩釜高校・塩釜女子高よりもずっと後にできたので、最初から共学でした。
二高の近くには、尚絅(女子校)・ドミニコ(女子校)・一女(女子校)がありました。
「一女」とは、今の宮城一高です。
そして、仙台商業もありました。
地下鉄の国際センター駅の北にある駐車場が、仙台商業の跡地です。
当時は男子校です。
仙台商業を卒業したサンドウィッチマンさんたちは、泉のほうでなく、川内のほうに通っていたはずです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
4月に高校へ入学してから、まわりは男のみになりました。
それまでは、クラスに半分くらい女子いました。
しかし、高校になった途端、周囲は男子だらけなのです。
無論、入学前からそれは分かっていたことです。
「クラスに男しかいないって、どういうところ?」
と、そのころは、思っていました。
高校入学当初は、「男子のみ」に少し違和感がありました。
が、しばらくすると、
「こういうの、女子に面倒な気を遣うこともないし、意外と気楽かも」
と、思えるようになりました。
それから、二高名物の「新入生応援練習」は、それなりに楽しかったです。
ただ、一番きつかったのは、朝7時50分の開始に間に合うように登校しなくてはならなかったことです。
わたしは当時、多賀城から通学していました。
東北本線の列車の運行時間の関係で、学校には8時ころか、7時ころに着くものしかなかったのです。
8時では、練習に間に合いません。
7時ころには学校に着いてしまいます。
そのころは、毎朝5時半ころに起きていました。
それがとてもキツいと感じていました。
クラスメイトの中には、
「自転車で7時半に家を出れば、余裕で間に合う」
などという連中がいて、彼らがとてもうらやましかったです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
そんなわけで、早起きしなくてはならない応援練習は、一高との野球定期戦まで続きました。
定期戦は、当時、先に2勝したほうが「優勝」でした。
しかし天候の関係で、試合が中止になることがあります。
対戦成績に「引き分け」のあるのは、そのためです。
今は、「5月第2土曜」の一発勝負です。
応援練習は、この「5月第2土曜」まで続きました。
そして、この定期戦の前に、「PR行進」とよばれる行事があります。
インターネットなどのない時代、
「両校の定期戦があるよ!」
というのを、仙台市民に知らしめるという意味で、応援歌を歌いながら、一番町商店街などを練り歩く、というものです。
そのとき、一高と「ご対面」となるのです。
わたしは、彼ら一高の姿を見て、驚きました。
実にだらしないのです(笑)
こちら二高サイドは、全員が学生服を着て、きっちり頭に鉢巻きを締めて、応援練習をした通りに行進します。
一方、一高のほうは、例の「赤ジャス」を着ているのがいたり、学生服を着ていたり、ほかの普段着のような恰好をしていたりと、実にバラバラ。
そして、下駄の音を響かせながら、ダラダラと歩くのです。
学校のカラーが違うのに、驚きました。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
応援のときも、
「こいつら、あんまり練習してないな」
というのが、わたしの目から見て分かるほど、合っていないのです。
ただ、彼らの歌う応援歌は、実に迫力がありました。
「山も怒れば~」で始まる「応援歌一番」は、二高の「第一応援歌」である「雨か嵐か」より、耳に残って勇ましいのです。
そして、彼らの校歌のメロディーの美しさと、彼らの「蛮カラスタイル」との落差にも、圧倒されました。
...見た目がバラバラで、応援も何となく合ってなさそうだけれど、一高の人たちって、すごいんだな~
これが、わたしの「PR行進」のときの感想でした。
そして、一高との定期戦...
わたしが一番記憶に残っているのは、確か一高側のスダンドだったと記憶していますが、一高・二高の応援団同士が殴り合いを始めたことです。
昭和真っただ中、そして男子校ということで、応援団は気が荒かったのでしょうね。
世間からは、一高・二高生というと、暴力事件のようなものとは、縁遠い印象があるかもしれません。
しかし、当時、応援団はどこも血気盛んだったのでしょう。
そこへ行くと、今の定期戦は実に牧歌的です。
共学になり、応援団員に女性がいるとなれば、ケンカもできません。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
定期戦が5月半ばころに終わると、新入生の応援練習はなくなります。
そして、私服登校が許されます。
二高の場合、入学してから定期戦までは、中学のときの制服で過ごすのが「暗黙のルール」でした。
学校のルールとして、制服はありません。
しかし、当時の応援団が、中学時の制服を着ない新入生を許す雰囲気は全くありませんでした。
彼らは怖い人たちでした。
当時は、クラスごとに応援団の担当がいました。
うちのクラスの担当は、エナメルを履いて、頭をポマードでがっちり固めた「昭和の暴走族」そのものといったイデタチでした。
わたしたちは、この担当の先輩を、
「あの人って、二高じゃなくて、実は仙商の人なんじゃないの?」
なんて、陰で言い合っていたものです(笑)
定期戦が終わると、応援練習がなくなり、中学の制服登校もなくなり、晴れて「二高生」になります。
早起きしなくてもよくなりました。
これがとても嬉しかったです。
今の二高では、去年あたりから、「定期戦まで中学の制服を着る」という「暗黙のルール」がなくなったようです。
これも時代の流れでしょうか。
あれから長い年月が流れました。
今回のコラムは、漫然と考えの赴くままに綴ってみました。
さて、そろそろ定期戦の季節です。
ちょっと前、「サザエさん」を見ていたら、次のような場面が出てきました。
父親である波平さんが九州に出張している最中、カツオ君が勉強をして、「いい成績」を取ったというのです。
その「いい成績」が66点。
家族みんなが、カツオ君の「好成績」を褒めたたえる...
こういう場面でした。
いつもカツオ君は、40点台のような成績を取っています。
というわけで、66点は、「いい成績」となるのでしょう。
アニメの設定にあれこれ言うのも、野暮ではあります。
カツオ君が成績優秀なら、「サザエさん」の話は成立しないでしょうから。
ただ、これを受験指導という立場から見ると、どうなるのか、真面目に分析してみます。
まず、カツオ君の受けているテストは、小学校で単元が終わった後に実施される「単元テスト」であろうと思われます。
受験業界では、これを「カラーテスト」と呼んでいます。
中学以降となると、試験問題はカラーとなることはありません。
小学校の「カラーテスト」
中学の定期テスト
確かにいつもは散々な成績を取ってくるカツオ君が、66点を取ってきたとなれば、親としては大喜びです。
気持ちは分かります。
しかし、カラーテストで66点を取ってきて、家族みんなで大喜びをしているというのは、相当にまずいのです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
「100点満点で66点」というのは、点数だけを聞くと、「相当にまずい」成績には感じられません。
しかし、「相当にまずい」理由は、カラーテストの平均点にあります。
当コラムをお読みのご父兄は、小学校のカラーテストが、どのくらいのレベルにあるか、お分かりでしょうか。
いろいろな関係者の話を総合すると、
「平均点は80点程度」
あたりです。
もちろん、この点は、学年・教科でも点は変動します。
ということは、カツオ君の「66点という好成績」は、世間並みから言えば、好成績でも何でもありません。
普段のカツオ君の点数は、受験関係者からすれば、学習障害を疑うレベルです。
カツオ君の話は、どこまで行っても、創作です。
ただ、世間一般には、
「うちの小学生の子供、いい成績ではないけれど、60点~70点くらいは取ってくるから、特に問題はない」
とお考えになっているご父兄がたくさんいらっしゃいます。
とはいえ、こんな風に講釈を垂れているわたしも、受験関係者でなければ、世間一般のご父兄と同じように考えていたことでしょう。
「66点なら、大きな問題はない」
と感じるのは、至って常識的です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
小学校のカラーテストと、中学で行われる定期試験は、次のように違います。
上に示した表を見ると、小学校と中学とでは、テストというものがこれだけ違っています。
小学生であるカツオ君の66点は、決して良い点とは言えません。
中学の定期試験で「66点」だったら、ようやく「世間並み」です。
小学校のカラーテストで一番問題なのは、
「ほかの生徒がどのくらいの点数を取っているのかが分からない」
「自分がどのくらいの成績層にいるのかが分からない」
ということです。
もちろん、小学校には小学校のやり方はあるでしょう。
ただ、小5・小6くらいになったら、
「自分がどのくらいの成績層にいるのか、知っておく」
のは、生徒・ご父兄、そして小学校の先生方にもメリットは大きいと考えています。
小学校は生徒が小学校にいるときのことだけを考えていれば済みます。
しかし、生徒は卒業し、中学に進みます。
そのときに、カラーテストしか経験がなければ、
「小学校で取りこぼしたところがどこかよく分からない」
ままに、中学に行くことになります。
そして、中学になって初めて、生徒さん本人も、ご父兄もビックリするような低い点を取ってきて、慌てふためくケースが後を絶ちません。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
以下は、わたしが小6だったと記憶しています。
中学の定期試験のように、カラーテストのクラス順位表が出ました。
その際、一定期間のうちに実施したカラーテスト10回分くらいの点数が、クラスの上位20位まで、名前と合計点とともに公表されました。
中学の定期試験は、1~2日くらいで実施する点が、「カラーテスト順位表」と違います。
点数のことは詳しく記憶していません。
が、順位はきれいに分かれているものなんだなあと感じた記憶があります。
そして、そのうち、上位5位までにいた人たちは、その後、高校受験でも、そのときの順位通りの高校へ進みました。
今、小学校の現場では、こうしたことはなかなかできにくいでしょう。
いろんな制約がありますから。
中学に行けば、定期試験があります。
担任の先生としては、「中学の予行演習」をやっておきたかったのかもしれません。
わたしは、小学校のときに、そういう経験をしていたので、中学の定期試験のシステムには、あまり違和感を感じませんでした。
小学校のときにこのようなことを体験できて、先生に感謝しています。
小学校のカラーテストの欠点を、より多くのご父兄が認識できていたらいいなあと思います。
「部活と勉強のバランス」ということについては、当コラムでもこれまでたびたび取り上げてきました。
そのことで、過日来、Twitterにて↓のようなツイートが話題を呼んでいます。
この原稿を書いている時点で、リツイート・引用リツイートは2万に迫ろうとしています。
「いいね!」は2万を超えています。
このツイートを見て、わたしは↓のようなツイートをしました。
この原稿を書いている時点で、リツイート・引用リツイートは100を超えています。
「いいね!」は2,600超です。
わたしのツイートの通常値からすると、かなり反響があったほうです。
今回、わたしがこの一連のツイートに関して述べようと考えたのは、
「部活と勉強のバランス」
というものが、どうあるべきかを考えるうえで、良い機会と考えたからです。
まず、元のツイート主が、バスケット部の顧問の案内文を「きもくて不快」としたのは、分からないでもないということです。
「楽しい部活にしましょう!」
「来るならどういう生徒もOK!」
という風にすれば、万人受けはします。
わたし自身が生徒なら、この部活を選ばないだろうと思います。
しかし、わたしは元のツイート主が言うように、バスケット部の顧問の手による案内文を「きもくて不快」とは感じませんでした。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
わたしは、このツイートがアップされているのを見たとき、
「とにかく部活、しっかりやれ!」
というのが書いてあるのだとばかり思ったのです。
俗にいう「部活大好き先生」の手によるものかと...
文面を見ると、確かにキツメというか、厳しめのことが書いてはあります。
しかし、いわゆる「部活大好き先生」と違うのは、次のように仰っている点です。
「部活動だけを目的に学校に来ることはあり得ません。
学生の本分は学業です」
この点は、非常に大切なことです。
部活のことだけを考えている先生なら、こんな書き方はしません。
そして、このほかにも
・無断では休まない
・周りのことを考えない言動・行動は厳しく指導する
・日常生活を疎かにする行為は厳しく指導する
ということが書いてあります。
生徒のほうから見ると、
「何だか厳しそうな先生だから、入るの、遠慮しておこうか」
と思わないわけではありません。
そして、そう感じたら、入らなければいいだけの話です。
わたしの目から見て、この先生は、非常に好感を持ちました。
「部活動は、学校教育の一環」
「学生の本分は勉強」
「きもくて不快」とは、感じられませんでした。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
わたしが当コラムで何度か取り上げてきたテーマに「部活大好き先生」があります。
この「部活大好き先生」とは、例えば、
「バスケットがやりたくて、中学の先生になった」
というような方です。
まあ、それだけであれば、「個人の趣味」というだけで済ますことができます。
しかし、「部活大好き先生」の困った点は、例を挙げると、次のようなものです。
・自分の担当する授業研究より部活の指導を優先する
・勝利至上主義
・「ブラック部活」の原因になりやすい
特に、ご自身の担当する授業研究より、部活の指導を優先するというのは、本末転倒です。
それゆえ、「部活大好き先生」は、受験関係者と相性が悪いのです(苦笑)
しかし、今回、とある父兄が「きもくて不快」としてやり玉に挙げた先生は、「部活大好き先生」と対極にあります。
「部活動だけを目的に学校に来ることはあり得ません。
学生の本分は学業です」
と、この先生は仰っているからです。
「バスケット部に入ったからには、バスケットを最優先させること」
「部活を休むことは、原則認めません」
このようにあれば、わたしも「きもくて不快」になったと思います。
しかし、この先生は、そんなことは仰っていません。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
思うに、このたびTwitterに「きもくて不快」として、例の文書をやり玉に挙げた父兄は、中身をきちんと読んでいないのではないでしょうか?
確かに、例の文書には、冒頭のほうに、締め付けらしきことが書いてあります。
「入部したということはやる気に満ちあふれているとみなし...」
「部活動をすることは当然がんばりたいから、やる気がある等の強い決心や思いから入部したものと見なします」
というのが、それです。
「きもくて不快」とした父兄は、ここを読んで、「きもくて不快」さを高じさせてしまったのかもしれません。
後は、何を読んでも、この文章の印象を引きずってしまったとか...
しかし、生徒を支配したいだけの「部活大好き先生」なら、
「部活動だけを目的に学校に来ることはあり得ません。
学生の本分は学業です」
などとは、決して書きません。
わたしがこの先生の文書に共感できるとしたのは、そういう理由からです。
親の立場からして、
「学生の本分は学業です」
というのは、非の打ち所がない正論です。
ここまでハッキリと仰る先生は、決して多いわけではありません。
そして、わたしのように感じた方々も、少なからずいたようです。
ちょっとホッとしています。
去る11日、表題にある通り、仙台一高・二高の野球定期戦に行ってきました。
これらは、YouTube動画に収めてあります。
以下、リンクです。
仙台一高 仙台二高 野球定期戦2024 ちょっぴりだけ二高の応援風景
一高アピール行進
二高 PR行進
これら2枚の写真は、定期戦に先駆け、市民に定期戦を告知するという目的で、両校の生徒が一番町商店街を練り歩くイベントです。
一高では、これを「アピール行進」と呼びます。
二高では、これを「PR行進」と呼びます。
二高の応援風景
これら2枚の写真は、応援風景です。
この定期戦というのは、学校行事の中でも、かなり大掛かりです。
テレビ局のローカルニュースでは、試合の結果が伝えられます。
両校の生徒だけでなく、父兄も来ます。
家族連れで来る人もいます。
わたしのようなOBも来ます。
なかなかこういうイベントは、ほかの学校では見られないかもしれません。
わたしは、ここ10年以上、ほぼ毎年、定期戦に足を運んでいます。
わたしは、同級生数名と試合を見ました。
ちょっとした同級会です。
毎年、だいたい来るメンバーも決まっています。
応援団のOBも毎年来ている方がいらっしゃいます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
この定期戦には、家族連れで来る方も結構います。
高1生の両親プラス小学生の弟あるいは妹、というパターンが多いのかもと想像しています。
弟君や妹ちゃんがこの試合を見ると、
「自分もお兄ちゃん・お姉ちゃんみたいに、二高あるいは一高に入りたい!」
という良い動機付けにもなるようです。
事実、野球部の生徒が、
「父・兄が一高で、自分も兄のように一高で野球をやりたくて...」
などと語る生徒が少なからずいるようなのです。
定期戦前に放送されたテレビ・スポーツ紙のインタビューなどで、そのような発言をしばしば耳にします。
それから、両校のカラーの違いというのも、応援風景に出ているようです。
今年、定期戦の観戦にいらしたご父兄は、両校の違いを指して、このように仰っていました。
...一高は、元気がある感じですね。
二高は、真面目というか、ちょっと元気がないというか
よく分かります(笑)
それから、40年ぶりくらいに定期戦を見たという応援団のOBの方が、次のように語っていました。
...自分たちが振っていた応援旗を、40年以上たっても、同じように振っていてくれるっていうのは、うれしいよねえ
ホントに伝統芸能の世界。
これも分かります。
今後も定期戦、続いていってほしいです。
今回のコラムの表題をご覧になって、次のように感じた方はいらっしゃいますでしょうか?
...菊池は一体全体、何を書こうとしているの?
...「ダイエット法」と受験学習と、どういう関係があるの?
このように思っていただければ、わたしとしては嬉しいです。
そして、結論としては、次の3点です。
・ダイエット法と受験学習は似ている
・どちらも結局コツコツやるほかはない
・「効率の良さ」より「手抜きをしない」ことが求められる
以下、この3点について詳しく述べていきます。
さて、本欄をお読みのご父兄で、何がしかの形でダイエットをした経験のある方はいらっしゃいますでしょうか?
わたしもダイエットの経験があります。
そして、ダイエット後にはリバウンドに気を付けなくてはなりません。
これもまた一苦労です。
ダイエットはいろいろと苦しいことが多いです。
何しろこれまでの自分の生活スタイルを変えなくてはなりませんから。
そのとき、どうしても求めたいのは、
「何とかして楽にダイエットできる方法はないか?」
ということです。
ここで興味深いのは、受験学習もダイエットも、人間、考えることは同じであるということです。
つまり、「楽をしたい」わけです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
「できるだけ楽をしてダイエットしたい!」
このように考えれば、「効率の良いダイエット法」というのに目が行きます。
「効率の良いダイエットなら、できるだけ早く結果が出るに違いない!」
こういう望みを抱きながら。
しかし、実のところ、「効率の良いダイエット」とは、かなりきついです。
考えてみれば、これは当然です。
例えば、10kgダイエットすることを、考えてみます。
1か月でこの目標をやろうとするのと、10か月でやろうとするのとでは、ダイエットのきつさが違うのは明らかです。
「楽にダイエットできる」ことと、「効率的にダイエットできる」ことは、方向性がまるで違うのです。
ダイエット初心者がまずやることは、「効率の良いダイエット」より、「コツコツ長くやるダイエット」「手抜きをしないダイエット」です。
「効率の良いダイエット」を望むのはいいです。
が、きつさに耐えられず、そのままダイエットはフェイドアウト...となってしまっては、元の木阿弥です。
以上、ダイエット法について述べてきました。
今まで述べてきた中で、「ダイエット法」という単語を「受験学習」という単語に置き換えると、そのまま当てはまります。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
「効率の良い学習法」というのは、誰しも求めるところです。
しかし、この「効率の良い学習法」というのは、実のところ、「手抜き」と紙一重です。
この点については、以前、↓のようなコラムを書きました。
<関連コラム>
「効率の良い学習法」をやって効果があるのは、ある一定レベル以上の生徒さんです。
大まかな目安として、中学生で言えば、みやぎ模試偏差値55以上あたり。
つまり、全体の上位3分の1くらいです。
逆に言えば、残り3分の2の生徒さんは、「効率の良い学習法」より、「コツコツやる学習法」「手抜きをしない学習法」を目指すべきです。
例えば、上位にいる生徒さんが、スマートな、そして効率的なやり方で数学の問題を解いたとしましょう。
そして、「残り3分の2」の生徒さんが、そのやり方で問題に挑むとします。
すると、かえって問題が解けなかったり、ミスが多くなる、ということはしばしばあります。
こういった点に留意しながら、学習を進めていく必要があります。
結局のところ、点が取れなければ、何にもならないからです。
わたしが生徒さんに英語や国語の古典を指導していて、ときどき感じることがあります。
それは、
「英語や古典の音読って、どれだけの生徒さんが取り組んでいるんだろうか?」
ということです。
わたしは、毎回の英語の授業で、教科書本文の音読課題を出しています。
教科書の1ページを、毎日3回繰り返すというのが、「定量」です。
このくらいであれば、1日5分もあれば、音読課題は終わります。
そして、音読をきちんとやってきているかどうか、ランダムにチェックを入れています。
生徒さんのほうも、もし、これを怠った場合に、わたしから受ける「教育的指導」のことを考えて、彼らなりに取り組んでいるようです。
今の生徒さんは、わたしやご父兄が10代だったころと比べると、英語を聴く機会が多くなっています。
それに伴い、彼らの耳もよくなっています。
教科書に印字してあるQRコードをスマートフォンで読み込むと、オンラインで本文の音声が出てきます。
そのため、教科書本文の音読というのは、本文の音声教材を聴いていれば、事足りるといえるかもしれません。
しかし、教科書本文の音読をするのと、本文の音声教材を聴くのとでは、違いがあると、わたしは考えています。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
音声教材を聴くのは、あくまで「受け身」です。
一方、音読は自分が主体となります。
英語の文章を目で追って、発話するという段階を踏むからです。
本文を音で聞くという点では、音声教材も音読も同じです。
いや、むしろ、音声教材のほうが優れているかもしれません。
音声教材はホンモノ。
一方、音読はどこまで行っても日本人の発音。
しかしながら、音読は音声教材を聴くこととは違う効用があります。
<効用1>
読めない単語・よく分かっていない単語が自覚できる
自分の口で音読という形で音を出すことで、「読めない単語」「よく分かっていない単語」をあぶり出すことができます。
「読めない単語」「よく分かっていない単語」は、黙読であれば、何となく見過ごしてしまいがちです。
しかし、音読の場合、これらの単語をごまかすことはできません。
音読のとき、つっかえてしまいます。
つっかえたものが、まさしく「読めない単語」「よく分かっていない単語」です。
「読めない単語」を記憶することはできません。
この点、漢字も同じです。
「読めない単語」「よく分かっていない単語」に出会うことで、自身の理解の浅さを悟ることになります。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
<効用2>
英文を読むスピードが速くなる
音読を続けていると、英文を読むスピードが速くなります。
この場合、黙読のときのスピードも速くなります。
英語の試験のときには、黙読をしなくてはなりません。
黙読のスピードも速くなるというのは、大きな効用です。
というのも、この頃、大学入試の共通テストでは、英語を読む分量が非常に多くなっています。
この量の英文を時間内に読みこなすのは、かなり難易度が高いようです。
英文の音読を続けることで、長文化の対策になります。
ここでいう黙読は、単に字面を追えばいいわけではありません。
内容も頭に入ってこなくてはなりません。
音読を続けると、書いてある内容が以前に比べて頭に入ってくるようになります。
「書いている内容が頭に入ってくる」というのは、ちょっと口で説明するのは難しいですが...
実際にやってみると、「ああ、こういうことなのね!」というのが実感できます。
わたしの感想では、
「英語が単語・単語で入ってくるのではなく、単語ごとのまとまり・フレーズが、スッスッと頭に入ってくる感じ」
です。
いずれにしても、入試において、英文の量が増えてきている現状を考えると、音読は非常に有効です。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
わたしが英語・古典の音読を勧めるのは、わたし自身の反省に基づきます。
現役の受験生の頃には、英語の音読を熱心にやっていたというわけではありませんでした。
中学生のころには、英語の暗唱大会に出て、5分くらいの物語を暗唱するという経験はありました。
しかし、音読は非常に効果があることをそのときには知りませんでした。
わたしが、音読の効用を実感したのは、大学に入って、英会話やその他の外国語を学んだときです。
音読することで、英語などがそれまでよりも滑らかに出てくるようになりました。
聞き取りもよくなりました。
文章を読むのも速くなりました。
「こんなことなら、中学生・高校生のころから、もっと、英語の音読、やっておいたほうがよかった...」
このように感じました。
英語・古典の音読については、題材として、何を読んでもいいと思います。
教科書の文章でもいいでしょう。
入試合格が目的ならば、入試問題でもOKです。
そして、読む時間は、「毎日5分程度」で構いません。
これなら、「忙しかった」という言い訳はできません。
必要なのは、「少しの量でも毎日」です。
本コラムを読んで、
「じゃあ、やってみよう!」
と思って、実行してくれる方が1名でもいらっしゃれば、わたしとしては、「目標達成!」です。
先日、県教委のほうから、宮城広瀬高校の閉校が発表されました。
そして、閉校に伴い、ideal school(アイデアルスクール)が開校されます。
↓が河北新報の記事のリンクです。
「閉校」という文言は、いつも以上に多くの方の関心を呼んでいるようです。
事実、わたしがアップしたツイートは、随分と多く検索されていました。
さて、この件の新聞記事を読むと、どうも分からないことが出てきました。
そこで、昨日、県教委に詳しいことを尋ねました。
その結果、「宮城広瀬高校の閉校」と新規開校はどのようになるのか、例のマスコミ発表を「翻訳」してみます。
要約すると、「受験をする側」としてみた場合、次の通りです。
<要約1>
宮城広瀬高校は、形の上で「閉校」となるだけ
形を変えて存続する
<要約2>
新しくできる高校は、「宮城広瀬高校をもう少し緩くした高校」
<要約3>
今ある定時制高校・通信制高校とはバッティングしない
さらに、この<要約>を「受験」指導の側から見ると、次のようになります。
◎受験難易度は、今の宮城広瀬高校のランクよりやや下がると推定
◎新しい高校の開校は、私立推薦に流れた生徒の呼び戻しを狙っている
(次回に続きます)
(前回の続きです)
ここで大切なのは、
「宮城広瀬高校の代わりにできる高校は、定時制・通信制とは違う」
「基本線として、新しい高校は一般的な高校と同じ」
という点です。
例の新聞記事には、
「新しい高校は全日制。
そして定時制・通信制の機能を併せ持つ」
とありました。
「全日制で、しかも定時制・通信制の機能を併せ持つ」
というのが、非常に謎だったのです。
そもそも論として、定時制や通信制の高校なら、美田園とか、貞山とか、大志とか、そういうところはすでにあります。
しかも、これらの高校は、ずっと定員割れです。
「そんな中、定時制・通信制の機能を持つ高校を更に作ろうとしてるの?
これって、ムダなのでは?
これまでの定時制・通信制の高校と、どこがどのように違うの?」
と思ったのです。
その点を県教委に確認すると、「定時制・通信制の高校を作るわけではない」ようなのです。
県教委が作ろうとしている新しい高校は、手短に言えば、
「宮城広瀬高校をもう少し緩くした高校」
です。
そのため、定時制高校・通信制高校とは一致しません。
県教委の考えている高校は、
「一般的な高校と同じ。
でもちょっぴりカリキュラムなどが緩め」
というものです。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
宮城広瀬高校の代わりにできる「新しい高校」は、次のようなシステムです。
◎1日は1校時~8校時
◎3校時~6校時は「コアタイム」
☆全員が授業を受ける
◎1・2・7・8校時は、「選択科目」の時間
☆授業を受ける生徒・そうでない生徒が出てくる
◎従来のような「クラス」は置かない
☆チューター・スクールカウンセラー・ソーシャルワーカー等を配置
このシステムを見ると、「新しい高校」は「宮城広瀬高校をもう少し緩くした高校」という意味がお分かりかと思います。
1日8校時で、そのうち、3~6校時を「コアタイム」、残りを「選択科目」としています。
さらに、従来のような「クラス」がないということは、「クラス担任」もいないことになります。
その代わりに、チューター・スクールカウンセラーがいるということは、定時制・通信制の高校と似ています。
「全日制で、しかも定時制・通信制の機能を併せ持つ」
というのは、そのような意味です。
ですから、定時制高校・通信制高校とは、完全一致をしているわけではありません。
「新しい高校」は、一般的な高校より少し緩く、かといって、定時制・通信制の高校ほどユルユルというわけでもないと言えます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
今回、なぜ宮城広瀬高校を閉じて、「新しい高校」を作ろうとしているのか、県教委に尋ねてみました。
担当者は、あらまし次のように語りました。
...いろんな理由で一般的な高校に通えない生徒が増えている。
その受け皿として、定時制・通信制の高校がある。
しかし、定時制・通信制の高校には、抵抗を感じる人もいる。
そこで、一般的な全日制高校に「コアタイム」・「選択科目」という枠を設けてみた。
「定時制・通信制の高校の機能を併せ持つ」というのが、そういう意味である。
県教委の担当者の説明を聞いて、今回の件に対してわたしが抱いた疑問は、解消しました。
とはいえ、「新しい高校」を作るにあたって、宮城広瀬高校を閉じてしまうという形を取るのは、随分と思い切った措置だなあと感じました。
そして、今回の件を、「高校受験」という立場・受験生やご父兄の立場で見てみます。
◎受験難易度は、今の宮城広瀬高校のランクよりやや下がると推定
「新しい高校」も、全日制高校です。
よって、受験の難易度が存在します。
その際、ランクとしては、現在の宮城広瀬高校高校より、やや下がると考えています。
広瀬高校はみやぎ模試偏差値37です。
これより下がるとなると、学力的にはよほどのことがない限り、不合格になることはないと思われます。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
◎新しい高校の開校は、私立推薦に流れた生徒の呼び戻しを狙っている
広瀬高校は、もともと倍率の高い高校でした。
何しろ、10年ほど前は、倍率1.5倍を超えることが珍しくなかったのです。
しかし、今年の入試では定員割れです。
なぜそうなったのか...
それは、2020年度から始まった「高校無償化」です。
そのため、学習苦手層の生徒さんが、公立高校を受けずに、そのまま私立推薦入試に押し寄せることになったのです。
私立推薦入試は、一部の高校を除いて、ほぼ合格します。
しかも、1月半ばには合格が決まります。
基本的に国語・数学...といったお勉強のテストはありません。
この影響をもろに受けたのが広瀬高校です。
そうした流れを受け、県教委としては、「新しい高校」を通じて、私立に流れた受験生の呼び戻しを図っているように、わたしには映ります。
1・2校時には登校義務しなくてもいい場合があるというのは、それなりに選ぶ人が出てくるかもしれません。
となると、この層の受け皿となってきた私立高校にとっては、今回の県教委の決定を「民業圧迫」ととらえる可能性が出てきます。
いずれにしても、「新しい高校」の出現により、私立推薦が加速していく要素にはなりにくいと考えます。
さて、「新しい高校」は、どうなるのか...
このごろ、ちょっと耳にしたことがあります。
それは、とある公立中学の3年生の学習状況についてです。
この中学では、上位のトップ5全員が、女子生徒なのだそうです。
さらに、1位の生徒さんは「不動の1位」らしく、内申評定もすばらしいとか。
トップ層となると、どの中学も女子より男子生徒が多いというのが、昔からの通り相場でした。
しかし、上位のトップ5までが全員女子となると、珍しいかもしれません。
カッコいい!
中学生ですと、男子より女子のほうがしっかりしているというケースが多いです。
しっかり者で真面目な女子...
一方、男子は幼くてガキみたい...
昔からそうでした。
そして、それは、わたしが中学生だった自分を振り返っても、
「あのころは、ガキだったなあ」
と、思います。
男女の平均点差は、定期試験だと、5教科500点満点で、女子が男子より30点くらい上というのは、普通です。
ところが、トップ層となると、話は違いました。
男子が女子より点の高い生徒が多くなる傾向にあります。
東大をはじめとする難関大学への進学校の顔触れは、女子校より男子校が多いです。
ですから、最初に紹介した某中学のようなケースは、あまり聞きません。
たまたまそうなったのでしょうか?
(次回に続きます)
(前回の続きです)
このところ、「元気な女子」「おとなしい男子」が目につきます。
これはわたしだけの感想ではありません。
受験の指導に当たっている方からも、同じような感想を聞く機会があります。
もっともこれは、わたしが男であるゆえかもしれません。
思い返すと、同じような感想を漏らした受験の指導者は、全員が男性です。
さらに、わたしが昭和生まれということが影響しているのかも...
「おとなしい男子」というのは、性格的におとなしいということとは少し違います。
「気力・体力のない男子」が昔より増えてきた、目についてきたという意味です。
受験学習にも体力は必要です。
これは、サッカーや野球をやるといった体力とは、毛色が違います。
「サッカー・野球はガンガンやれても、机に向かって学校の勉強をするのが難しい」
というケースもあります。
男子でも、トップ層ともなれば、「受験体力」はしっかりしています。
ただ、「元気な女子」が増えている分だけ、相対的に「おとなしい男子」が目についてしまうのかもしれません。
まあ、男子であれ、女子であれ、一生懸命に受験学習に励む姿は、凛々しいですね。
こういうことは、あまり性別にこだわらずに考えたほうがいいのかもしれません。
去る4月17日付で、当方のYouTube動画チャンネルに、「二高vs二華 合格実績が示す 中学受験 光と影」という動画をアップしました。
その際、コメント欄に、↓のような感想が寄せられました。
今回のコラムでは、こうした感想・意見に答えながら、わたしなりの見方を書いてみます。
まず、
「二高と二華の合格実績比較はナンセンス」
というのは、一面の真理があると考えています。
そもそも、両校のよって立つ所は同じではありません。
二華は、105名を中学入学の段階で選抜します。
この105名は、県内でも「選ばれし105名」です。
また、青陵も、中学入学のときに、140名を選抜します。
二高は、高校受験の県内最難関320名が集います。
ですから、二高は、二華・青陵が優秀な生徒さんを選び終えた後に、「残り」を抽出していると言えなくはないのです。
言葉が悪くて失礼かとは思いますが。
また、先ほど紹介した書き込みにあるように、
「県内での上位層が、自分の入りたい校風の学校に入っただけ」
という見方にも、納得できる面はあります。
そういう背景があり、二高と二華の合格実績を比べても、意味がないというのは、理解できる気がします。
(次回に続きます)
(前回の続きです)
前回のコラムでは、
「二高・二華の合格実績比較は意味がない」
という意見に、理解はできると述べました。
しかしながら、
「行くなら二高と二華、どっちがいいの?」
という疑問をお持ちの方は、相当たくさんいらっしゃいます。
わたしも、これまでこの質問を何度も受けてきました。
そのたびごとに、
「どちらにも一長一短があって...」
と、回答してきましたが。
ですから、わたしとしては、両校の実績比較をするのは、それなりに意味があることだと考えています。
世間様の関心というのは、
「〇〇大学 ◎名合格!」
という「◎名」の大きさに行きます。
在校生の数の違いは無視する形で。
ですから、天下の開成高校と灘高校とで、東大合格者だけの数を見れば、灘は開成を上回ることがありません。
ただ、わたしとしては、在校生数の違いや、入試システムの違いなどをできるだけ考慮しました。
そうしたうえで、今回、二高と二華の合格実績を比べたつもりです。
もちろん、これが「完璧な数字の比較」などとは考えていません。
大切なのは、単に
「〇〇大学 ◎名合格!」
というところからは見えないものを、できるだけハッキリ見ることです。
数字の見方に関しては、今後も「一面的ではない見方」を提供していくつもりです。
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